『デパートメントH 第8回大ゴム祭』レポート フェティッシュやファッション、アートが融合した“ラバーの祭典”

レポート
アート
2018.5.9

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日本最大のアンダーグラウンドイベント『デパートメントH』は、毎月第一土曜日の夜に開催される。特に、5月6日「ゴムの日」にちなんで開催される『大ゴム祭』には、ラバーを愛するラバリストと大勢の観客が日本全国から詰めかけ、会場の東京キネマ倶楽部が大入り満員となる。2018年5月5日で8回目となる大ゴム祭の模様をレポートしよう。

サエボーグの新シリーズ「Wasteland」をお披露目

第8回大ゴム祭は、サエボーグの新作発表からスタートした。ラテックス製のスーツを自作するアーティスト・サエボーグは、国内外で精力的に作品発表する傍ら、デパートメントHのスタッフも務める。第17回岡本太郎現代芸術賞「岡本敏子賞」受賞。米フィラデルフィアの美術館ICAにて企画展『Tag: Proposals on Queer Play and the Ways Forward』に参加中で、世界中から注目されている。

サエボーグの新シリーズ「Wasteland」の第1作目

サエボーグの新シリーズ「Wasteland」の第1作目

カール・ストーン

カール・ストーン

今回は、これまで制作してきた「家畜」シリーズとは異なる新シリーズ「Wasteland」の第1作目をお披露目した。ステージ上に現れたのは、ラテックス製のフンコロガシ2匹、ハエ、そして排泄物。楽曲提供とライブ演奏をしたカール・ストーンは、コンピューターミュージック分野で3本の指に入る現代音楽家で、ケンタッキーのフリーマン賞などを受賞し、ロックフェラー財団の助成も受けるなど多彩な経歴の持ち主だ。カールの新曲をBGMに、フンコロガシたちが排泄物を投げ合い、ステージの外にも排泄物が飛び交った。

ラバリストたちが闊歩するラバリストウォーク

ゴム犬

ゴム犬

くつべら

くつべら

大ゴム祭のラバリストウォークでは、全国から集まったラバリストたちが自慢の衣装に身を包んでステージを闊歩する。全身をラバーで覆い尽くすヘビーラバリストたちの中でも、犬のマスクの2人は「犬装家」のゴム犬とくつべらだ。ゴム犬は、ダルメシアンのキャットスーツの上に黒いスーツを重ね着し、水中長靴を合わせる。一方、くつべらの衣装は忍者がテーマだ。

北見えり

北見えり

フェティッシュ系フリーモデルの北見えりは、ブルーのラバー製ナース服を着用。5年前に仕事でラバーを着て以来、ぴったりとフィットする感覚の虜になったという。パンチラで観客を悩殺しながらキャットウォークを歩いた。

Tentoku

Tentoku

“ラバー界のプリンス”Tentokuは、ニューヨークのイエローキャブ(タクシー)をモチーフにしたラバー衣装で登場した。「大ゴム祭という日にステージに立てるのはありがたいですね」と語るTentokuは、大ゴム祭に1回目からレギュラー出演してきただけでなく、今やスタッフとしてデパートメントHを支える存在でもある。

Kurageの新作コレクションを発表するファッションショー

Kurageは、池袋に店舗を構えるオーダーメイドラバーの専門店。「European Fetish Awards Best Fetish Fashion Design」で2015年と2016年の2年連続受賞した実績を誇り、そのラバー衣装は国内外で高く評価されている。

Kurage製の白無垢をまとった若林美保

Kurage製の白無垢をまとった若林美保

Kurageのファッションショー

Kurageのファッションショー

Kurageのショーは2部構成で、第1部は、イギリスのフェティッシュクラブイベント『TORTURE GARDEN』で披露した演目を再現。デパートメントHが誇る美貌の舞姫・若林美保が、ラバーの白無垢をまとって妖艶に舞った。第2部は、Kurageの新作コレクションを発表するファッションショーだ。Kurage製のラバー衣装に身を包んだモデルたちが、衣装のテーマに合わせたパフォーマンスで観客を魅了した。

ラバリストたちが集うラバーブースが大盛況

ラバリストブース(Tentoku(左)と大谷ひろみ(右))

ラバリストブース(Tentoku(左)と大谷ひろみ(右))

ラバリストたちが集うラバーブースは、大ゴム祭に合わせて拡張され大盛況だった。フェティッシュファッショントータルケア用品ブランドbeGlossとKurageの垂れ幕を背景に、ラバリストたちが撮影を楽しんでいた。

水槽ガールを務めるMary Jale

水槽ガールを務めるMary Jale

Mary Jale

Mary Jale

入り口で来場者を出迎える“水槽ガール”を務めたのは、世界的に有名なフェティッシュモデルMary Jale。MaryはKurageのショーに出演し、ラバーブースではファンと交流を深めていた。また、欧米のフェティッシュシーンをリードしてきたドイツ在住の写真家、Peter W. Czernichも来日。ラバーブースには、Peterに憧れるラバリストたちが殺到した。

うしじまいい肉「Predatorrat」とKurageのコラボニーハイ

うしじまいい肉「Predatorrat」とKurageのコラボニーハイ

カリスマコスプレイヤー、うしじまいい肉のブースでは、うしじまがプロデュースするブランド・PredatorratとKurageのコラボニーハイを販売。来場者が我先にと買い求める人気ぶりだった。

さまざまなジャンルが融合した“ラバーの祭典”

大ゴム祭は、フェティッシュやファッション、アートなど、さまざまなジャンルが融合した“ラバーの祭典”である。ラバーを心から愛する人だけでなく、あらゆる人たちに門戸が開かれている。大ゴム祭に参加すれば、ラバーの虜になること請け合いだ。

イベント情報

デパートメントH 第8回大ゴム祭
日時:2018年5月5日 ※終了
会場:東京キネマ倶楽部
https://ameblo.jp/department-h/
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