ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2019年9月編】

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2019.8.30

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昨シーズンの作品が8月に続々とクローズを迎え、新シーズンの開幕ラッシュもまだ遠く、やや閑散としている感のある9月のブロードウェイ(特にミュージカル界)。だがそんななかでも、3日~16日は1枚分の値段でが2枚買える「NYC BROADWAY WEEK」キャンペーン中だったり、22日には本稿最後に紹介するオタク垂涎のフリマが開催されたりもするので、訪れて損ということはないはずだ。家電が「買いたい時が買い替え時」なら、「行きたい時が行き時」なのがブロードウェイなのだ。

Q.観劇旅行のオススメ日程は?

行きたい時が行き時なブロードウェイだが、個人的なベストシーズンを挙げるなら6月中旬であることは、既に第4回で述べた通り。今回はシーズンではなく日程のお話で、こうなるともう、「火曜出発の1週間」のほぼ一択だ。日本とニューヨークは、日本を火曜に出れば火曜中に着き、ニューヨークを月曜に発てば翌火曜の帰国となる関係性。そしてオン・ブロードウェイの開演時間は、例外はあるものの、月曜:休演、火曜:夜のみ、水曜:昼&夜、木曜:夜のみ、金曜:夜のみ、土曜:昼&夜、日曜:昼のみ、というパターンがほとんど。よって観劇旅行をするなら、まずは月曜を避け、そしてマチソワできる水・土曜を万全の体調で迎えられるよう、火曜から翌火曜までの1週間をあてるのが一番というわけだ。

そうは言ってもベストシーズンの話と同様、必ずしも理想的な日程で休みが取れることばかりではないだろう。どうしても月曜が挟まる日程になってしまっても、大丈夫。月曜夜と、また辛うじて日曜夜に関しては、数が圧倒的に少ないというだけで、公演のあるオンの作品がないわけではないし、オフやメトロポリタン劇場まで視野に入れるという手もある。事前にネットで探しておくもよし、当日とりあえずtktsに足を運んでみるもよし。どんなに数が少なくても、公演がある限り(ほぼ)開いているtktsは本当にありがたい存在だ。

それよりも問題は、どんなに探しても目ぼしい作品がないことが意外と多い、木曜と金曜の昼である。かつて『オペラ座の怪人』『マンマ・ミーア!』『シンデレラ』が華々しく木曜マチネを始めた時は、大いに喜んで通ったものだが、それも今では『オペラ座の怪人』だけとなり、さすがに毎年観るのもどうかという気分にもなり…。この木曜マチネを――もちろん月・火・金曜マチネでも月・日曜ソワレでもいい――あらゆるロングラン作品がやってくれたなら、新作を優先するとどうしても叶わない、大好きな作品のリピート観劇が可能になるのに。どなたかブロードウェイ関係者の方、万が一これを読んでいたらぜひご検討ください。

いつもお世話になってます

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【今シーズンの新作】

■9月に始まる作品

『Freestyle Love Supreme』9月13日プレビュー開始/10月2日開幕
『ハミルトン』のT・カイルとLM・ミランダがプロデュースする即興(!)ミュージカル。
https://freestylelovesupreme.com/

『The Lightning Thief』9月20日プレビュー開始/10月16日開幕
ファンタジー小説「パーシー・ジャクソン」シリーズが原作。ツアーを経てBW入り。
https://www.lightningthiefmusical.com/
 

■既に上演中の作品

『ムーラン・ルージュ!』
バズ・ラーマン監督映画をアレックス・ティンバースが演出する話題作。人気沸騰中!
https://moulinrougemusical.com/

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。10月27日でのクローズが決定。
https://beautifulonbroadway.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。2019年トニー賞。来年1月19日まで。
https://oklahomabroadway.com/

『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『Ain’t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

『ビートルジュース』
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。
https://beetlejuicebroadway.com/

『ムーラン・ルージュ!』と同じA・ティンバース演出作

『ムーラン・ルージュ!』と同じA・ティンバース演出作

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/

『Hadestown』
『グレコメ』の演出家が現代的に描くギリシャ神話。2019年のトニー賞で8冠を達成。
https://www.hadestown.com/

『ハミルトン』
開幕5年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『トッツィー』
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。東宝出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/
 
『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。来年1月5日でのクローズが決定。
https://waitressthemusical.com

【9月のミュージカルイベント】

このコーナーではもはやお馴染みとなりつつある、毎年恒例のチャリティイベントをいくつも開催している非営利団体「ブロードウェイ・ケアーズ」。秋の恒例と言えば、サイン入りプレイビルや小道具などが手に入る「フリーマーケット&グランドオークション」で、33回目となる今年は9月22日(日)に開催される。舞台となるのは、ブロードウェイを散策していれば誰でも一度は通る場所にあるちょっとした広場、シューバート・アレー(今回のトップ画像もその辺り)。サインテーブルとフォトブースには、今年も多数のスターが訪れる予定だそうで、気になる人は下記の公式サイトで発表予定の続報を要チェックだ。

https://broadwaycares.org/pre-event/broadway-flea-market-grand-auction-2019/

文=町田麻子

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