『メモリーズオフ』楽曲を含め神セトリ! 彩音さんが昼夜公演で全36曲を熱唱!『彩音LIVE2018~レジリエンス ~』夜公演レポート
2018年6月2日、『彩音』が2018年初となるワンマンライブ「彩音LIVE2018~レジリエンス ~」を開催した。
ライブタイトルになっているのは、2018年3月21日に発売された新曲・『レジリエンス』。これは彼女が歌姫を務め続けてきた『メモリーズオフ(メモオフ)』シリーズの最新作にして、“ラストメモリーズ”と称されている『メモリーズオフ -Innocent Fille-』のOP主題歌となっている。
ライブの告知文にも「ゲーム『Memories Off』楽曲他、多数歌唱」とあったように、彼女自身のファンだけでなく、『メモオフファン』にも注目度の高いライブとなった。今回は、その夜公演の模様を届けたい。
あれから13年
ライブの取材に入るため新宿に到着したのは17時。夜公演の開場が18時ということで、かなり時間に余裕を持った到着となった。これは、最高のライブを体感する前に、改めて彼女の楽曲に触れる時間が欲しかったためである。
高鳴る鼓動を落ち着けるため、ファミレスに足を踏み入れた。
筆者と彩音の出会い(はじめて楽曲を耳にしたという意味)は、2005年にまで遡る。2005年に発売されたPS2専用ソフト『Memories Off After Rain』がそれだ。ファンの方にはご存知の名曲『ribbon』と『After Rain』。
インターネットが今ほど普及していなかった時代。楽しみにしていたゲームをはじめてPS2にセットし、流れ出した彼女の歌声は力強く、とても切なく儚いものだった。
まさに、『メモオフ』という作品を体現したような歌声。これまでの人生でも多くの瞬間で彼女の歌に元気を与えられ、大事な時間の前には勇気づけられてきた。
時計を見ると、会場10分前。ライブ本編はもうすぐだ。
とことん盛り上がる会場
18時30分。定刻通りにライブは開始された。ダンサー2人が登場し、彩音を招き入れる。夜公演の1曲目は『Film Makers』だ。『OVA『Memories Off #5 とぎれたフィルム』OPである同曲。爽やかさと切なさが混在した一曲。イントロが流れた瞬間に開場からも大きな声援が巻き起こった。
続いて『かけがえのない想い ずっと一緒に』(Memories Off 6 Complete OPテーマ)、『ずっと一緒にもっと遠くまで』(Memories Off 6 Next Relation EDテーマ)を披露。
『かけがえのない想い ずっと一緒に』の歌い出し直後「行くぞ!!!」と会場を煽る彩音。『Film Makers』の時は歌声に曲に魅入られていた会場の温度が一気に引き上がる。会場からも推しキャラを叫ぶファンの姿が。曲と作品の高いリンクがあればこその瞬間だろう。
そして、4曲目には彩音のライブを締めくくる1曲である『ロマンシングストーリー』が抜擢された。
2017年12月2日(土)に東京・Zirco Tokyoで開催された「彩音 Winter Live 2017 ~Best Memories~」でも、本編を締めくくる18曲目に歌われていた一曲だ。MCでも「最後に歌うと思ってたでしょ?」と彼女が語ったように、まさかこんなに早く聞けるとは会場全体が度肝を抜かれていた。同曲は会場全員で歌うことも特徴の一つ。
~I know We need you everyday. I know We need you everyday. I know We need you smile. dear My friend.~
大きな手拍子と大合唱。会場が4曲目にして、テンションは最高潮を迎えた。余談であるが、筆者はここで本日、初の涙を流してしまった(仕事中ではあるので、気を引き締め直す)。
とてもポップでさわかやな曲調。ここに彼女の声が重なると、「大切な人をちゃんと大切にする日々こそ、かけがえのない日常なのだ」という気持ちがこみ上げてきた。
閑話休題。会場全体でタオルを振り盛り上がった『ロマンシングストーリー』が終わると、アコースティックコーナーに突入。『Next Relation』、『Close Your Eyes』、『そよ風のシルエ』を披露した。
特に印象に残ったのは、『そよ風のシルエ』だ。彩音がアコースティックコーナーを締めくくる一曲が同曲だと語った瞬間に、会場からは『おぉ!!』と喜びを隠しきれない声が漏れた。
同曲は『水夏A.S+』のEDテーマ。メモオフ曲を楽しみにして来場した多くのファンもまさかこの曲を歌うとは!? という心境だったに違いない。まさに神セトリだ。
