大江戸まんまん祭り~日本の非日常を世界に向けて
東京で木枯らしが吹いた10月25日、日本のまんまん中日本橋でハロウィンに先駆け日本の妖怪が立ち上がりました。妖怪ブームと言っても盛り上がっているのはハロウィンの方で、日本の妖怪はなにやっているんだと悔しい思いをしている方もいたことでしょう。
しかし日本の妖怪に仮装するものかと思っていると妖怪立入禁止の看板が。
妖怪以外の仮装をしている子供が、浮世小路に現れた油すましと戦っていました。
浮世小路の東に現れた河童と猫又。
他の妖怪とともに踊りながら浮世小路中央を目指すという百鬼夜行になっています。
浮世小路の北からは一反木綿などの妖怪たちがやってきました。
人気が高かったのは女性の妖怪。
妖怪が集合すると妖怪お話し会に使う絵を子供たちに描いて貰っていました。
子供たちは妖怪お話し会の司会役河童と雪女の関係が気になっている様子。異性を誘惑する女郎蜘蛛や狐は恐怖とともに恋愛の難しさを伝える妖怪ですが、狐が壁ドンならぬ壁コンという芸を披露しつつ笑いの中で伝えていくのは現代らしい手法と感じました。
女郎蜘蛛
狐
猫又やぬらりひょん、から傘お化けといった人気の妖怪は子供たちの反応も上々でした。人気がいまいちな油すましは、油を無駄遣いしないという教訓をでんこちゃんであると説明していたのも現代的でした。
猫又
ぬらりひょん
から傘お化け
山姥
カラス天狗
油すまし
夜になれば闇という恐怖が否応なしに襲ってきた江戸時代と違い、現代では恐怖より笑いの方が伝えやすいとしても、富くじのワクワク感は江戸時代も現代も変わらず伝えることが出来るものです。福徳くじの抽選会には多くの人が詰め掛けました。
宮司さんによる抽選
抽選が終わると妖怪が子供たちを引き連れてええじゃないか行進です。
最後に妖怪たちと子供たちの記念撮影がありました。
グローバル化の進展でどこの都市でも大きな違いはなくなった日常をわざわざ日本に来て見たいと思う観光客は少ないはずです。2020年の東京オリンピックに向けて日本橋から発信したいものは非日常、つまり日常を補完する祭りや日常に警鐘を鳴らす妖怪なのでしょう。江戸時代では情報の発信地だった日本橋。マスコミの発達に押されてその役目を終えましたが、情報に多様性が出てきた今、再び情報の発信地として復活の狼煙を上げたのです。
来年の開催は未定ということですが、子供たちの笑顔を期待しています。
日時:10月25日(日)~11月7日(土)
会場:日本橋室町 2 丁目 中央通り、仲通り、浮世小路、福徳神社前