【FM802×Meets ヘビロな店と人〜ヘビロ中のあの人をFM802で捕まえた】SHE'S編
左:西田新(FM802 DJ )右:井上竜馬(SHE'S)
2019年、FM802が開局30周年を迎える。そこでFM802がブレイク前に毎日1か月間楽曲をOAするヘビーローテーションアーティストを毎月雑誌Meetsがオススメするヘビーローテーションのお店でFM802DJがインタビューするという企画が先月からSPICEで連載をスタートさせた。今回は2018年8月のヘビーローテーションアーティストSHE'S。ニューシングル「歓びの陽」がヘビーローテーションに選ばれた。ボーカルの井上竜馬に、FM802DJ西田新が色々と聴きだしていく。今回、井上のリクエストでカレーを食べながらというリラックスした雰囲気で、地元大阪について、ヘビーローテーション(以下、ヘビロ)の想い出について、音楽についてなど話してもらった。
――まず、ヘビロに選ばれた事についても、お伺いできますか?
井上:単純に嬉しいし、やっと選ばれたという感じでした。僕がバンドを始めるキッカケが、802のヘビロだったELLEGARDEN『Space Sonic』(2005年2月度ヘビーローテーション)を聴いたことなんです。だから、今回ヘビロが決まったのは感慨深いし、夢がありますね。
西田:ELLEGARDENがヘビロだったのは、凄く印象に残ってる。それを聴いた新しい世代が同じくヘビロになるのは、夢あるよね。
井上:中1でギターを買ってもらって、ELLEGARDENのスコアブックを弾き倒していましたから(笑)。
西田:弾き倒していたんや(笑)。
井上:それに母が一番喜んでました! 伝える前にLINEがきました(笑)。親孝行できましたよ。毎日、母はFM802を聴いてるので、言わんとこかなとも思っていたんです。で、聴いていたら、僕のが流れてきてというサプライズをしよと思ってたんですよ。そしたら、耳が早くて、その前に知っていましたね(笑)。
西田:井上君が出る番組は、お母さん色々聴いてはる?
井上:聴いてますね。
西田:色々、言われたりする?
井上:言われます(笑)。親が聴いてると、親の話が出来ないので、気が抜けないですね。
西田:知り合いから広がっていくしね(笑)。
井上:ローカルコミュニティー狭いですから!
――井上君は関西出身で、今は東京に住んでいますが、関西と東京のラジオの違いってありますか?
井上:やっぱ、東京はラジオ局が多いですよね。
西田:あ~確かにね。そんな中でも802の場合はDJと(レコード会社)プロモーターが、より同じ空気を共にする時間が多いと思います。
井上:大阪のラジオの方がイベントも多い気がしますね。それに東京は常に新しさを求めていますから、大阪に帰ってきたらホッとしますね。こんなに梅田が落ち着く街だったとはみたいな(笑)。大阪にいた時は人が多い街と思っていたけど、東京から帰ってきたら、こんなに人少なかったっけと!。
西田:渋谷と比べたら少ない(笑)。
井上:梅田は日本一落ち着く都会ですよ。
西田:地元の最寄り駅は、どこ?
井上:岸辺ですね。
西田:花火は観れたりする?
井上:観れますね。ただ、人ごみ好きじゃないので、遠くから観てるのが好きですね。
西田:公園で線香花火をする方が好き?
井上:はい、好きですね。
西田:人ごみ好きじゃないのに、東京での生活は大丈夫?
井上:家は人多くないとこを選びましたね。最寄駅もホッとする場所なんですよ。
――大阪に帰ってきたら、必ず行く店はあったりしますか?
井上:梅田の海鮮居酒屋『釣天狗』ですかね。四国産の鰤のたたきが本当に美味しいんです。ほぼ肉なんですよ!
西田:ほぼ肉?!
井上:はい(笑)。ジューシー過ぎなんです!
西田:ずいぶん前から行ってるの?
井上:3年くらい前ですかね。
西田:釣り好きの親父なの??
井上:全然関係ないと思います(笑)。そうそう、こないだ初めて釣りに行ったんですよ。この『SPICE』の企画(コチラ)だったんですけど、海釣りを4時間くらいやって、メンバーは釣れてましたが、僕は1匹も釣れなかったです!
西田:悔しかったんじゃない?!
井上:いや逆におもしろかったですよ!
――普段、中々メンバーとどっかに行ったりとかはないですよね?
井上:そうですね、プライベートでメンバーと釣りに行ったりはしないです(笑)。
西田:ずっと一緒やもんね。
井上:地元も一緒やし、毎日一緒にいるし、だから休みまで一緒にいる必要ないですからね(笑)。
――楽曲についても、もう少しお伺いしたいのですが、西田さん、まず今回ヘビロに選ばれたSHE’Sの「歓びの陽」を聴かれみて、いかがだったでしょうか?
西田:凄く洗練された雰囲気で始まるんですけど、根底に流れるテーマがむちゃくちゃ凄く重い物を背負っているんですよ。ストレスとか悩みとかを代弁してくれてるというんですかね。壮大なメッセージで、そこが出だしの感じと違って驚きでしたね。
井上:なんだか恥ずかしいですね(笑)。でも、とても嬉しいです。日々の戦いは孤独だけど、最初はメンバー4人だけだったのが、関わるスタッフは増えてきた……、そういう事を書きたくて。
西田:苦難の歴史を背負いながら新しいとこへいく歌詞のアプローチが新しくて良かった。かゆいとこに手が届く歌詞だと思う!
――今までと曲作りの点で変わられた部分などありますか?
井上:プロデューサーを入れたので、曲作りは変わりましたね。昔は抵抗あったんです、プロデューサー入れる事に。漫画『BECK』の悪いプロデューサーを勝手に想像していたので(笑)。でも、自分にないものを出してくれるんで、一緒にやって良かったですね。デモを作った時はイントロも付けてなくて、そこもプロデューサーが一緒に考えてくれて。
西田:海外の最先端のトレンドの音も入っていて、グッときたんですよね。日本独特のロックシーンも良いけど、ワールドスタンダードなのが良いなって。今回のアレンジは本当に秀逸だし、「こんな音、イントロに入っていたんや!」とか新たな発見もあって。
井上:基本的に洋楽を聴く事が多いんですよね。今、世界で実験的な音を鳴らしてる人が気になるし、ボーダーレスな音を楽しみたくて。これからも、今のモダンなピアノロックを提示していきたいですね。
MeetsRegional
11月号
史跡や文化遺産の宝庫である奈良県出身。中学生の頃からラジオと音楽にのめり込み、高校時代はバンドでギターを担当。様々な仕事を経験した後、アメリカにブロードキャスティングを学ぶため留学。帰国後の1997年よりコミュニティーFMでDJとしてのキャリアをスタート。1999年のFM802DJオーディションに合格、「FUNKY JAMS 802」でデビュー。得意分野は洋邦問わずHIP HOP、R&B。USHER、NE-YO、DMC、BLACK EYED PEAS、FLO-RIDA、STEVIE WONDER等海外アーティストのインタビューも数多く経験。また国内ではKICK THE CAN CREW、MINMI、ケツメイシ、BENNIE-K等、いまやシーンを代表するアーティストにいち早く注目するなど、常に次代を担うであろう新しい音と才能をラジオを通して伝える事に熱意を注ぐ。
取材・文=鈴木淳史 撮影=中村寛史
イベント情報
SHE’S学園祭ツアー2018