咲妃みゆインタビュー フルオーケストラをバックに初のソロコンサート『First Bloom』に挑む!
咲妃みゆ
早霧せいなとの名コンビぶりで「平成のゴールデンコンビ」と謳われた元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の咲妃みゆ。退団後、舞台に、テレビにと着実な歩みを続ける彼女が挑む、初のソロコンサート『咲妃みゆオーケストラコンサート “First Bloom”』が、5月13日(日)17時~舞浜アンフィシアターで開催される。
東京ニューシティ管弦楽団のフルオーケストラをバックに、様々な演出を施すことができる舞浜アンフィシアターで、咲妃がどんなステージを見せてくれるのか。その新たな挑戦に今、大きな注目が集まっている。そんな咲妃に、コンサートのタイトルに込めた想い、内容、意気込みを、このコンサートに至る宝塚退団後の歩みも含めて語ってもらった。
様々なディズニープリンセスを歌で演じる第一部「空と海のファンタジー」
ーーフルオーケストラをバックにしたソロコンサートという大変豪華な企画ですが、オファーを受けた時の心境は?
宝塚を卒業後5ヶ月ほどの頃お話を伺いました。まさか私にこんな光栄な企画が!?と大変驚きましたが、宝塚での公演はすべてフルオーケストラでしたから、ミュージシャンの方々に触発されるものがどれだけ大きいかも感じていました。しかも今回はコンサートということで、宝塚時代の経験とはまた違うものが必ずあると思い、勇気をもって挑戦してみようと。今はそんな新たな挑戦ができる喜びと、緊張を感じているところです。
ーー『First Bloom』というタイトルに込めた気持ちはどんなものですか?
私にとって最初の試みですし、新たな第一歩でもあることと、初心を忘れないという想いで「First」はどうしても入れたいなと思いました。「Bloom」に関してはコンサートが5月の、花々も新緑も美しい季節であることと、私の芸名の中に「咲く」という漢字が入っているので、はじめて咲く『First Bloom』と名付けました。
ーーとても素敵な意味合いですね! そしてこちらのコンサートは二部構成とのことで、第一部が「空と海のファンタジー」。これもまた美しいタイトルですね。
一部は多くの曲がディズニーソングで、私自身大好きなディズニーの世界の中から厳選した名曲をお届けします。
ーーでは、様々なディズニープリンセスに扮した咲妃さんが見られるのですね?
コンサートなのでトークを挟みながら歌うという形になりますが、それぞれの楽曲の中に登場するプリンセスたちの境遇も性格も全く違いますので、歌を通してお客様に物語の中に入っていって頂けたらと思っています。
咲妃みゆ
ーー退団後の初出演作品『Concierto del Tango ─タンゴのすべて─』でも、楽曲の中で描かれる女性になりきった歌唱が印象的でしたから、今回もプリンセスたちのドラマを表現したものになるのでしょうね。
タンゴもとても難しかったのですが、やはり歌の中で演じる、物語を表現することを改めて学べた機会でもあったので、そこで得たものは活かしていきたいです。
大好きな曲、勇気をもらった曲を詰め込んだ第二部「世界から愛をこめて」
ーーそして第二部が「世界から愛をこめて」ということですが……。
日本を飛び出して世界各国の名だたるアーティストの方々の名曲をお届けします。その中で、これは第一部にも共通するのですが、私が大好きで、特に思い入れのある曲を選びました。ですから、幼い頃から親しんできた楽曲や、これまでの歩みの中で、私自身が折々に勇気を得られた楽曲が登場します。
ーーミュージカルナンバーなどではなく?
