【コラム】ボードゲームに恋して~ ROUND:2

コラム
2015.7.25

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「はじめはこんなゲームから」
#1 ハゲタカのえじき

遅刻寸前!
全力ダッシュしていたら、パンをくわえた転校生(美少女)とバッティング! 

ボーイミーツガールのフラグとして、この世で最もポピュラーなミラクルのひとつですが、ボードゲームの世界にも「バッティング」という、とてもポピュラーなシステムが存在します。

今回は、「はじめはこんなゲームから」と題して、ボードゲームを初めて間もない方でも楽しめる、オススメの「バッティングゲーム」をご紹介します。 
 

>>不朽の名作「元祖バッティングゲーム」

さてさて、ボードゲームのバッティングシステムを語るうえで避けては通れないのが、今回紹介する「ハゲタカのえじき」 です。
カードのみで構成されたゲームなので「ボードゲーム」と聞くと若干違和感があるかもしれませんが、結構この辺りはザックリと、カードのみでも「ボードゲーム」と呼ばれたりします。 

この「はげたかのえじき」は非常にシンプルなゲームでルールは以下のとおり

  • プレイヤー全員に1~15のいずれかの数字が書かれたカードを各1枚(計15枚)配る
  • プレイヤーは全員同時に1枚、好きな数字のカードを選ぶ
  • 選んだカードを一斉にオープンし、カードの数字がより大きいプレイヤーは点数を獲得
  • オープンしたカードは2度と使えず、これを15回繰り返す


これだけです!かんたん!
説明は一瞬で終わります。 

内容物は1~15の数字が書かれたカード(5セット)と得点カードのみ  (c)Dear Spiele

内容物は1~15の数字が書かれたカード(5セット)と得点カードのみ  (c)Dear Spiele

「こんな簡単なルールで面白いの?」と思われるかも知れません。
確かにごもっとも。ワタクシもそう思います。思いました。

しかし、ワタクシたちがなぜボードゲームにハマっているか?といえば、こういったシンプルすぎるほどドシンプルなルールの中に、非常に悩ましい選択肢を迫る「唸るシステム」が隠されているからに他なりません。 
 

>>シンプル イズ 唸る

このゲームに隠された「唸るシステム」こそ、前述した「バッティングシステム」と呼ばれるもので、「より大きい数字を出せば勝てる」というルールに加えて「同じ数字を出したプレイヤーが複数いた場合(=バッティングした場合)、バッティングしたプレイヤーは得点の権利を失う」という制約があります。 

数字としては「15」が一番大きい、でも他にも「15」を出すプレイヤーがいれば勝つことは出来ない。じゃあ「14」を出そうか?でも、「15」が1人しかいなかったら負けてしまうし……

と、まあこんな感じです。
どうですか?これだけでごっつい悩ましくないですか?!

手札から1枚選んで出すだけ!超カンタン!でも悩ましい! (c)Dear Spiele

手札から1枚選んで出すだけ!超カンタン!でも悩ましい! (c)Dear Spiele

実際、相当悩みます。
言ってしまえば、ただの「疑心暗鬼」ですが、脳内で鬼たちがぐるっぐる駆け回ります。

これぞ「バッティング」!
たったこれだけのルールで、出口の無い迷宮に足を踏み入れざる得なくなるのです。

この辺りがドイツを発祥とするボードゲームの楽しさに他なりませんが、「ハゲタカのえじき」は更にもうひと味、「毎回得られる点数が変化する」という唸るSPICEが加わって無限の「if」を投げつけてきます。 

更に更に、「得られる点数」にはマイナス得点も存在し、マイナス得点を争う場合は「もっとも小さい数字のカードを出したプレイヤーがマイナス点数を獲得する」ことに……このルールにより、ただ大きな数字を出すだけのゲームではなくなり、小さな数字のカードをいかに安全に出すかも考えなくてはなりません!

一番大きな数字を出したプレイヤーが真ん中の得点カードを獲得! (c)Dear Spiele

一番大きな数字を出したプレイヤーが真ん中の得点カードを獲得! (c)Dear Spiele

カードの出し方が本当に悩ましい! 唸る~!
簡単なシステムなのに、脳みそコネコネなんとやら!
もう頭の中ぐっちゃぐっちゃになるんです!! 
 

>>戦略と妄想のあいだ

他のプレイヤーが使ったカードを憶えておくのも有効な手段ですが、全部は流石に憶えられません。相手の顔色を伺いつつちょっとハッタリを言って迷わせてみたり、逆に迷ったふりしてふさぶってみたり……プレイヤーは色々試みますが、これまた、なかなか上手くは行かないんですよね(笑)

各プレイヤーの思惑が交錯するなか、ゲーム中は終始、歓喜と悲鳴で大盛り上がり!
でも、そうこうしているうちに、ゲームはアッサリ終了。
そして思わず「もう一回!」となるわけです。 

こうした「バッティングゲーム」には、「これ!」といった正解はありませんが、繰り返し遊んでいくうちに他のプレイヤーの思惑が分かって……いや、実際は「分かったつもり」の妄想かもしれませんが、この妄想を巡らすプレイが非常に楽しく感じられます。

また、人の数だけ妄想(対象)が存在するとすれば、遊ぶ相手が変わるだけで、そこには新たな妄想が広がりますから、ゲームは常に鮮度を保ったプレイ感を維持し続けるわけです。面白さの持続力、ハンパなし!

バッティングゲームのなかでも最もシンプルで、そしてそのエッセンスを十二分に味わえる「ハゲタカのえじき」プレイ時間も10~15分程度と手軽なので是非、妄想全開で遊んでみてはいかがでしょうか?

ただし、軽いからといって繰り返し遊んで夜更かしすると、登校時(出勤時?)にダッシュするハメになるのでくれぐれも、ご注意を!

バッティングゲームの楽しさは保証しますが、「パンを加えた転校生(美少女)とのバッティング」は保証はできませんよ!

See You :-)
 

ゲーム情報
ハゲタカのえじき(Hol's der Geier)
 

 作者:Alex Randlph(アレックス・ランドルフ)
 販売:日本語版がメビウスゲームズより販売中
 定価:1,500円
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