オスモ・ヴァンスカ(指揮) 読売日本交響楽団 満を持してのシベリウス・プログラム

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クラシック
2015.11.18
オスモ・ヴァンスカ ©読売日本交響楽団

オスモ・ヴァンスカ ©読売日本交響楽団

満を持してのシベリウス・プログラム

 フィンランドの国民的大作曲家ジャン・シベリウスが今年生誕150年を迎える。日本でも愛好家の多い作曲家だけに、多数の演奏会でシベリウスの作品が取りあげられている。

 なかでも注目したいのは、フィンランドが誇る世界屈指のシベリウス指揮者、オスモ・ヴァンスカが読売日本交響楽団を指揮する2種類のオール・シベリウス・プログラムだ。ひとつは「カレリア」組曲、ヴァイオリン協奏曲(独奏:エリナ・ヴァハラ)、交響曲第1番(11/27,11/28)。もうひとつは交響曲第5番・第6番・第7番からなるプログラム(12/4)。前者が民族的色彩の濃い前期シベリウス・プロ、後者が独自の透徹したリリシズムに貫かれた後期シベリウス・プロとでもいえるだろうか。シベリウスのふたつの顔を名匠の棒のもとで堪能することができる。

 オスモ・ヴァンスカの名が知れわたったのは、音楽監督を務めた母国のラハティ交響楽団の水準を飛躍的に引き上げ、シベリウスの交響曲全集等で高い評価を獲得したことがきっかけだった。その後、ヴァンスカはミネソタ管弦楽団音楽監督を務め、一段と声望を高めた。読響とは2002年から共演を重ねているが、シベリウスの7つの交響曲のなかでこれまでに指揮をしたのは第2番・第4番・第5番のみ。だれもが認めるシベリウス指揮者としては決して多くない。

 記念の年を迎えて、満を持して披露されるシベリウス・プログラム。心に深く刻まれる名演を待ち望みたい。

文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)

 

オスモ・ヴァンスカ(指揮) 読売日本交響楽団
第586回 サントリーホール名曲シリーズ
11/27(金)19:00 サントリーホール
第181回 東京芸術劇場マチネーシリーズ
11/28(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
第553回 定期演奏会
12/4(金)19:00 サントリーホール
問:読響センター0570-00-4390
http://yomikyo.or.jp

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