上田竜也「本能のままに感じてほしい」~舞台『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』開幕

レポート
舞台
2019.4.6
(左から)TOKIE、中村達也、上田竜也、ホフェッシュ・シェクター

(左から)TOKIE、中村達也、上田竜也、ホフェッシュ・シェクター

画像を全て表示(14件)


2019年4月6日(土)、東京・Bunkamura オーチャードホールにて、PARCO presents HOFESH SHECHTOR’S『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』が初日を迎えた。本作の振付・音楽をを手掛けたのは、欧米各国の主要メディアが絶賛し、2016年にトニー賞優秀振付賞にノミネートされるなど舞台界で注目を浴びている舞踊家ホフェッシュ・シェクター。
音楽で人心を惑わす主人公役にはKAT-TUNの上田竜也が抜擢、さらに、ミュージシャンとして元BLANKEY JET CITYのドラマー中村達也、そして自身のバンドHEA、LOSALIOSでの活動をはじめ、数々の著名ミュージシャンのサポートでも知られるベーシストTOKIEが参加した。この興味深いステージの一部が公開された。

オーチャードホールの客席に入った段階で思わず圧倒された。ステージの奥には3階建てのミュージシャンステージが組まれ、下から打楽器、弦楽器、そして最上階にはバンドセットや和太鼓が配置され、その中でも一番高い場所に中村のドラムセット、その下にTOKIEの姿があった。

白いスモークが焚かれる中、楽曲の演奏が始まる。途端、ハイスピードの爆音が身体を揺さぶり、いやがおうにも興奮を掻き立てる。ヘヴィ・メタルよりさらにヘヴィかもしれないサウンドの中、3階ステージ中央に現れた上田は群衆を扇動するようにアジテーションを繰り返す。すると一番下の本来のステージにはダンサーたちが上田の声を音楽に呼応するように、あるいはトランス状態に置かれているようにダンスを繰り広げていた。台詞もなく、観た事も聴いた事もない未知の世界が広がっていたが、ただ明らかに言えるのは震えるくらい刺激的でカッコイイ!ということだ。

演奏の披露後、囲み会見が行われ、上田、中村、TOKIEと、ホフェッシュ・シェクターが姿を現した。会見前に多くのカメラマンからフラッシュを浴びる4人。その様子をおもしろく感じたのか、シェクターが自前のスマートフォンで報道陣を撮影し始める。先ほどまで自分に声をかけられていたのを真似するように今度はシェクターが「スマーイル!」と言いながら撮影するとその様子を見ていた上田は「逆取材だ!」と笑っていた。

報道陣を撮影するシェクターさん

報道陣を撮影するシェクターさん

上田さんが「逆取材だ!」と笑顔

上田さんが「逆取材だ!」と笑顔

会見冒頭でシェクターは「私はあまりこの内容について深く説明する事を良しとはしません。背景には政治的に抑圧された物語があるんですが、基本的にはダンスとミュージックであり、たくさんのエネルギーに溢れているこの作品を“感じて”いただきたいです」と語った。そして日本から参加する上田たち3人について「すぐ仲良くなりましたし大好きになりました。上田さんにはカリスマ性があり、とてもパワフルでエネルギッシュ、トータルで見てすごいパフォーマーだと思います。中村さんは素晴らしいグルーヴなサウンド、TOKIEさんが出す音もまた素晴らしいです」と絶賛。すると褒められた事を受けて中村が「イェイ!」と声を上げ、笑いを誘っていた。

ホフェッシュ・シェクター

ホフェッシュ・シェクター

上田は「自分を必要としてくれる事が率直に嬉しくて、シェクターからの要望以上に頑張りたいと思いました」とオファーを受けた心境を明かす。続けて「お客さんが劇場に入ってからいかに暴れられるかとワクワクしています。早く(開演時間の)9時にならないかなって」と初日に向けて意気込んでいた。このステージの中では群衆の先導者役がメインとなるが、政治家役もあり皆に演説をするような場面もあるそうで、「皆を巻き込み、引きずり込めるように頑張ります」とコメント。

片目だけのアイメイクがSEXYな上田さん

片目だけのアイメイクがSEXYな上田さん

中村は「とても緊張しています」と恥ずかしそうに口を開く。「資料として映像などを見せていただいたんですが、ダンス、ドラム、ビートは人間が言葉を発見する前に体から出てきた音であり僕はそれに呼ばれたような気がしています」と話し、再び「緊張してるんです」と苦笑い。

中村達也

中村達也

TOKIEは「このパワフルで壮大なステージにお声がけいただいて嬉しかったです。この一週間のリハーサルを経て、あとは楽しむだけ。上田くんと同じく、早く9時にならないかなと思っています」というと、緊張が抜けない中村が「いいなあ」と愚痴り、また笑いが起きていた。

TOKIE

TOKIE

最後に上田は「とてつもなく破壊力のある作品になっているので、お客さんには本能のまま感じて欲しい。舞台だからおとなしく観るというのではなく、正直に感じた事をお客様も表現してくれれば」とメッセージを送っていた。

75分間というあっという間の上演時間の中で、皆が何を思い描くのか、楽しみでならない。

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

PARCO presents
『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』

 
■振付・音楽:ホフェッシュ・シェクター 
■出演:
上田竜也
ホフェッシュ・シェクター・カンパニー
中村達也(ex. BLANKEY JET CITY)
TOKIE(HEA、LOSALIOS/ex.RIZE、AJICO)
 
■主催・企画制作:株式会社パルコ
■後援:ブリティッシュ・カウンシル、イスラエル大使館
■助成:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京
 
■公演日程:2019年4月6日(土)~11日(木)
■会場:Bunkamura オーチャードホール 
■入場料金:12,000円 (全席指定・税込)
 
発売窓口:イープラス https://eplus.jp/political/
 ファミリーマート(店内Famiポート)(3/10以降)

 
■公式サイト:http://www.parco-play.com
のお問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00-18:00)
■公演のお問い合わせ:パルコステージ 03-3477-5858(月~土 11:00-19:00/日・祝 11:00-15:00)
シェア / 保存先を選択