松下優也、平間壮一ら出演で『黒白珠』上演、青木豪書き下ろし新作を河原雅彦が演出
(左から)平間壮一、松下優也、風間杜夫
青木豪脚本書き下ろし、河原雅彦演出による新作『黒白珠』(読み:こくびゃくじゅ)が2019年6月、Bunkamuraシアターコクーンにて上演される。松下優也、平間壮一、清水くるみ、風間杜夫、高橋惠子、村井國夫らが出演する。企画・製作はキューブ。
『黒白珠』は、1990年代の長崎を舞台に、同じ刻(とき)に生を受けた双子の兄弟が、家族を愛しながらも愛に飢え、逃れられない運命をもがきながら、さながら聖書のカインとアベルのように、葛藤とすれ違いの中に紡がれてゆく人間ドラマが描かれる。人間群像を繊細に深く描くことに定評のある青木豪が、長崎・佐世保に取材し、普遍的且つまだ見ぬ新しい物語を創り出す書き下ろし作品となる。華やかさと毒を含み、心情に刺さるエンターテインメントを生み出す河原雅彦の演出がどのように物語世界を立ち昇らせるのか注目だ。
キャストには、歌手、俳優として数々の舞台で活躍し、NHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』の岩佐栄輔役でブレイク、出演後は“栄輔ロス”を全国に巻き起こした松下優也、映像や舞台で活躍し、近年大型ミュージカルでの活躍も目覚しい平間壮一、透明感溢れるビジュアルと演技力が光るマルチプレイヤーの清水くるみ、という今まさに旬の俳優陣がフレッシュな力で物語を牽引し、更に、風間杜夫、高橋惠子、村井國夫といった舞台に大輪の花を咲かせるベテラン陣や、変幻自在の実力派俳優・植本純米ら。
6月7日(金)初日の東京・Bunkamuraシアターコクーンを皮切りに、兵庫、愛知、長崎、久留米での公演を予定している。脚本・青木豪、演出・河原雅彦、キャストの松下優也、平間壮一、風間杜夫からメッセージが届いたので紹介する。
<作・青木豪>
『エデンの東』をモチーフに、日本を舞台に、かつ「エデン」とは違う物語にというプロデューサーからのオーダーにお応えできるよう日夜格闘しております。子供は親の血を受け継いで育つけれど、親の良い面悪い面どちらを選び取るかは自分次第、というような親子の物語になると思います。
物語は1990年代の長崎が舞台です。僕は生まれ故郷が神奈川で、長崎は横浜に似ていて、佐世保は横須賀にとても似ていると思っています。長崎には二度出かけていて、住んでいるところから随分遠い場所なはずなのに、そこで育ったかのような近しい印象を受けました。生まれ故郷のような気分で書いております。
演出の河原雅彦さんは「文学性」と「エンターテインメント」を両立できる稀有な演出家だと思います。以前は「エンタメ全開」の『八犬伝』でご一緒しました。今回は「文学系」な作品なので、僕が書いたものをどう発展させてくださるか楽しみです。
キャストの方々について、松下優也さんは、以前『花より男子 The Musical』でご一緒しました。「生まれつきの華を持った人」だと感じています。平間壮一さんは「努力家で誠実な人」、清水くるみさんは「どんな役でもできそうな芯の強さ」を感じます。
風間杜夫さんには胸を貸していただくつもりで、僕が理想とする父親像を作りたいと思います。高橋惠子さんとも以前一度ご一緒させていただいたのですが、いつも「聖母」というイメージがあります。村井國夫さんには「この上のない品」を感じます。植本純米さんは変幻自在なので、自由に書くつもりです。
これをご覧いただいたお客様が、なにか人生の選択において迷われた時に「あぁ、あの時あんな作品を見たなぁ。あの作品の登場人物はどう道を選んだっけ?」と思い出していただけるようなジワっとくるものにしたいと思います。どうぞご期待ください。
<演出・河原雅彦>
