ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018、オリジナル演出版が開幕!
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018が、8月1日(水)東京・東急シアターオーブにて開幕した。初日直前にこの公演のゲネプロ(通し稽古)が公開された。
1996年にニューヨークの小劇場で誕生した『RENT』。ジョナサン・ラーソンが文字通り命がけで作り上げたこの物語は、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』を下敷きに、エイズやドラッグ、同性愛や友人の死など、さまざまな問題に見舞われながらも懸命に夢を追って生きる若者たちを描く。今回は2016年に行われた来日公演と同様に、オリジナル演出で上演される。
【あらすじ】
NYのイースト・ヴィレッジのとあるロフトにシェアして暮らす、シンガーソングライターのロジャーと映像作家志望のマーク。二人が住むロフトの家賃も払えず、ロフトの大家であり、元ルームメイトのペニーに「家賃が払えないなら立ち退きを」と迫られている。だが、ロジャーは共にHIVポジティブの恋人エイプリルが自殺して以来、半年間ロフトに引きこもっている。一方マークは、女性弁護士ジョアンと付き合い出している元カノ・モーリーンに今でも振り回されていた。
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
一方、二人の親友コリンズが路上で強盗に遭ったが、ストリートドラマーでドラァグ・クイーンのエンジェルに介抱される。互いにHIVポジティブと知った彼らは惹かれあっていく。
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
引きこもりのロジャーとひょんなことで出会ったのはナイトクラブのダンサー・ミミ。互いに惹かれながらもロジャーは過去の傷や今抱えている病の事もあり、一歩先に踏み出せないもどかしさを感じさせる。だが、ミミは「大切なのは今」と、ロジャーの心の殻を少しずつ割っていく。実はミミもHIVポジティブであることを知ったロジャーはついに心を開くことを決意する。
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
やがて新しい年を迎え、お互いのパートナーと新しい生活が始まっていく。マークもワイドショーのスタッフとして契約。過酷な環境の中でも一縷の光が差し込んできたが運命はまたもや彼らに試練を与える。ドラッグ依存から抜け出せない者、AIDSが発症してしまい命を落とす者、閉塞感からパートナーと言い争ってしまう者……。やがて事態はさらに深刻になり……。
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
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『RENT』の魅力は過酷な運命の中、行き場のない若者たちが懸命に毎日を生きようとしている姿。それを非常に美しく力強い楽曲で綴っている点に他ならない。2幕冒頭の有名なナンバー「Seasons of Love」は、その歌詞の内容と美しい旋律、ハーモニーが相まって、観る者の心を震わせる。観客のみならず、この曲を歌いたいから『RENT』に出演したい、と熱望する役者も国を問わず非常に多いと聞く。他にも「One Song Glory」「Rent」「What You Own」「Another day」など、何度も聴きたくなる魅力的な楽曲も多い。舞台を観劇後、サウンドトラックCDを購入あるいはDLし、また劇場に足を運ぶ「レントヘッド」(熱狂的な『RENT』ファン)の道を歩き出す観客も少なくない。
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
現代の日本は、若年層も含めた慢性的な貧困、就職先が見つかってもブラック企業だったという新たな就職“難”の顕在化、LGBTが徐々に社会に認知される一方で未だ多く存在する根強い差別意識など、『RENT』が決して違う国の知らない話とは言えなくなっている状態だ。だからこそ『RENT』が日本の観客に投げかける、問題を抱えながらも懸命に「今」を生きる若者たちの姿とそのエネルギーを、ぜひ身体じゅうで浴びていただきたい。
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
ブロードウェイミュージカル『RENT』来日公演2018
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
■日時:2018年8月1日(水)〜8月12日(日) 全17公演
■会場:東急シアターオーブ (渋谷ヒカリエ11階)
■料金:S席13,000円、A席11,000円、B席9,000円、エンジェルシート6,500円
■主催:キョードー東京 企画招聘:キョードー東京
■作詞・作曲・脚本】ジョナサン・ラーソン
■初演版演出】マイケル・グライフ
※生演奏、英語上演、日本語字幕あり
■出演:<アメリカカンパニー > ローガン・マークス、ローガン・ファリン、デリアンドラ・タッカー、ジャボン・キング、デヴィンレ・アダムス、レンシア・ケベデ、リンディ・モエ、マーカス・ジョン ほか
■公式ホームページ:http://www.rent2018.jp
■公式SNS Facebook: http://www.facebook.com/rent2018.jp、Twitter:@Rent2018Japan、LINE @rent2018
【公演に関するお問合せ】キョードー東京 0570-550-799(平日11:00~18:00/土日祝10:00〜18:00)