『美術手帖』10月号は上海アートシーンを特集 いま目撃すべき、アジアのアート最前線

2018.9.7
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アート

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経済発展を背景に、かつてない盛り上がりをみせる中国の現代アートマーケット。『美術手帖』10月号では、その中心となる都市・上海のアートシーンを取材。現場からの最新レポートで、活況の理由を解き明かす。

世界最大の人口とマーケット規模を有する中国。経済成長を背景に、近年の中国現代美術のマーケットは拡大傾向にあり、2017年の中国オークションの売上は世界第1位を記録した。こうした盛況の中心になっているのが、商業都市・上海だ。なかでも西岸(ウェストバンド)エリアには国内外からギャラリーが集まり、新たな美術館のオープンが相次いでいる。

本特集では、この西岸に近年ギャラリーをオープンしたギャラリストたちに取材。ShanghART、AIKE、オオタファインアーツなどに、なぜいま上海なのか、その魅力を聞いている。また、龍美術館やユズ・ミュージアムなど、上海のほとんどの美術館は、個人コレクターや企業によるもの。記事では若手コレクターと企業コレクターへのそれぞれインタビューを通して、中国コレクターの熱量を伝えている。

いっぽう、こうした活況を背景に、アーティストたちはどのような影響を受け制作しているのだろうか。特集巻頭では、上海を代表するアーティストとして、世界的に活躍する徐震(シュー・ジェン)、日本のサブカルの影響を強く受けている陸揚(ルー・ヤン)、そして90年代生まれの新星、胡為一(フー・ウェイイ)と、世代の異なる3作家にインタビュー。中国現代アートがどのように変化を遂げてきたのか、作家の声からその時代背景を浮き彫りにする。

このほかにも、1970年代から現代まで、中国の注目アーティストたちをファイル形式で紹介する記事や、中国の現代美術史を振り返る年表、上海アートスポットガイドまで、役立つ情報が満載。中国現代美術を総括的に紹介するような充実の内容である。アジアのアートの中心地としてますます注目の中国・上海アートシーンを知るための、保存版的な1冊となっている。

書籍情報

美術手帖10月号
9月7日(金)発売
定価1600円+税
発行元=美術出版社
『美術手帖』公式サイト:http://www.bijutsu.press/books/magazine/ 
 
【目次】
SPECIAL FEATURE 
上海アートシーン
Street shooting in Shanghai 
Ka Xiaomi
袁小鵬(ユアン・シャオペン)
 
PART1 ARTIST 
徐震(シュー・ジェン)
陸揚(ルー・ヤン)
胡為一(フー・ウェイイ)
王慰慰(ワン・ウェイウェイ、 上海ビエンナーレ コ・キュレーター)
 
PART2 MARKET 
上海アートマーケットにいま何が起きているのか?
・ギャラリストに聞く:上海マーケット活況の理由
・フェアディレクターに聞く:ライフスタイルの変化とアートの関係
・コレクターに聞く:アートシーンの支え方
・数字で見る!中国アートマーケット
・2010年代中国アートシーンの変動
・上海アートスポットガイド
・論考:上海現代アートの活況をいかに理解するか 姜俊=文
・香港と上海の比較から考えるアジア・アートの中心地
PART3 
世代別アーティストファイル
・黎明期編:曹斐/張洹/邱志傑/呉山専/宋冬/陳劭雄/方力鈞/楊福東/石青/孫原&彭禹
・新世代編:馮晨/程然/張如怡/郭城/苗穎/劉毅/唐潮/唐狄鑫/廖婓/張雲垚
・中国現代美術年表 1976-2018
・論考:中国現代美術と批評をめぐって エイミー・リン=文