偉大すぎるエルトン・ジョンがやってくる。

コラム
2015.10.26

エルトン・ジョンがやってくる。

エルトン・ジョンは、ここ日本ではとくに過小評価されているアーティストの一人と言っていい。60年代末から活躍する大ベテランで、多くのメガヒットと、サーの称号を持ち、シングルの最高売り上げ記録まで持っているのに、だ。

その代わりに、言動やその周辺での話題には事欠かない。ゴシップやスキャンダルというたぐいの話題だ。

自身が同性愛者であることを告白し、男性のパートナーと結婚をしたのも有名な話だ。

先日も、こともあろうか、ロシアのプーチン大統領との電話のやりとりが世界的なニュースとしてネット上を飛び回った。

ことの顛末はこうだ。

エルトン・ジョンは、ロシアで成立した反同性愛法(同性愛宣伝禁止法)に反対し、プーチン大統領との対談を望んでいることを公言していた。そのエルトン・ジョンにプーチン大統領が電話をしたらしいというニュースが流れた。エルトン・ジョンはインスタグラムにプーチン大統領の写真を掲載し、プーチン大統領が電話をくれ、ロシアにおけるLGBTについての会話をしたことを明らかにした。

このニュースはすぐに世界中を駆け巡ったが、実は、この電話はプーチン大統領本人ではなく、ロシアのコメディアンの成りすましであり、テレビ番組の企画の一環としてかけられたもので、その模様は後日放送されたという。エルトン・ジョンは、騙されたのだ。

ただ、エルトン・ジョンは、この成りすましに対しても怒りを示さずに、この出来事でLGBTやロシアの反同性愛法の問題がクローズアップされ、多くの人が考える機会になれば嬉しいとコメントしている。


だが、この騒動はここでは終わらなかった。その数日後、今度は、本物のプーチン大統領がエルトン・ジョンと連絡をとったのだ。

これは、プーチン大統領のスポークスマンが発表したもので、プーチン大統領が電話をしたことは事実だろう。2人は、今後日程の都合がつけば直接会って会談を行うことを確認し合ったという。

登場人物がロシアの大統領なのだからスケールの大きな話だが、やはりこれは所詮ゴシップでしかない。音楽のことは無関係だからだ。

近年のエルトン・ジョンは、こういうニュースがやたらと多い。

ただ、どんなにゴシップが多かろうが、彼がスーパースターであることは変わりなく、彼の楽曲たちが今でも輝いていることは疑いのない事実だ。

だからこそ、ここで改めて彼のキャリアとその偉大さを確認しておこう。

エルトン・ジョンは、1947年3月25日生まれの68歳。本名はレジナルド・ケネス・ドワイト。

1969年にデビューし、1970年の「僕の歌は君の歌(Your Song)」の大ヒットで一躍スターダムにのし上がる。この楽曲は今でも彼のトレードマークとして親しまれている代表曲で、日本でも繰り返しTVCMなどで使用されているスタンダードと言っていい曲だ。この曲が収録されたセカンドアルバムはグラミー賞の最優秀アルバムにノミネートされた。

また、1972年発表のアルバム「ホンキー・シャトー」は初の全米1位に登り詰め、その後エルトン・ジョンは7枚ものアルバムを連続全米1位に送り込むという快挙を成し遂げた。

シングルとしては、「クロコダイル・ロック」「ダニエル」「ロケットマン」「ベニー・アンド・ザ・ジェッツ」「フィラデルフィア・フリーダム」「アイランド・ガール」を始めとする名曲を世に送り出し、70年代に早くもキャリアの頂点を極めた。

 

80年代に入ると、それまでのハードワークの為か、アルコールやドラッグに溺れて活動に影響をきたすことになる。その中でも活動を続け、全英1位となった「サクリファイス」を始めとする何曲ものヒットシングルを送り出すも、アルバムのセールスは低迷を続け、その音楽性の評価も決して高いものではなくなってしまっていた。

 

ただ、90年代に入ると、自動車事故で亡くなったダイアナ元皇太子妃の追悼曲として、自身の過去の楽曲のリメイクである「キャンドル・イン・ザ・ウィンド1997」を発表。ここ日本を含む世界中で大ヒットとなり、最終的に3700万枚以上も売上げ、史上最も成功したシングルとなった。

アメリカチャートでは14週連続の1位という記録を打ち立て、1998年にはグラミー賞の最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞し、世界中に完全復活を印象付けた。エルトン・ジョンはこのシングルの売上げの2000万ポンド(約30億円)全額をダイアナ記念基金に寄付し、エリザベス女王からナイトの称号を授与された。

 

以降、アルバムの間隔は長くなるものの(旧友であるピアノマン、ビリージョエルはまったく新作を発表しない活動スタイルにシフトしたが、エルトンは新作を作ることに強い意欲を見せている)、ライブを中心にコンスタントな活動を続け、現在までに全世界で3億枚以上のレコード・セールスを記録。年間に1億ドル(約80億円)を稼ぎ、推定総資産は1億万ポンド(日本円で約170億円)とも2億万ポンド(約330億円)ともいわれる、世界で最も成功した男性ソロ・アーティストの一人として君臨している。

 

いくらゴシップが多かろうとも、長いキャリアの中で浮き沈みを経験し、ここまでの栄光と資産を手にしてきた彼にとってそれはどうでもいい事なのかもしれない。

派手なカツラやメガネを身に付けてのややトゥーマッチなパフォーマンスはあくまでもファンサービスとしての行為であり、いつでもファンを楽しませることを第一に考える。ゴシップやスキャンダルも、ややもするとその一部なのかもしれないとも思えてくる。

それがエルトン・ジョンの凄さであり、それこそが彼の個性なのではないか。

個人的な思い出話になるが、筆者がオーストラリアに住んでいた90年前半には、エルトン・ジョンのかけていたメガネコレクションを一堂に展示するメガネ展が世界を巡回しており、筆者も彼の地でそれを見に行ったことを懐かしく思い出す。

日本で言えば銀座三越の催事場のような場所で、比較的年齢層の高い客が集まったその会場はさながらサロンのような雰囲気をたたえていた(すくなくとも、ロックではなかった)。

なにはともあれ、こんなメガネ展を開けるのはエルトン・ジョンをおいて他にはいない。

 

そんな偉大すぎるエルトン・ジョンに、栄光あれ。

 

エルトン・ジョン&ヒズ・バンド ライブ・イン・ジャパン 2015


2015年11月16日(月) 大阪城ホール
2015年11月18日(水) 横浜アリーナ

ウドー音楽事務所 03-3402-5999
 

チケットの詳細は

 

「生中継! エルトン・ジョン & ヒズ・バンド ライブ・イン・ジャパン 2015」

2015年11月18日(水)夜6:45(生中継)
神奈川 横浜アリーナからWOWOWプライムが生中継を実施。

 

 

エルトン・ジョン

 

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