Survive Said The Prophetことサバプロが圧倒的な進化をツアーファイナルのWWWにて見せた
Photo by Hiroya Brian Nakano
Survive Said The Prophet 2018.07.15(SUN) WWW NE:ONE TOUR 2018 FINAL Supported by DR.DENIM
通称「サバプロ」ことSurvive Said The Prophetの勢いが俄然加速している。今日のライブにおいても急斜面をガーッ!と駆け上がっていく彼らの姿を観て、体が、心が、いやいや、魂の奥底まで激しく揺さぶられてしまった。そう、上り調子のバンドだけが放つ特別なオーラに満ち溢れ、観客を一人残らず巻き込んでいくパフォーマンスはより一層ブラッシュアップされていた。
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サバプロは今年5月にニュー・シングル「NE:ONE/HI I LO」を発表し、それに伴い全国6カ所に及ぶ『NE:ONE TOUR 2018 Supported by DR.DENIM』を決行。各地で対バンを招き、最終日の東京WWW公演は新鋭バンド・Newspeakを迎えた。リヴァプール帰りのREI(Vo/Key)、元go!go!vanillasのRYOTA(G)などを擁する4人組で、「Steven(Dr/Newspeak)の家にはいつもYoshがいる(笑)」とREIが語っていたが、サバプロとは公私共に仲がいいようだ。音楽的にはUS/UKロックの影響をたっぷりと浴びた独自のサウンドを搔き鳴らし、新曲「Lake」もプレイするなど、多くの人たちを沸かせていた。
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そして19時37分、遂にサバプロの登場だ。いきなり最新シングル「NE:ONE」で始まると、「手を上げてくれ! 日本語だから歌えるだろ?」とYosh(Vo)は観客を積極的に煽り、しかも1曲目からダイブまで決める前傾姿勢で会場を焚き付けていく。続いて「Fool's gold」ではリズミックなノリと突き抜けるサビの高揚感も相まって、ダイバーも一気に増え、早くもカオスな熱気が渦巻いていた。
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「今日がツアー・ファイナルだ! 俺らは思いっきりやるつもりですが、どうですか?」と言うと、次は「Bandaid」へ。イントロからハンドクラップが沸き起こり、爽やかな歌メロでみるみると会場を一つに束ねていく。「死ぬ気でやるんで、死ぬ気で付いて来てください」とYudai(B)が言うと、「この曲を書いたときは失恋してた」とYoshの言葉が続き、曲名をコール&レスポンスをした後に「I don't care」をここで披露。ファルセットを巧みに使う歌い回しで、メロディは切ないけれど、外に開けたポジティヴなエネルギーを放出。観客も手を激しく横に振り、会場に熱い空気を送り込んでいく。曲の最後には「ファッキン、ビッチ!」と叫び、ザワザワと笑いが零れる場面も印象的だった。
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それからウォーウォー!の大合唱が起きた「Ashes,Ashes」を経て、「Tierra」に入ると、緑やピンクの照明を背景にR&B調のオシャレな歌声で会場をクラブっぽいムードに変質させる手腕もさすが。その空気を静謐な鍵盤の音色が切り替え、「Follow」へと繋ぐ。Yoshのズバ抜けた歌唱力を存分に活かしたバラード風の曲調にもうっとり聴き入ってしまうほど。
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「みんなのハイにも、みんなのロウにもなりたい」と前置きすると、もう1曲、最新シングルから「HI I LO」をプレイ。アッパーなノリのいいナンバーで感情移入を誘うと、3年前に出た1stアルバム『Course Of Action』収録の「If You Really Want To」を投下。衝動炸裂のサウンドで盛り上げた後、「2、3年前、5人のサバプロはいなかった。それから『FIXED』(2ndアルバム)を作って、未来と光が見えてくると思った。一緒に歌いましょう!」と告げると、「Spectrum」へと雪崩れ込む。ドラマティックなドラムから始まり、シンガロング・パートを盛り込んだアンセム・チューンに観客も大興奮。その膨れ上がった熱気を「When I 」がさらに増幅させ、至福の空間に様変わり。本編最後は「Conscious」、「Network System」で締め括り、特に後者では観客をヘッドバンギング&大合唱に誘う熱いパフォーマンスを叩き付けた。
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アンコールに入ると、「皆さんのおかげで全公演ソールド・アウトすることができましたが、ここで止まることはできません。新しい音源を作っているので、今後とも我々に期待してください!」とYoshが力強く宣言。最終曲はアコギを用いた「Listening」をフィーチャリング・Tielleで披露。Yoshと彼女の掛け合いヴォーカルも絶品で、多くの人が曲の世界観に浸り切っていた。約1時間半に及ぶショウは暴れて聴かせて乗れる多彩なノリを遺憾なく発揮。サバプロは8月1日にニュー・シングル「found & lost」、その後に計27公演という過去最大規模のツアーも決定している。今後の彼らにますます目が離せそうにない!
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取材・文=荒金良介 Photo by Hiroya Brian Nakano