そうご期待されている方々もきっといらっしゃると思いますし、私も大好きなミュージカルナンバーは多々あるのですが、今回は敢えて視点を変えてミュージカル以外の楽曲で構成しています。ですから長年応援してくださっているファンの方々にとっても、私が歌うのは初めて聞いた、という曲もあるかと思います。
ーーそれはまた逆に新鮮ですね。宝塚時代にもショーでマドンナの「Material Girl」を歌う咲妃さんの普段とはまた違ったキュートさが印象的でしたから、新しい咲妃さんの魅力が見られる楽しみも膨らみます。
今回は私の意見に耳を傾けてくださるスタッフの方ばかりで「私が何をやりたいのか?何を歌いたいのか?」を詰め込んだ形になっています。ですからすべてが私の好きな音楽ばかりで、はじめはこんなに好きなものだけを集めて良いものだろうか?ととまどったほどだったのですが、話し合いを重ねる中で、私自身の気持ちにも変化があり、やってみたいことに対して前向きに取り組んでいくことができています。今回は歌1本で行くと決めてダンスも取り入れていませんが、だからこそ歌による表現力が重要になると思います。歌うのは私1人ですが、フルオーケストラの皆さん、スタッフの方々と一丸となって素敵な時間をお届けしたいです。
咲妃みゆ
宝塚歌劇の素晴らしさを改めて実感した今だからこそできる、新たなコンサートを
ーーコンサートの会場が「舞浜アンフィシアター」で、第一部のディズニー世界のまさに夢の国の中にあるシアターですね。
最初にコンサートのお話を頂いた時点で、会場は舞浜アンフィシアターでということも含めて提示してくださって、本当に様々な可能性のある素晴らしい劇場なので、劇場そのものにも「やってみよう」という気持ちの後押しをしてもらったと思っています。ですので、あの劇場ならではの、あっと驚く演出も考えています。
ーー席数も約2100席ということで、東京宝塚劇場とほぼ同じ規模になりますね。
そうなんです! 久しぶりに大舞台に立つことになりますから、感覚を呼び起こしていきたいと思います。
ーーまた退団後、様々なお仕事を経験されてきましたが、今その日々を振り返ると?
退団したからこそ経験できた、というたくさんのお仕事に恵まれました。『Concierto del Tango ─タンゴのすべて─』、ディナーショー、そして『越路吹雪物語』でテレビの連続ドラマへの出演も叶いました。様々な出会いから世界が広がっているのを感じています。
ーーそのテレビドラマでは宝塚の大先輩の乙羽信子さんに扮して、宝塚の歴史の重みも改めて感じたのでは?
それは本当に大きなことでした。特に宝塚在団中には資料でしか知らなかった時代の宝塚を、ドラマの中だとしても経験することができました。この時代の偉大な先輩方がいらしたからこそ、宝塚歌劇の100年の歴史がつながってきたんだということを改めて強く実感しましたので。個人的には人生の中で二度宝塚に入団できて、二度卒業できた、という滅多にない機会を与えてもらえたなと。私自身が宝塚の卒業を決めた時の記憶が新しいこともあって、劇中で卒業を告げるシーンなどには、自分の気持ちとリンクするものが多く、胸が熱くなる瞬間、涙なしには演じられない場面も多々ありました。宝塚歌劇団の素晴らしさを再確認させてもらった貴重な経験でした。
ーーその宝塚の舞台もご覧になって、ファン宣言もされていましたね!
本当に楽しかったんです! 「なんて素晴らしい夢のような世界なんだろう!」と思えて。やはりこれまでは娘役さんはもちろん、男役さんからも何かを学びたい、吸収したいという意識で観劇していたのですが、間もなく卒業から1年が経つ中で、私自身が新たな道を歩んでいる実感があるからこそ、純粋に宝塚の世界の楽しさを感じて、ふるさとに帰れた気持ちを持てるようになったのだなと思います。
ーー8月にはミュージカル『GHOST』でヒロインを演じることが発表になっていますが。
お稽古に入れば様々な壁に直面すると思いますが、舞台でのお芝居は約1年ぶりで、今はその待ち焦がれていた時がくるのが楽しみで仕方ありません。全身全霊で取り組んで、大好きな『GHOST』の世界観をお届けできるように頑張ります。
ーーそんな新しい舞台も大変楽しみですが、まずはこの『咲妃みゆオーケストラコンサート“First Bloom”』に期待しています!是非、楽しみにしている方々に意気込みとメッセージをお願いします。
いよいよ本番が近づいてきていて、曲の構成、舞台の構成も密度が増し、私自身も楽しみで仕方がないです。たった1日、1回限りのコンサートとなりますが、お客様と一緒に素敵な時間を過ごせたらと思っております。一生懸命心をこめて1曲1曲歌わせていただきますので、是非楽しみに夢の国にある舞浜アンフィシアターにいらしてください!お待ちしています!
咲妃みゆ
取材・文=橘涼香 撮影=荒川潤
公演情報
日程:2018年5月13日(日) 17:00 開演 (16:00 開場)
会場:舞浜アンフィシアター (千葉県)
料金:S席 ¥9,500 A席:¥8,500
出演:咲妃みゆ
共演:東京ニューシティ管弦楽団
主催:東京ニューシティ管弦楽団/AXIS Inc.
企画:UNIVERSAL MUSIC/Primavera
制作:L’ÉQUIPE TROIS.INC
お問い合わせ:03-3470-0330(weekday12:00-19:00)