飼育員による動物解説マンガが人気!「広島市安佐動物公園」vol.2
「どうぶつ子育ての家」で命について学ぼう!
広島市安佐動物公園(広島市安佐北区)は、広島市北部の山麓に広がる自然豊かな動物公園として、1971年9月に開園。飼育下での繁殖にも積極的に取り組み、多くの動物において日本有数の繁殖実績を残しています。前回は、国内では2頭しか確認されていないマルミミゾウを中心に紹介しましたが、園内には、世界でも珍しい展示がほかにもあります。
産卵後、30日ほどたったオオサンショウウオの卵
国の特別天然記念物であるオオサンショウウオは、1979年に同園が日本で初めて繁殖に成功して以来、ほぼ毎年繁殖を継続。学術的にも、国内外から高い評価を受けています。同園では、毎年9月中旬から、繁殖したオオサンショウウオの卵の一部を「ぴーちくパーク」内にある「どうぶつ子育ての家」で展示。タイミングがよければ、ふ化の瞬間が観察できるかもしれません。オオサンショウウオの卵の発生を見られるのは、おそらく世界でも同園だけです。
マウスの子育て
「どうぶつ子育ての家」では、オオサンショウウオ以外にも、新たな命が生まれる瞬間や、子育ての様子を間近で見ることができます。例えば、実験用のマウスは、「出産直前」「生後0~10日」「生後10~20日」「生後20日~」の4段階に分けて展示しています。
園内では、飼育員さんによる「まいにち動物解説」や「動物のお食事タイム」などのイベントも行われています。この日は、アヌビスヒヒ、ケープハイラックス&アフリカタテガミヤマアラシ、ユーラシアカワウソの「お食事タイム」を見ることができました。
※曜日によって開催される動物が異なるので、公式サイトや園内でスケジュールをご確認ください。
カワウソ舎に掲示されている「お食事タイム」のスケジュール
ユーラシアカワウソの「お食事タイム」は、自動給餌装置を使って行われます。時間になると、生きたドジョウがプールの滝から泳ぎ出てきて、水中でドジョウを追いかけるカワウソのハンティングを見ることができます。
ケープハイラックスやアフリカタテガミヤマアラシの「お食事タイム」も、地味ですがオススメです! 40頭近くいるケープハイラックスが一斉にエサを食べる様子は、他ではなかなか見られません。アフリカタテガミヤマアラシは2頭展示されていますが、メスのサヤカは前髪がくせ毛なので、見分けやすいです。
アフリカタテガミヤマアラシのサヤカ(前髪がくせ毛)
アフリカタテガミヤマアラシのヒロシ(一般的な前髪)
アヌビスヒヒの赤ちゃん
動物園の「サル山」といえばニホンザルがほとんどですが、同園はアフリカ原産のサル・アヌビスヒヒの「ヒヒ山」。
飼育員さんが描いた漫画
アヌビスヒヒについて知りたい人は、「ヒヒ山」を舞台に、飼育員の南方延宣さんが奮闘するオリジナルコミック『ヒヒ通(ヒヒ山通信)』(950円 南方延宣著)を売店で入手しましょう。南方さんが来園者向けの動物解説看板として描き続けてきた8コマ漫画を、1冊にまとめた人気コミックです。同園の入園券にも、南方さんによる3コマ漫画が描かれています。
広島東洋カープとのコラボTシャツ
売店では、「安佐動物公園×広島東洋カープ」のコラボTシャツも販売されています。レッサーパンダとツキノワグマは、新デザインが発売。Tシャツのモデルになったクラウド(メイン画像)は、棒を回す「カンフー熊」として知られています。ただし、棒を回すかどうかは、クラウドの気分次第。残念ながら、この日は見られませんでした。運が良ければ、クラウドのスゴ技が見られるかも!?
繁忙期など臨時開園あり