プロ野球開幕1カ月、丸佳浩や東克樹など注目選手に見る今年のペナント【セ・リーグ編】

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2018.4.29
今季の序盤戦のセ・リーグは混戦模様。交流戦までのこの1ヵ月は、まだまだ順位も乱高下しそうだ

今季の序盤戦のセ・リーグは混戦模様。交流戦までのこの1ヵ月は、まだまだ順位も乱高下しそうだ

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『2018年プロ野球ペナントレース』が開幕してはやくも1ヵ月。全125試合(交流戦を含めると全143試合)のうち、約6分の1の試合が終わった。開幕当初はキャンプやオープン戦を視察したうえで、各メディアの解説陣が順位予想、活躍選手などの情報を発していたが、セ・パともにその結果に差が出てきた。

さらに、1か月後の5月29日(火)にはセ・パ交流戦に突入する。セ・パ交流戦は、今後のペナントの行方を左右する重要なゲームといわれている。そのため、各チームはこの序盤戦となる5月の戦いで、少しでも貯金を貯めたいと思っているはずだ。これからのペナントレースの行方を占うことにもなるので、ここで各チームの現状と、チームを引っ張っている選手を、振り返っておきたい。

■丸佳浩など野手の活躍が光るカープ

昨年から大きく戦力が変わっていない広島東洋カープは、序盤こそ横浜DeNAベイスターズに首位を奪われた週もあったが、昨年の勢いのままに現在は首位を走っている。23日(月)には日本中が悲しみに暮れた衣笠祥雄さんの急逝があり、カープナインにとって、24日からのベイスターズ戦は弔い戦となった。首位決戦の直接対決ともなったこの3試合だったが、敵地の横浜スタジアムで3連勝を果たし、ベイスターズを突き放す結果となっている。特に3戦目でカープのブラッド・エルドレッドが、必勝パターンで8セーブをマークしていた山崎康晃から値千金の決勝ホームランを放ち、ベイスターズに土をつけたのは大きい。

そのカープを首位に押し上げているのは、昨年の日本野球機構(NPB)の最優秀選手、丸佳浩外野手だ。昨日(25日)のベイスターズ戦でも、フォアボールや2塁打などでしっかり塁に出て得点に結びつけた。その出塁率は5割2分8厘とダントツのトップ。打率もチームトップの3割2分4厘と、昨年同様に好調を維持したままチームを引っ張っている。

2016年の沢村賞投手、クリス・ジョンソンも好調だ。現在までに4試合に登板して2勝1敗、防御率は2.89とまずまずの成績。フォアボール3、死球なしと制球力も健在で、無駄な失点を許していない。ただ、チームとしては今までの23試合でゼロ点ゲームがなく、完封やシャットアウトといかない試合が続いている。開幕投手となった野村祐輔をはじめ、昨年の勝率No.1投手の薮田和樹、24日(火)にあわや完投となる好投を演じた中村祐太ら、先発陣の頑張りが勝利の行方を左右しそうだ。もちろん昨年、右足首を骨折した鈴木誠也の復活もカギを握るのは間違いない。

■東克樹や京山将弥など、ベイスターズは若手投手の活躍が光る

今年、最も注目したいチームは、横浜DeNAベイスターズといっていいだろう。昨年はAクラス3位となったが、クライマックスシリーズで阪神タイガース、カープを撃破して下剋上達成。セ・リーグ代表として日本シリーズを戦ったベイスターズは、パ・リーグの王者福岡ソフトバンクホークスを追い詰め、1998年以来の日本一まであと一歩に迫った。その好調さを今年も維持している。

筒香嘉智、ホセ・ロペス、宮崎敏郎のクリーンナップも破壊力満点だが、やはり注目したいのは、昨年のドラフト1位の東克樹投手だろう。170センチと決して大きくない身長ながら放たれる、MAX152キロの速球と制球力が武器で、直近の読売ジャイアンツ戦では新人らしからぬ圧巻の投球で2連勝を達成。登板4戦ながらすでに三振を33個を積み上げ、早くもオールスターゲームで選ばれることは間違いないといわれる逸材でもある。

