『FANTASIA ANNIVERSARY LIVE 2019』開催記念 人気作家陣が一問一答『デート・ア・ライブ』橘公司&つなこ編
(C)橘公司・つなこ/KADOKAWA
2019年1月12日に行われる『FANTASIA ANNIVERSARY LIVE 2019』。富士見ファンタジア文庫30周年を記念して行われる本イベントを記念して、人気作品の作家&イラストレーターに同じ質問をぶつけてみた。第二弾は2019年冬アニメとして第三期の放送が始まる『デート・ア・ライブ』より作家の橘公司とイラスト担当のつなこ。果たしてなぜ彼らは表現の世界に進んだのか?この作品を生み出したのか?答えから紐解いてみたい。
Q あなたが作家(イラストレーター)を目指したきっかけをお教えください。
橘:昔からお話や設定を考えるのは好きでしたが、小説を書き始めた直接のきっかけは、中学生のとき仲間内で遊んでいた自作のテーブルトークRPGだと思います。持ち回りでマスターをしてシナリオを書いていたのですが、当時中学生だったぼくらは女性キャラを演じるのに気恥ずかしさがあり、男性キャラばかりの冒険譚を綴っていました。でもたまには女性キャラも書きたいなあ……と思い、全部自分で書くことにしました。そして一度書いてみると、みんなに見てもらいたい! という欲求がもりもりと湧いてきて、なんだかんだで今に至ります。なおファンタジア大賞を選んだのは、『スレイヤーズ』が好きだったからです。
つなこ:幼少期から絵を描くことと、漫画やアニメが好きでしたので、子供の頃は漠然と漫画家になりたいと思っていたのですが、小学生の頃からはゲームのキャラクターに夢中になり、ゲームのグラフィックや、広報イラストを描くデザイナーさん達に憧れるようになりました。10歳頃から目指すところが変わっていないのですが、とにかくイラストのお仕事に憧れがありましたので、地元大学のデザイン科に通いながら少しだけイラストのお仕事をするようになりました。卒業後は、中学生の頃から好きだったゲームメーカーに10年半勤めて、現在はフリーランスで活動しています。
Q この作品を生み出した背景を教えてください。
橘:『デート・ア・ライブ』はぼくにとって2作目にあたります。つまり、初めて編集さんと組んで作ったシリーズです。『デート』の企画を作っている当時は学園ラブコメや日常系が流行っていたのですが、そのとき流行っているものに乗ろうとしても、本が出るときにはズレている可能性があるため、独自路線を貫こうと決めました。そこで、傍から見てると馬鹿らしいが、やってる本人たちは真剣な話を作ろう! となり、秘密組織が大真面目にギャルゲーをやっている話ができました。
つなこ:以前同じ会社に所属していた先輩がファンタジア文庫で挿絵を担当されていたのですが、担当さんへ私のことをご紹介いただく機会があり、初めてライトノベルの挿絵を描くことになったのが『デート・ア・ライブ』です。『スレイヤーズ』のファンなので、ファンタジア文庫さんからお声が掛かったことがとても嬉しかったです!最初の打ち合わせで10巻までの構想をお聞きしていて、絶対ここまでは続いて欲しい!と思っていました。
Q この作品に関してどのように思われていますか?
橘:自分のキャラ大好き人間なので、かわいくてたまりません。また、デビュー前からの様々な夢を叶えてくれたお話だと思っています。アニメ化、コミカライズ、ゲーム化、グッズ展開に、まさかの劇場版まで。それと、ぼくが高校生のときから温めていたキャラクター『時崎狂三』を世に出してくれたので、その点においても感謝しています(笑)。
つなこ:『デート・ア・ライブ』が唯一イラストを丸ごと担当しているライトノベル作品なので、思い入れが非常に強いです。学生の頃はライトノベルやゲームのノベライズをよく読んでいたのですが、社会人になってからは中々触れる機会がなくなってしまっていたので、『デート』と『蒼穹のカルマ』はすごく久しぶりに読んだライトノベルでもあります。メインキャラクターは皆とても可愛くて、暴走するキャラクターは暴走方法も色々と面白すぎます。橘先生の書かれる文は本当に読みやすいですし、こんな綺麗にまとまるの?それも回収するの!?と毎回驚かされます。挿絵を描く前に本文を読ませて頂くのですが、今も本当に続きが気になります・・・!
