40年の集大成となるような、楽しさ満点の作品に 劇団SET創立40周年記念・第57回本公演『ピースフルタウンへようこそ』が本日開幕
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劇団スーパー・エキセントリック・シアター(劇団SET)創立の40周年記念・第57回本公演『ピースフルタウンへようこそ』が本日2019年10月11日(金)よりサンシャイン劇場にて開幕する。開幕に先駆けて、10月10日(木)フォトコールと囲み取材が行われた。
フォトコールで披露されたのは、冒頭・ミュージカルパート・アクションパートの3つ。要所を抜き出したごく短いシーンの公開だったが、三宅と小倉の息のあった掛け合いに取材陣から笑いが起きており、ダンスや殺陣も見応え充分で満足度の高いものだった。
稽古場取材をさせていただいてから一週間も経っていないが、ミュージカル・アクション共に短期間でぐんとパワーアップしている。本番ではきっとさらに熱量を増し、パワフルで力ある作品となることだろう。(※稽古場取材の様子は関連記事より)
その後の囲み取材には、三宅裕司と小倉久寛の二名が登壇した。
まず、インタビュアーより今作の内容を尋ねられた三宅が「今回は“幸せ”をテーマにしています。“幸福度”って言うのが日本は非常に低いんです。57位だったかな?54位だっけ?これだけ経済的に良い暮らしをしているこの国が、なぜそんなに幸福度が低いのかというところから始まって、作家と一緒にストーリーを作りました」と説明。次に小倉が出演しての感想を聞かれ「いつも出てるので(笑)」と言いつつ、「“幸せとは何か”っていうのはみなさん考えることじゃないですか。身近なテーマなので、心に響いていろんなことを考えてくだされば。大笑いしながら見てもらえたら良いなと思いながらやっています」と笑顔を見せた。
40周年で特に力が入ると思いますが……と尋ねられた三宅は「いや、入らないですよ」と即答。「毎回とにかく面白いものを作ろうと思っていて、力を入れると笑いって失敗しちゃうことがあるんですよね。なのでいつもどおり作って面白いものができたらいいなと思っています」と、気負いすぎず、しかし全力で作品を作り上げたことをアピールする。
小倉が「今回(三宅と)絡むシーンが2回ほどありまして、そこをお客さんに楽しんでいただいて僕らも楽しめたらいいかなと」と話すと、三宅も「40周年ということでいつもより多く絡んでいます」と便乗し、取材陣を笑わせていた。
小倉はアクションシーンについても聞かれ「今日初めてうまく行きましたね」とニコニコ。「今65歳ですけど、周りで若い劇団員がたくさん動いているので、あの中でちょっと動くと良いかんじに見えるらしくて得してます」とおどけていたが、決して周りに引けを取らない動きを見せており、迫力は十分だった。
役柄にかけて「今後本当に区長になるなんて予定は?」と質問を受けた三宅は「ないです」とまたも即答する。「こういう笑いをずっと作っていきたいと思っています」と、40周年を迎えた歴史ある劇団の未来へと言及した。2018年に病気による療養をし、2019年1月には大腿骨骨折と、ここのところ体の不調が続いていたが、現在は万全ということで、小倉も「側から見ていてもここ10年くらいで一番元気」と太鼓判を押しており、今後の活躍にも期待が高まる。
インタビュアーから「40周年を迎えましたがいつまで続けますか?」と聞かれると「ミュージカル・アクション・コメディーをできる年齢でもないんですけど、若い子もたくさんいるので。何も決めてないけど80歳まで現役でやるのを目標にしてます」と宣言。小倉も「ついていけるとこまで一生懸命ついていこうと思います」と意欲を見せていた。
次に、作品のテーマである「幸せ」に絡めて、最近あった一番幸せな出来事を聞かれた二人。
三宅は「大腿骨骨折から元気になれたことですね。本当に健康が一番だと思います。健康のためなら命もいらないです」としみじみ語り、取材陣から大きな笑い声が。
小倉は「ふわっとしてるんですけど、ずっと幸せです。三宅さんみたいに高い志があってこの世界に入ったわけじゃなく、楽しそうだな~って気持ちだったんです。それが40年も続いているので、この40年が全部幸せだったし、これからも続けば良いなと思っています」と、劇団や役者という仕事への愛を語ってくれた。
インタビュアーから「三宅さんに拾われてよかったですね」と言われ、三宅が「池袋歩いてたら落ちてたんですよ」と答えてまた笑いが起きるが、小倉は「僕が三宅さんを見つけてしがみついてきたんで、拾われたとは思ってない。僕が見つけたんです」と主張する。
三宅も「入れてくださいってきたけど断ったんです、オーディションを受けてくださいって」と話し出し、二人の出会いへと話題が移っていく。オーディションに来たのはたった二人、小倉と共に受かったもう一人は別の劇団に行ってしまったそう。「まだ売れてない頃の40数年前の三宅さんを見つけてそこに行ったわけですから」と語る小倉に「こう言ってるといろんな劇団を見たあとみたいに聞こえますけど、最初に入った劇場ですからね」と三宅。「初めて見た劇団で主演の三宅さんを見て、面白いしカッコいいなと思ったんですよ」と笑顔で語る小倉に、「そういう意味では確かにすごいね、最初に見た初めての劇団に入ろうと思うって」と感心した様子を見せ、取材陣からも感嘆の声が上がっていた。
また、改めて劇団の40周年についての感慨を問われ、三宅は「よく続いたなと思いますね。今いる劇団員は40何人ですが、この40年間でSETに関わった人って数えたら大変な数です。たくさんの人の支えがありながら、影響を受けてくれた人もいると思うし、本当にたくさんの人の力でここまで来れたと思っています」としみじみと語る。
40周年・57回公演という本数の多さについて聞かれると、「初期は年4本の新作をやったことがあるんです」とさらりと言い、「これには理由があって、他にやることがなかったんです」と取材陣を笑わせる。
最後に、初日に向けての意気込みを求められた三宅は、「ミュージカル・アクション・コメディーというものを始めたのは、アングラ演劇のような難しい芝居じゃなくて、みんなが楽しめる誰でもわかるお芝居をやりたいと思ったから。それが40年ですから、その集大成ということで、とにかく笑って歌があってダンスがあって、楽しいお芝居をしたい。何の先入観も前知識もなく見に来ていただいて、嫌なことを全て忘れて、次の日から「よし、明日も仕事頑張るぞ!」と思える芝居です。ぜひ見に来ていただきたいと思います!」と気合を見せたあと、「小倉がこれから良いこと言います!」とハードルを上げる。それを受けた小倉が「その通りでございます。見に来てください!」と困り顔で言うと、「思った通りだ」と最後までコントのようなやりとりを見せてくれた。
公演においても、この二人の息のあった掛け合いや、劇団員たちが次々に繰り出す笑いに笑ってしまうこと間違いなし。チームワークを活かし、芝居・ダンス・歌・アクション、いずれにおいてもレベルの高いSETの最新作に、足を運んでみてはどうだろうか。
本作は2019年10月11日(金)よりサンシャイン劇場にて開幕。10月27日(日)までの東京公演ののち、11月8日(金)~9日(土)穂の国とよはし芸術劇場PLATにて愛知公演、11月13日(水)~14日(木)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて兵庫公演が行われる。
※台風19号による公演中止等のご案内は、事前に劇団ホームページ、劇場ホームページなどにて掲示予定。