チーム内のライバル投手・京山将弥も負けていない。4連勝こそならなかったものの、現時点で3勝という成績は、アレックス・ラミレス監督も合格点と太鼓判を押す。こうした若い投手がチームの雰囲気を高めており、その勢いはどんどん増している。4月6日~15日の8連勝(対カープ2勝、対ジャイアンツ3勝、対中日ドラゴンズ3勝)がその証で、投手が打たれても、多少の点差なら打線でひっくり返せる雰囲気さえある。指揮を執って3年目となるラミレス監督だけでなく、光山英和バッテリーコーチや青山道雄ヘッドコーチなど、指導者のマネジメント力が良い方向に作用しており、リーグを面白くしているのかもしれない。

■ジャイアンツは強力打線の連携が勝利のカギか?

読売ジャイアンツは、開幕投手となった菅野智之が、思わぬ誤算で2戦2敗(3月30日のタイガース戦、4月6日のスワローズ戦)したのが痛かった。高橋由伸監督も勝ち星を計算に入れている投手で、試合を落とすのは予想外だったはず。しかし、最近になって復調の兆しが見え始めた。昨年に先発ローテーションの一角を担ったマイルズ・マイコラス(現セントルイス・カージナルス)無きあと、5月中には菅野、山口俊、野上亮磨らがしっかり相手打線を打ち取れるかがジャイアンツ浮上のポイントとなる。

昨日、63年ぶりの20得点を挙げた強力打線がじわじわと上がってきた。本人もびっくり(?)の現リーディングバッターの小林誠司捕手(3割7分3厘)をはじめ、セ・リーグの打点トップ(21点)の岡本和真内野手や、安打数トップ(31安打)の坂本勇人内野手など、伝統的な巨人打線に火が点けば、昨年のようなBクラス入りは考えづらい。今のところの誤算は、今年になって戦力アップしてきた東京ヤクルトスワローズとの相性か。逆に、タイガースとドラゴンズの2チームとは好相性で、この4月の流れを維持できれば、上昇気流に乗ってくるはずだ。

■福留、糸井などクリンナップの活躍に期待がかかるタイガース

昨年にジャイアンツとAクラス入りを激しく争った阪神タイガースは、今年も同じようにペナントレースでは互角の位置にいる。しかし、相性としては今のところジャイアンツに分がある形だ。昨年は10勝13敗と負け越しているジャイアンツ戦だが、今年はこの伝統の一戦を勝ち越せば、いい結果が付いてくるに違いない。

投手陣では今年もランディ・メッセンジャーの調子が良い。ここ3戦は連敗続きと流れが悪かったチームだったが、25日(水)のスワローズ戦でセ・リーグ単独勝利トップの4勝目を挙げ、チームの連敗を止めるとともに、勝率を5割に戻したのは大きい。その防御率1.82は、スワローズのデービッド・ブキャナン投手の1.61に次いで2位と安定感もある。長身198センチから繰り出すMAX156キロの速球に加え、縦のカーブやフォークなど勝負球が多彩で、金本監督も頼もしいと思っているはずだ。

しかし、やはり阪神の優勝のカギを握るのは藤浪晋太郎投手のような気がする。2013年に鮮烈なデビューを果たし、3年連続二桁勝利(2013年 10勝、14年 11勝、15年 14勝)を挙げた逸材は、2016年以降長期のスランプに陥っている。今年も4試合登板し、負けは1つしかないものの、ほぼ毎試合暴投するほどのノーコンぶりは健在(!?)。防御率も現在5.40と、先発投手としては失格の烙印を押されても仕方がない状況だ。しかし、特に虎ファンはこの藤浪の復活がタイガースの優勝に直結すると信じている人が多いのも事実。金本知憲監督以下、コーチ陣の手腕が問われる。

打線では糸原健斗内野手が良い感じで結果を出している。打率3割1分3厘は福留孝介外野手に次いでチーム2位の高打率。昨年のドラフト1位の大山悠輔内野手が今一つ波に乗れていないが、両人とも20歳前半の成長株だ。ここに福留と糸井嘉男外野手の打線がつながれば、相手投手も緊張を強いられるのは必至。いずれにしても、野球殿堂入りし、気持ちも新たになっている金本監督のさい配、指導に注目したい。

■青木、雄平、川端、山田、スワローズの強打復活は?

