小栗旬が再び彩の国シェイクスピア・シリーズに登場 2020年に歴史劇『ジョン王』の上演が決定
(左から)吉田鋼太郎、 小栗 旬、 横田栄司 提供:ホリプロ
1998年のスタート以来、芸術監督蜷川幸雄のもとで、国内外に次々と話題作を発表してきた彩の国シェイクスピア・シリーズ。2020年6月に上演となる第36弾は、英国史上最も悪評の高い王であろうジョンの治世の時代を描いた歴史劇『ジョン王』に決定した。
生命力とユーモアにあふれ世の中をシニカルに見つめる若者“私生児”を主演として演じるのは、本シリーズ4作品目にして初の歴史劇への挑戦となる小栗旬。タイトルロールの“ジョン王”役には本シリーズ常連の横田栄司、ジョン王が敵対する“フランス王”役には演出も兼ねる吉田鋼太郎という、演劇界を代表する俳優が顔を揃える。
2017年12月にシリーズ2代目芸術監督に就任した俳優・吉田鋼太郎の演出による『アテネのタイモン』でシリーズが再開され、2019年2月に『ヘンリー五世』を上演、2020年2月には『ヘンリー八世』が控え、完結までいよいよ残り2作品となった。
<コメント>
■吉田鋼太郎/演出・出演
このシリーズに帰ってきて欲しいと思っていた小栗君が、僕もかつて演じ、いつか小栗にと思っていた役で出演してくれることがとても嬉しい。この作品を彼に引っ張っていってもらいたいと思っています。なにを持ってきてくれるのか、非常に楽しみ。遠慮なくなんでも言える相手なので、演出家としても俳優としても思いっきりぶつかり合いたいです。
小栗君が演じる私生児は、クールな彼にピッタリな、全てを俯瞰して見ている、ちょっと変わった魅力的な役。タイトルロールを演じる横田君はパワーがあって滑舌も声もいい、 彼がいれば芝居が締まる、なかなかいない俳優。この2人で激論を交わし物語を動かしていって欲しいですね。
■小栗 旬/主演 私生児フィリップ・ザ・バスター役
14年ぶりに彩の国シェイクスピア・シリーズへ戻ってくることが叶いました。役者としても演出家としても、全幅の信頼を寄せている鋼太郎さんの演出をやっと受けることができる。古典作品を演じるための演劇筋肉を鍛え直さねばなりませんし、鋼太郎さんが求めるエネルギーにたどりつき、越えていくのは大変な事ですが稽古・本番とずっと近くで教えを乞うことができるのが非常に嬉しいです。「ジョン王」という日本人に馴染みのないシェイクスピア作品を、一緒に面白くしていく、共犯関係になれるのが今から本当に楽しみです。お客様にその面白さを感じていただけるよう頑張ります。劇場でお待ちしています。 ご期待ください。
■横田栄司/ジョン王役
この作品の情報を皆様にお伝えできる喜びでいっぱいです。本シリーズに立てることは役者冥利に尽きるとともに、お客様の大きな期待、プレッシャーや恐怖すら感じます。それをはねのけるために、懸命に知恵を絞り、バカみたいに稽古をして、皆様にお届けできるよう努めます。鋼太郎さん、旬とポスターを撮った日、頼もしいお二人の顔を見、声を聞いて、確固たる覚悟ができました。皆様のご来場を、夢の劇場でお待ちしております。
イングランド王ジョン(横田栄司) の下へ、 先王リチャード1世の私生児だと名乗る男が現れる。 ジョンの母エリナー皇太后はその 私生児フィリップ(小栗旬) を親族と認め従えることを決める。そこへ フランス王フィリップ2世(吉田鋼太郎) からの使者がやってくる。 領地の引渡しと、 イングランド王位を正当な王位継承者であるアーサーに譲り、 領地を引き渡すよう、 要求しにきたのだ。それを拒んだジョン王は、私生児を従えてフランスと戦うために挙兵する。戦闘を開始した英仏両軍の互角の勝負の中、私生児が両軍に戦闘地の市民への攻撃を提案、一転して両軍は協力体制となるが、今度は市民がイングランド王女とフランス皇太子の結婚を提案、 両国の和睦を促す。賛同した両王のもと、すぐに結婚式が行われるが、今度はそこにローマ法王の大使パンダルフが現れ、フランス王に対し、キリスト教会と対立するジョン王との関係を絶つか、ローマ法王の呪いを受けるかの選択を迫る。悩んだ末にフランス王はジョン王と手を切ることを決意するが、結果としてフランス軍は敗れてしまう。両王の思惑が入り乱れる中、事態は展開し…
公演情報
提供:ホリプロ
■翻訳:松岡和子
■演出:吉田鋼太郎 (彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
■主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団