マルミミゾウってどんなゾウ?「広島市安佐動物公園」vol.1
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クロサイの繁殖率は世界有数!
広島市北部の郊外に位置する安佐動物公園(広島市安佐北区)は、1971年9月に開園。広い敷地を活用して、シマウマやアヌビスヒヒなど、群れで生活する動物は群れで飼育や展示をしています。飼育下での繁殖にも積極的に取り組み、多くの動物において日本有数の繁殖実績を残しており、特に希少動物であるクロサイの繁殖に力を入れ、今年長寿世界一となったハナ(高齢のため現在は非公開)は、10頭もの子どもを産んだ多産日本一のクロサイです。
クロサイの親子(左:サキ 右:ユキ)
ハナの子どもであるサキも6頭の子を産み、6番目の子・ユキと仲よく運動場に出ています。運動場はとても広いので、運が良ければ走る姿が見られるかもしれません。
「クロサイビューポイント」からの眺め
「ライノテラス」からクロサイを間近で見られるだけでなく、高台にある「クロサイビューポイント」からは、風景も楽しみながらクロサイを眺めることができます。
マルミミゾウのメイ
同園ではアフリカゾウを3頭飼育していますが、そのうちの1頭はマルミミゾウです。アフリカゾウは、サバンナに生息するサバンナゾウと、森林を主な生息地とするマルミミゾウの2種に分けられます。一般的に、アフリカゾウといえばサバンナゾウを指し、国内で飼育されているほとんどのアフリカゾウがサバンナゾウです。マルミミゾウは、サバンナゾウより小柄で、耳が丸みをおびた形をしています。2001年に来園したメイは、当初サバンナゾウだと思われていましたが、DNA解析をした結果、マルミミゾウだと判明しました。
左:アイ(サバンナゾウ)右:メイ(マルミミゾウ)
マルミミゾウだと確認されている個体は、国内では2頭だけです。もう1頭は、「秋吉台自然動物公園サファリランド」(山口県美祢市)にいます。マルミミゾウは世界の動物園でもほとんど飼育されておらず、非常に珍しいゾウですが、実は、日本人とは深い関わりがあります。マルミミゾウは絶滅の危機に瀕していて、数値上は5年~10年で絶滅するおそれがあるといわれています。数が激減している原因は、密猟です。マルミミゾウの象牙は「ハード材」と呼ばれ、三味線の撥としての需要があり、需要がある限り密猟はなくなりません。熱帯林の種子散布者であるマルミミゾウがいなくなれば、熱帯林もそこに住む生物も失うことになります。メイがサバンナゾウと間違われて日本に来たのは、それを私たちに伝えるためだと思わずにはいられません。
左:メイ(マルミミゾウ) 右:タカ(サバンナゾウ)
小柄なメイですが、体重が3倍もあるタカ(オス)に自分から近づいてコミュニケーションをとるガッツがあります!
ライオンカレー(550円)
大型動物では、ライオンも人気です。同園のライオン舎には、ライオンを間近で観察できる「レオガラス」が整備されています。食堂「バクバク」の人気メニューも「ライオンカレー」(550円)。そんな人気メニューに、ライバルが登場! この夏お披露目となった新メニューは、広島文教女子大学の学生グループが考案した「ハヤシの中のキリン~季節の野菜を添えて~」(550円)。ターメリックライスがキリンの形に盛り付けられた、優しい味のハヤシライスです。
繁忙期など臨時開園あり