脚本の青木さんはどんな作品にもご自身の信念に基づかれた「テーマ」をがっつり込められるので、今回はどんな思いを作品に注入してくるのかとっても楽しみです。
風間さん惠子さんという憧れの大先輩と初めてお仕事させていただくので、チャレンジというか、日々の稽古でもなにかと刺激を受けられるでしょうね。せっかくの機会ですから、自分の感性を思い切りぶつけてみたいと思います。
松下くんと平間くんとは『THE ALUCARD SHOW』という舞台でご一緒させてもらってますが、それって最高に歌って踊れる吸血鬼って設定のエンタメだったんですね。それとは180度ジャンルが異なる作風の舞台をまた二人と創れるというのはわくわくします。その後、表現者としていろんな面で成長した彼らの姿もみさせてもらってるので余計に。
いつも通りのことですが、『劇場に足を運ばれる方々への感謝の気持ちとして、皆様の期待の上をいく舞台を目指す』。ただそれだけです。
<松下優也>
脚本の青木豪さんは『花より男子 The Musical』でご一緒させて頂きました。たくさんお話をしたことはないんですが、とても優しい方という印象です。演出の河原雅彦さんは『THE ALUCARD SHOW』でご一緒させていただきましたが、めっちゃ優しいですが、めっちゃ怖さもある感じですかね。ご一緒させてもらってた時は良い緊張感があってとても楽しかったです。
なんといっても、青木豪さんの脚本で河原さんの演出というのは、自分にとって楽しみでしかないです。まだ台本は読めていませんが、いい作品にならないわけがないです! あとは、皆さんのお力お借りして、どれだけ自分の知らない自分を引き出せるかに期待してます。
共演の方々の中で、平間壮一くんは、河原さん演出の『THE ALUCARD SHOW』で共演させて頂きましたが、お互いダンス好きですし、仲良くさせてもらっています。年齢は、壮ちゃんの方が一個上だけど、自分より年下みたい(笑)。植本純米さんは、昨年新感線☆RS『メタルマクベス』で共演させていただき、楽屋も一緒でした。優しくて楽屋が和みました。相づちで「にゃん」と言ってる印象です。
今回の物語の舞台となる長崎のイメージは……長崎といえば、「皿うどん」です(笑)。自分のソロライブで行ったことあるんですけど、まだまだ知らないことが多いので今回の作品をきっかけに、自分の知らなかったことなどを知れたらと思います。
自分自身、ストレートプレイはまだまだ経験が少ないですが、青木豪さん、河原雅彦さん、共演者の皆さん、錚々たるキャスト皆さんの中、かなりプレッシャーもありますが、物語を通じてお越し頂いた皆さんに、何かを感じて頂けるように精一杯頑張ります。
是非、劇場にお越しください! ありがとうございました。
<平間壮一>
青木豪さんは2012年に舞台『ロミオ&ジュリエット』で、河原雅彦さんは『THE ALUCARD SHOW』という作品でご一緒させて頂いて以来となります。当時から、お二方共お芝居が大好きな方なんだなという印象です。好きだからこそ、熱く、厳しく、隅々まで、自分の表現を見て頂ける。それが楽しみで仕方ないです。
今回共演の優也とは、それこそ『THE ALUCARD SHOW』で共演させて頂き、雑誌の対談などでもご一緒していますが、優也が色んなことをやってくれて、色んな場所で活躍しているから、僕自身も芝居や歌や色んなことをやり続けようって思える、そんな存在です。優也が成功している姿は、僕も続けていれば形になるんだっていう支えにもなっています。僕が自信をもって誇れるものはダンスしかないから、今でも芝居をやることは恥ずかしかったりする。だけど、そういうものも乗り越えてやれるのは、優也という大きな存在があるからかもしれません。
そんな優也と、そして初めてご一緒させて頂く大先輩の皆さんとお芝居させて頂くことが楽しみです。刺激しかないんだろうなと思っています。
是非、劇場へお越しください!