(C)橘公司・つなこ/KADOKAWA
Q この作品を制作することでなにか貴方に変化は起こりましたか?
橘:投稿時代は、如何にして選考委員の先生方の意表をつくかを考えていたのですが、プロになった以上それだけでは足りないのだということを教えてくれたお話かなと思います。デビュー作『蒼穹のカルマ』との違いで顕著なのは、最初からシリーズを想定しているか否かです。『カルマ』は毎巻、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に書いていましたが(精一杯のオブラート)、『デート』は1巻時点である程度最後までの道筋を作っていました。あと得られたものと言えば、長期シリーズを継続する根性でしょうか。
つなこ:キャラクター設定自体が毎回魅力的ですので、どのキャラクターも自分一人だけでは出てこないデザインになっていると思います。メカ装備は元々かなり苦手分野なのですが、アニメ版のデザインを参考にさせて頂いたり、資料をお送り頂いたりして、たくさんサポートを頂いています。本のお仕事をあまりしたことがなかったので、はじめは実際に本に綴じられた時の見栄えや、グレーの濃さなどがうまく予想できていなくて、徐々に覚えていきました。
Q 自作がアニメになることに関してどう思われましたか?
橘:基本的に、自分の考えた話やキャラクターを人に描いてもらうのが大好きな人間なので、やはり嬉しかったです。イラストレーターさんにキャラを起こしてもらうだけでも感涙ものなのに、まさかそれが動いて声までつくだなんて。
ただ、最初にアニメ化の報告を受けたときは、あまりにさりげなく告げられすぎて、喜びより先に「え……っ?」「今なんて?」という感覚の方が強かった気がします(笑)。
つなこ:最初にアニメ化が決まったとお電話を頂いた時は、まだ3巻が出る頃で、タイミングが早かったということもあり本当に驚きました。担当作品のアニメ化は1つの目標でしたので、やはり嬉しかったです。ただ、私の描いたキャラクターは全然アニメで動かしやすいようなデザインではなかったですし、自分も挿絵で霊装姿のキャラを描くたびにすごく大変なので、アニメーターさんは神・・・と思っています。アニメ版のデザインはキャラクターの特徴がより明確になっているので、ヒントを頂くことも多いです。
Q 今回の「FANTASIA ANNIVERSARY LIVE 2019」についてコメントをお願いします。
橘:アニバーサリーライブ開催おめでとうございます! 昔からファンタジア文庫を読んできた身としては、30周年という記念すべき年にファンタジア作家でいられることが光栄でなりません。そればかりか、よもや憧れの『スレイヤーズ』と一緒にイベントに出られるとは。きっと前世でさぞ高い徳を積んだに違いありません。よくやった前世のぼく。そしてすまない来世のぼく。今世で前世の貯金を使ってしまったので、たぶん来世はミジンコとかだと思う。うまく食物連鎖に貢献して、来来来世あたりでまた人間を目指そう。そしてその頃にはファンタジア文庫は100周年くらいを迎えていると思うので、また作家を目指してアニバーサリーライブに参戦だ! 皆様100周年記念ライブでまたお会いしましょう!
つなこ:担当作品は勿論、どの作品も大好きなのでライブがとても楽しみです!子供の頃から好きな『スレイヤーズ』の皆さんがご出演されるというのも本当に嬉しいです。出演者の皆様を心から応援しております!それから、ロゴやライブグッズがおしゃれですよね。物販の競争率が高そう・・・!個人的には「きなこパン型バッグ」が衝撃で、ものすごく気になっています(笑)。是非会場で盛り上がりましょう~!
イベント情報
2019年1月12日(土)豊洲PIT(東京都)
開場 12:00/開演 13:00(予定)
開場 17:00/開演 18:00(予定)
アニバーサリー特典付 ¥10,000(税抜)<指定席>
通常 ¥8,500(税抜)<スタンディング>
出演者
奥井雅美, 川村万梨阿, 鈴木真仁, 緑川光, 林原めぐみ,
書籍情報
ファンタジア文庫(KADOKAWA刊)「デート・ア・ライブ」
1~19巻好評発売中!
短編集「デート・ア・ライブ アンコール」1~8巻