ベイスターズとともに、今年の台風の目となりそうなのが東京ヤクルトスワローズだろう。昨年はけが人続出でチームワースト記録を更新してしまったスワローズだが、元大リーガーの青木宣親や雄平の復帰・復活、川端慎吾のカムバックなど明るい材料は多い。

昨年のスワローズの不調はこの人とシンクロしていたともいわれていた山田哲人も、一昨年までの勢いまでは火が点いてはいないが、ひと山超えた感はあり、徐々にではあるが手ごたえは感じている状況だ。バファローズで長く活躍していた坂口智隆外野手は、今年はスワローズに来て3年目。コンスタントに3割近く打つシュアなバッティングは、今年はより良い形で実ってきている。打率は3割2分8厘とチームトップで、スワローズ打線を引っ張ってはいるが、タイムリーを逃しているケースがあり、これがハマるとチームも上昇気流に乗れるだろう。入団5年目となる西浦直亨内野手なども育ってきており、あとは好調のブキャナンを除く投手陣の出来次第が、2015年以来のAクラス入りの分かれ目となりそうだ。

■松坂大輔の復活勝利が待ち望まれるドラゴンズ

残念ながら開幕前の各解説者の予想通りとなってしまっているのが中日ドラゴンズだ。平成の怪物こと松坂大輔投手の入団で、ストーブリーグを賑わした同球団だが、現在は厳しい戦いを強いられている。26日(水)のジャイアンツ戦では投手陣が倒壊し、森監督も(スコアを見て)「バスケの試合か」と嘆いたほど。

スワローズ戦での3勝0敗がなければ、5位の同チームとも離されていたはずだが、まだトップのカープとは4.5ゲーム差なので十分に挽回のチャンスはある。その上位進出のカギを握るのは、やはり投手陣か。4月6日の阪神戦で被安打3本と好投、今季初勝利を挙げた3年目の小笠原慎之介投手だが、他の試合では痛打を浴び、現在防御率が5.33と厳しい結果を突き付けられている。横浜高校や明治大学で活躍した2年目の柳裕也投手が先発ローテで踏ん張っているが、1勝3敗と苦しい星勘定になっているのは、打線の援護がなかなかないからだ。

やはり、ジャイアンツに入団したアレックス・ゲレーロの穴は大きく、元ニューヨークヤンキースのソイロ・アルモンテ外野手が得点圏打率トップの5割7分9厘(通常打率でもセ・リーグ2位の3割6分6厘)と気を吐いているものの、いかんせん打線が湿っているままでは勝つイメージを作れないでいる状況だ。

やはり、ドラゴンズの復活ののろしを挙げるのは、松坂大輔の復活勝利だ。今シーズンは2回登板し、いずれも敗戦投手にはなっているものの、味方エラーでの失点など、不運なところもあり、12年ぶりの勝ち投手は目前とも言える。松坂が投げると「勝ってほしい」「勝たせたい」と守備陣も堅くなるようで、観ている観客も不思議な緊張感に包まれる。その時は着実に近づいている。松坂の復活こそ、中日浮上の合図でもあるはずだ。

交流戦までに星を稼ぐことが、ペナントレースを大きく左右する

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セ・リーグは1位から6位までのゲーム差は4.5。3連戦で3タテでもあれば、一気に順位は入れ替わる。混戦のセ・リーグだが、1ヵ月後の順位は間違いなく乱高下するはず。1点差のクロスゲームや逆転劇も多い今年のセ・リーグ。この1ヵ月は新人ドラフト選手に注目するとともに、復活を賭ける選手の姿を追っかけたい。

(※記事内の情報は4月26日現在のものです)

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