パリと日本のアートフェアの違い
10月下旬にパリで行われたアートフェア。来場者はコレクターよりも一般客が多数。
アートは本屋みたいなもん!?
10月22日から25日までの4日間、パリのグラン・パレにてフランス最大のアートフェア『Fiac!』が開催されました。イトゥは24日と25日の2日間、参加したのですが、日本と大きく違う点を1つ、感じました。
日本で行われるアートフェアで有名なのが、アートフェア東京。そしてフランスを代表するアートフェアが今回の『Fiac!』。その一番の違いは「来場者」です。
日本の来場者は大きく分けて、
・アーティスト
・画廊
・芸術大学教授、生徒
・メディア
・コレクター
がメインの来場者です。
ですが、フランスは日本の来場者の他に「買う気も無いし、アート業界でもない、一般層」が含まれており、ここが来場者のかなりの数を占めている点です。アートフェア、というよりもぷらっと本屋に立ち寄るようなテンションで来ています。
「よし、今日は年に一度のアートフェアに行こう」と鼻息を荒げるのではなく、「(フェイスブックを見ていて)あ、今日『Fiac!』やってるらしいから、帰りに寄ろっか」というテンションです。そのため、当然来場者数は爆発しています。会場はパンパン、フードコートも常に満席、数あるブースを気の向くままに徘徊して楽しむ来場者ばかりで、ブース内で商談や交渉をしている姿は全く見ません。ただ、見に来ているだけです。
それでいいんですね。アートフェアって。別にかしこまる必要もないし、緊張する必要もない。会社の帰りに本屋で立ち読みするぐらいのテンションでプラッと寄るのがアートフェア、そんな感じでいいんだと思います。
アートは別に重いものでもかしこまったものでもない。もっともっと日常にあるべきものです。知識なんて知らなくても、ただ「きれいなもの、美しいものを見る」ただこれだけでいい。そんなメッセージを、来場者を見てて感じました。
アートフェア東京は来年の5月なので、まだまだ先ですが、身近で「個展」とか「エキシビジョン」という単語を聞いたら、買う気なんて全く無くても、本屋さんに立ち寄るテンションで覗きに行ってみてください。
アートにルールなんてありません。見て楽しむ、見て感じる、見て豊かになる。ただ、これだけです。芸術の都パリから、感じたスタンスです。