あがらない雨はない
アコースティックコーナーが終了すると、衣装の早替えを行った彩音が登場。満を持して、同ライブの冠にもなっている『レジリエンス』を披露。
『メモリーズオフ -Innocent Fille-』のOPである同曲。一体どこでブレスをしているのか? これぞまさに千代丸サウンドといったところか。この曲に合わせて白の衣装にチェンジした彩音が美しい。
新曲・『レジリエンス』で会場の空気を一転させた次は、『DOLPHIN☆JET(ケンコー全裸系水泳部 ウミショー OPテーマ)』、『その先にある 誰かの笑顔の為に』と、アップテンポな楽曲を続けて披露。続いて『その先にある、誰かの笑顔の為に(ひぐらしデイブレイク Portable 主題歌)』、『Angelic bright(ひぐらしのなく頃に絆 第四巻・絆 OPテーマ)』を歌い挙げた。
そして、『メモリーズオフ -Innocent Fille-』のEDテーマである『あがらない雨はないんだよ』へ。
会場に足を運んだファンの多くがゲームもプレイ済み。まさに最新作をクリアして間もないタイミングで聞く一曲に彼女は「辛いことがあって、前向きになりたい時に聞いて欲しい」と、心境を語った。
発表時から最終章と言われている『メモリーズオフ -Innocent Fille-』。多くの伏線や謎を回収し、たどり着いたEDでこの曲が流れた時のことを思い出して、ここで思わずしんみりとした気持ちになってしまう。
彼女が歌で作り上げてきたメモオフがここで終わってしまう?のは、なんとも言えない気持ちになるが、最終章という機会を得て、彼女がOP・EDを歌い上げる。人生の中でも大きな1ページになった。
まさに“ありがとう この気持ちより 送りたい言葉はない” と言ったところだ。
15周年yearに期待
『あがらない雨はないんだよ』を歌い上げ、ここからは『君の描片~キミノカケラ~(PSP 想い出にかわる君 ~Memories Off~ Memories Off ~それから~ OPテーマ)』、『キミが居た証拠に(Memories Off #5 encore OPテーマ)』、『ORANGE(Memories Off #5 とぎれたフィルム OPテーマ)』、『永遠のメモリーズ(Memories Off(Memories Off Memories Off 2nd OPテーマ)』とシリーズを彩ってきた楽曲を連続で歌い上げた。
ここでライブ本編は終了。アンコールに選ばれたのは、『Private place(龍刻 RYU-KOKU OPテーマ)』、『真実への鎮魂歌(11eyes CrossOver OPテーマ)』だ。
敢えて、バラードや『ロマンシングストーリー』ではなく、この2曲を持ってきたのは、2018年10月20日からはじまる彩音デビュー15周年に向けて「まだまだ盛り上がっていく」という意気込みか。
ライブ中にも彼女自身、「年内にもう一度ワンマンライブをやりたい!」と語っているように、全36曲を歌い上げた昼夜公演を通しても“まだまだ歌い足りない”という気持ちが十分に伝わってきた。
昼夜公演を通じて、彩音がメモオフシリーズで担当した楽曲を全て歌い上げた同ライブ。どちからではなく、両公演に参加したかったという気持ちになったファンも多かったことだろう。
『Memories Off』を高校生でプレーしていた筆者は既に34歳。1のプレーから約20年の月日が流れたが、改めて“かげがえのない思い出”ができた時間だった。
人生の中で、時には心に雨が降っている時もあるだろう。そんな時には、彼女の歌をまた聞こう。そんな思い出に残る「彩音LIVE2018~レジリエンス~」だった。
彼女の歌声は全く色あせないということに改めて気付かされる音を彩る彼女の声をこれからも聞き続けていきたい。次のワンマンライブ。2018年10月からスタートする15周年。まだまだ彼女から目を離すことができない。
[取材・文/川野優希]
夜公演セットリスト
1 Film Makers
2 かけがえのない想い ずっと一緒に
3 ずっと一緒にもっと遠くまで
4 ロマンシングストーリー
5 Next Relation(アコースティック)
6 Close Your Eyes(アコースティック)
7そよ風のシルエ(アコースティック)
8 レジリエンス
9 DOLPHIN☆JET
10 その先にある、誰かの笑顔の為に
11 Angelic bright
12あがらない雨はないんだよ
13 君の描片~キミノカケラ~
14 キミが居た証拠に
15 ORANGE
16 永遠のメモリーズ
EN1 Private place
EN2 真実への鎮魂歌
彩音公式サイト