東響ニューイヤー、中村紘子の代役発表

昨日19日、東京交響楽団よりニューイヤーコンサートの独奏者、曲目変更が発表された。中村紘子の療養期間延期を受けての対応である。

東京交響楽団の年末年始といえば、サントリーホールでの「四季と第九」で年を納めて、新年早々に秋山和慶と中村紘子を迎えてチャイコフスキーのピアノ協奏曲＆ドヴォルザークの「新世界より」で幕開けという、いわば”鉄板”のふたつのコンサートで飾られてきた。

年末の「四季と第九」は大人気の名曲二曲を並べたコンサート、1976年から続く歴史ある、年末のいわゆる第九の中でもおなじみの公演だ。毎年、ヴィヴァルディの「四季」には注目の若手のヴァイオリニストを迎え、そして「第九」は実力派声楽陣、そして自慢の東響コーラスによる布陣と、東京交響楽団ならではの年納めとして親しまれている。今年12月28日（月）＆29日（火）の開催で40周年の記念すべき節目を迎える。

そしてニューイヤーコンサートは秋山和慶と中村紘子の顔合わせで今年1月の開催でなんと36年連続37回目と、「同じ出演者によるひとつの演奏会」として記録的なほどに続けられてきたコンサートだ。残念ながらこちらの記録はここで一度途絶える。

12月5日に予定されていたリサイタル、そして秋山とともにこれだけの「定番」に育て上げたニューイヤーコンサートが新年に待っていたからこそ、中村紘子には12月からの演奏活動復帰を期していたところもあったはず。彼女が快癒された暁にはぜひとも、いかに季節外れでも「秋山＆中村を迎えたニューイヤーコンサート」を東京交響楽団に開催して欲しい。

話をニューイヤーコンサートについての発表に戻そう。昨日発表された新たなソリストはヴァイオリニストの神尾真由子、そしてピアニストのミロスラフ・クルティシェフの二人だ。曲目はチャイコフスキーとドヴォルザークは変更せず、神尾真由子が演奏するサラサーテの小品が追加された格好だ。

不慮の事態に強いられた変更ではあるが、東京交響楽団はこの新たな顔ぶれで2016年を迎えることになる。来る新年が読者諸氏にとって、また関係各位にとって、そして中村紘子にとって良い年になりますように、と切に願う（いささか気が早いかもしれないが）。

※なお、同じプログラムで公演を予定していた横浜のコンサート（1月6日（水） 横浜みなとみらいホール）では、ピアニストを上原彩子に変更して開催する。