ペーター・ヤブロンスキー(ピアノ)名手が繰り出す巧みな“音色遣い”

2015.11.10
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クラシック

©Benjamin Ealovega

名手が繰り出す巧みな“音色遣い”にも注目

 近年ピアニストとしてだけでなく、祖国スウェーデンの音楽祭やレコードレーベルの音楽監督、オーケストラの指揮など、多岐にわたる活動を行うペーター・ヤブロンスキー。その自由で充実した日々は、40代半ばを迎えた彼にますます豊かなインスピレーションを与えているようだ。毎回趣向の異なるレパートリーで、多様な顔を見せてくれる。

 2年ぶりの来日となる今年は、前半でショパンを取り上げる。父親がポーランド人で、半分ショパンの祖国にルーツを持つ彼が、ポロネーズ、マズルカ、「雨だれ」や「葬送ソナタ」を組み合わせ、独自の物語を編む。後半はドビュッシーから「映像」第1集と「喜びの島」。モダンな感性が生きた、美しい色彩の演奏が期待できそう。最後には、卓越したリズム感が発揮されるコープランドの「エル・サロン・メヒコ」を置く。プログラミングに強いこだわりを見せるヤブロンスキーならではの、コントラスト鮮やかな内容。曲目ごとにがらりと変わる、巧みな“音色遣い”にも大いに注目したい。

文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)

 

公演情報
ペーター・ヤブロンスキー(ピアノ)

■日時・会場:
▽11/17(火)19:00 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール


▽11/19(木)19:00電気文化会館ザ・コンサートホール


▽11/20(金)19:00 トッパンホール


■曲目:
ショパン:ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調 op.26-1 
ショパン:マズルカ 第14番 ト短調 op.24-1 
ショパン:前奏曲 第15番 変二長調 「雨だれ」op.28-15 
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 より 第3楽章 変ロ短調 「葬送行進曲」op.35-3 
ドビュッシー:映像 第1集 
ドビュッシー:喜びの島 
コープランド=バーンスタイン:エル・サロン・メヒコ

■問合せ:プロアルテムジケ 03-3943-6677