【訃報】俳優・声優・演出家の熊倉一雄さん死去

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【訃報】俳優・声優・演出家の熊倉一雄さん死去

俳優・声優・演出家で劇団「テアトル・エコー」の代表を務めていた熊倉一雄さんが、10月12日日午後3時24分、直腸癌のため都内の病院で亡くなった。88歳だった。10月16日、テアトルエコーが公表した。

熊倉さんは、1927年1月30日生まれ。東京・麻布出身。旧制都立高等学校理科(現都立大)在学中に初めて舞台に立ち、演劇に興味を持ち、1949年に劇団感覚座設立。1956年には劇団テアトル・エコーに参加。独特の声が評価され、日本テレビ「ヒッチコック劇場」でヒッチコックの声を担当、これが当たって、以後NHK「ひょっこりひょうたん島」海賊トラヒゲの声を担当するなど声優としての地位を確立した。1968年にはアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の主題歌を歌い、キングレコードのヒット賞を受賞。近年では、TVドラマ版『名探偵ポワロ』のタイトルロールの吹き替えもよく知られた。

テアトル・エコーでは俳優と演出を兼務、『ひょっこりひょうたん島』『ブンとフン』など縁のあった放送作家・井上ひさしに、デビュー戯曲『日本人のへそ』の執筆を依嘱し、その上演で主演し、大成功を収めた。同劇団では、亡くなるまで代表取締役演劇担当を務めていた。1991年紫綬褒章受章、1998年勲四等旭日小綬章受章、1998年紀伊国屋演劇賞個人賞受賞、2015年NHK放送文化賞受賞。

10月16日から恵比寿・エコー劇場で開幕した『諸国を遍歴する二人の騎士の物語―ドン・キホーテより―』(作:別役実、演出:永井寛孝)では、主役の一人「騎士1」役を演じる予定だったが、今年8月に体調不良により降板。この舞台の初日の幕が無事上がるまで訃報を明らかにしてほしくないと本人が希望していたとのことで、同日夜まで劇団からの訃報が伏せられていた。たまたま編集子は同日、初日の舞台を観劇していたが、劇場では熊倉さんの死去に関することは微塵も知り得なかった。

これにより舞台出演は2014年11月の『遭難姉妹と毒キノコ』(作:鈴木聡、演出:永井寛孝、於・エコー劇場)が最後となった。

なお、葬儀は親族のみで執り行われるとし、12月1日午後2時から恵比寿・エコー劇場で劇団主催の「お別れの会」が催される。

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