ボリショイ・バレエ7作品がBunkamuraル・シネマで3週間限定上映 初上映は4作品

2019.7.27
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ロシアの名門バレエ団 『ボリショイ・バレエ団』のステージ『ボリショイ・バレエ inシネマ Season2018-2019』が、東京・渋谷のBunkamuraル・シネマで2019年10月18日(金)から11月7日(木)まで3週間限定上映することが決定した。スヴェトラーナ・ザハーロワ、エカテリーナ・クリサノワ、オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン、ミハイル・ロブーヒン等々、看板ダンサーたちによる優雅さと超絶技巧に裏打ちされたボリショイ・バレエの7作品が各3回ずつ上映される。

ル・シネマ初上映の最新作は4演目で、ボリショイ最年少プリマで新女王の呼び声も高いスミルノワがヒロインのニキヤを踊るエキゾチックで絢爛豪華な『ラ・バヤデール』、現存するバレエの中で最も古くデンマークのブルノンヴィル・メソッドの至宝といわれるロマン主義バレエの代表作を国際的スターダンサー、ヨハン・コボーが再演出した『ラ・シルフィード』、チャイコフスキーの音楽と共に世代を超えすべての人を魔法の旅へと誘う『くるみ割り人形』だ。

特に注目したいのが、 ロシア・バレエの真髄を堪能できる贅沢なダブル・ビル『カルメン組曲/ペトルーシュカ』。『カルメン組曲』は、20世紀の伝説的プリマ、 マイヤ・プリセツカヤのために創作された作品で、ビゼーの有名オペラをプリセツカヤの夫ロジオン・シチェドリンが編曲し、キューバのアルベルト・アロンソが振り付け、1967年に初演された。ボリショイではプリセツカヤ引退後長きに渡り封印され、2005年にボリショイを代表する名花ザハーロワ主演で復活し、今季もザハーロワがタイトルロールを演じる。『ペトルーシュカ』はストラヴィンスキーの音楽にミハイル・フォーキンが振り付けたバレエ・リュス版が名高いが、この度新たにレディオヘッドの楽曲を使用した『レディオとジュリエット』の振付などで知られる異才エドワード・クルグがボリショイのために演出し、一味違う新作に仕上がっている。

また以前ル・シネマで上映し好評を博した3演目も再上映される。ダイナミックな踊りが真骨頂のクリサノワがキトリを演じる傑作『ドン・キホーテ』、 スミルノワがオーロラ姫を踊る『眠れる森の美女』は、 豪華で贅沢な舞台美術や衣装も楽しめる。 旧ソ連時代のボリショイ・バレエの代表的作品『黄金時代』は、1930年にレニングラードで初演されるも18回のみの上演で舞台から消え、それをロシアの名振付師ユーリー・グリゴローヴィチの手によって1982年にボリショイ劇場で再演された。ボリショイでしか見られない歴史的バレエといえるだろう。

ボリショイ・バレエの伝統である男性ダンサーの魅力についても触れておきたい。『黄金時代』でギャングの首領ヤーシュカを踊るロブーヒンは、いかにもボリショイらしい豪快で男性的な色気を放っている。一方『ラ・シルフィード』『くるみ割り人形』『ドン・キホーテ』『眠れる森の美女』の4演目でヒロインの相手役を務めるボリショイきってのダンスール・ノーブルのチュージンは、 長い四肢を生かした美しいポーズの数々と甘く優しい雰囲気で観客を魅了する。

『ボリショイ・バレエ inシネマ Season2018-2019』は、モスクワのボリショイ劇場で鑑賞しているような臨場感溢れる舞台、そしてバックステージ独占映像と幕間のインタビューを映画館のスクリーンで堪能できる貴重な機会なので ぜひ堪能したい。

◆ ボリショイ・バレエ団◆

18世紀後期にモスクワで創立され、マリインスキー・バレエと並ぶロシアで最も歴史が古く伝統を誇る名門バレエ団。ボリショイとはロシア語で「大きい」という意味で、その名の通り劇場・バレエ団ともにスケールが大きい。ボリショイは創立当初は演劇的バレエを重視する「モスクワ・スタイル」「モスクワ・バレエ」と表現されていたが、 20世紀初頭にアレクサンドル・ゴルスキーが当時の時代精神を反映させるべく「プティパ」作品の振付・改訂に取り組み今日のボリショイの基盤作りに貢献した。ボリショイ・スタイルを飛躍させ、更に大きく興隆させたのは1964年キーロフ・バレエ団(現在のマリインスキー)から移籍し、1988年芸術監督に就任したユーリー・グリゴローヴィチの尽力による。全てを踊りで表現しようとした彼は『スパルタクス』などで男性ダンサーのダイナミックな技巧、勇壮な男性群舞、また迫力あるコール・ド・バレエで構成されるグランド・バレエをボリショイの“象徴”として確立。 芸術的・技術的レベルやダンサーの層の厚さでは他のバレエ団の追随を許さないことは勿論、グリゴローヴィチの絶頂期にはプリセツカヤや、 マクシーモワ&ワシーリエフ、べスメルトノワ&ラヴロフスキーなどバレエ史上に残るスーパースター、有名なデュエットを輩出した。ボリショイはそれ以降もアナニアシヴィリ、 ザハーロワなどの世界的ダンサーを生み出し、多彩なレパートリーで世界からの注目を集め続けている。

上映情報

『ボリショイ・バレエ in シネマ Season   2018 – 2019』
 
■会場:Bunkamuraル・シネマ
■料金:全席指定 大人3,600円(税込)、 学生2,500円(税込)
■上映作品:
「ラ・シルフィード」新作:2018年11月11日収録
「くるみ割り人形」新作:2018年12月23日収録
「ラ・バヤデール」新作:2019年1月20日収録
「カルメン組曲/ペトルーシュカ」 新作:2019年5月19日収録
「ドン・キホーテ」 2016年4月10日収録
「黄金時代」 2016年10月16日収録
「眠れる森の美女」 2017年1月22日収録
 
■ボリショイ・バレエ in シネマ 日本公式サイト:http://bolshoi-cinema.jp/
■The B olshoi Ballet Season 2018 - 2019 公式サイト:https://www.bolshoiballetincinema.com/
■Bolshoi Official web site:http://www.bolshoi.ru/