<風間杜夫>
双子の兄弟。いびつな、あるいはまっすぐな親子関係。どのような葛藤が描き出されるのでしょうか。特殊な家庭の情景が、思いの外、心に寄り添って映るのではと考えます。1990年代。その時代を肌で知る者としては、空気を運ぶ役目もあるのかもしれません。多くの記憶を交差させ、未知なる想像を掻き立てて、この父親を演じきれたらと思っています。
青木さん、河原さん、お二人のお名前は存じ上げていたものの、残念ながら今まで作品を拝見したことがなく、ご一緒するチャンスもありませんでした。その分だけ、僕自身が手垢のついた状態ではなく、真っ白な気持ちで役者として臨みたいと思っています。新しい出会いに、期待が膨らみます。
妻役の高橋惠子さんは、この上なく素敵な女性です。本当の妻にしたいくらいです。村井國夫さんは、この上なく優しい人柄です。若い役者さん達は、主役のお二人を筆頭に、初めてご一緒する方がほとんどですが、役者として多くの刺激をもらえることを楽しみにしています。
物語の舞台となる長崎は、恩師・橋本先生の生まれ故郷です。東京での退職後には長崎に戻られて、僕も何度かお会いする機会がありました。ご自宅からの散歩コース、キラキラと眩く美しい長崎湾が忘れられません。
舞台でも長崎には度々お邪魔しています。最初が1982年 つかこうへい演出『熱海殺人事件』ですから、37年も前になります。
この作品を、ご自分の目と心で確かめて下さい。琴線に触れる何かをお届け出来ると信じて、真摯に演じたいと思います。劇場でお会いしましょう。
<クリエイターズ・プロフィール>
■脚本:青木 豪
神奈川県出身。1997年に『アフタースクール』で「劇団グリング」を旗揚げ。全18公演の作・演出を務め、2009年に活動休止。2014年に解散。現在はプロデュース公演や他劇団へ作品を提供している。2012年9月から13年7月まで、文化庁新進芸術家派遣制度によりロンドンに留学。17年には極付印度伝『マハーバーラタ戦記』で歌舞伎に新作を提供し、18年春には劇団四季『恋におちたシェークスピア』の演出を担当。主な舞台作品に、『おとうふコーヒー』(演出)、椿組『毒おんな』(脚本)、『MOJO』(上演台本・演出)、『エジソン最後の発明』(脚本・演出)、劇団銅鑼「彼の町」(脚本)、『花より男子 The musical』(脚本・作詞)、『The River』(演出)、『ブルームーン』(脚本)、『音楽劇 星の王子さま』(脚本・演出)、『鉈切り丸』(脚本)など。09年に脚本を手がけたHTBスペシャルドラマ「ミエルヒ」で第47回ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、10年NHK FMシアター「リバイバル」でABU賞受賞、11年第66回文化庁芸術祭新人賞、 NHK FMシアター「リバイバル」でABU賞受賞とその活動は多岐に渡っている。
■演出:河原 雅彦
福井県出身。元「HIGHLEG JESUS」総代。1992年に演劇やライブ活動を行う「HIGHLEG JESUS」を結成。02年の解散まで全作品の作・演出を手がける。近年においては、ストレートプレイからミュージカルまでその演出は多岐にわたり、様々な色彩を放つ。その主な演出作品に、Japanese Musical『戯伝写楽 2018』、『ロッキー・ホラー・ショー』(2017年版)、『人間風車』(2017年版)、音楽劇『魔都夜曲』、『夜が私を待っている』、ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』、『50Shades〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』(上演台本も担当)、『歌喜劇 市場三郎〜温泉宿の恋』、残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』(2015年版)、『黒いハンカチーフ』、『4BLOCKS』、『いやおうなしに』、『万獣こわい』、『八犬伝』、『THE ALCURD SHOW』(初演・再演)、『中の人』、『カッコーの巣の上で』(上演台本も担当)、『ショーシャンクの空に』などがある。06年『父帰る/屋上の狂人』の演出で第14回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。15年『万獣こわい』の演出で第22回読売演劇大賞優秀作品賞受賞。
公演情報
■演出:河原雅彦
■出演:
松下優也
平間壮一
清水くるみ
植本純米
村井國夫
高橋惠子
風間杜夫 他
■日程:2019年6月7日(金)~23日(日)
■会場:Bunkamura シアターコクーン
■料金(東京公演):
S席¥10,000円 A席¥8,500 コクーンシート¥5,500(全て全席指定、税込)
※コクーンシートは、特にご覧になりにくいお席です。ご了承のうえ、ご購入ください
■一般発売開始:2019年4月21日
兵庫公演:6月28日(金)~30日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
愛知公演:7月6日(土)~7日(日) 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
長崎公演:7月10日(水) 長崎ブリックホール
久留米公演:7月13日(土)~14日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
■キューブHP http://www.cubeinc.co.jp/