ラストのフラダンスが見どころ! 映画『フラガール』脚本の羽原大介率いる昭和芸能舎版舞台『フラガール2019』ゲネプロレポート
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
映画『フラガール』で第30回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した羽原大介が率いる、劇団「昭和芸能舎」による舞台『フラガール2019』が2019年11月26日(火)から赤坂RED/THEATERほかで開幕した。2018年6月の初演につづき、今回の再演。初日を前に行われた通し舞台稽古(ゲネプロ)の様子を写真とともにお伝えする。
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
物語の舞台は、昭和41(1966)年の福島県いわき市。常磐炭鉱の大規模縮小により、職を失う人々やその家族がいた。一方、町興しのために「常磐ハワイアンセンター」が建設されることになり、素人フラダンスチームが結成されることに。フラダンスを踊ることに夢と希望を感じた女性たちは、家族に反対されたり、周囲から批判を浴びたりしながらも、懸命に進む。さまざまな葛藤が交錯する、史実に基づく物語である。
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
女手一つで育てられ、母親の期待を一身に背負った少女や、両親を亡くして、炭坑で働く兄を持つ少女など、「フラガールになりたい」という思いを抱く女性たちには、それぞれが抱える事情がある。また、女性たちにフラダンスを教える女教師(稲村梓)の毅然とした態度の裏には、過去の挫折がある。炭鉱で働く人々の側にも複雑な思いがある...。
昭和芸能舎版フラガールでは、上演時間2時間(休憩なし)という尺ながら、その女性たちの背景や1960年代という時代性がしっかりと描かれていた。派手な舞台装置があるわけではないが、その分、人間そのものを見て欲しい、ストーリーに集中して欲しいという意図を感じた。
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
初演でも好評だったが、やはりラストのフラダンス・ポリネシアンダンスは圧巻。相当な練習量を積んだということが見てとれる技術力の高さはもちろん、ラストに至るまでに物語の中でそれぞれの登場人物にフォーカスが当たっており、彼女たちが踊る意味を感じながらダンスを見られるので、感動も大きいと思う。
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
昭和芸能舎版『フラガール2019』のゲネプロの様子
東京公演は12月1日(日)まで。12月19日(木)にはトークネットホール仙台でも公演がある。
取材・文・撮影=五月女菜穂
公演情報
キャスト:稲村梓、池内理紗、しるさ、塩塚和代(生方和代 改め)、中川絵美、藤田美歌子、石井咲、仲本ユウ、山村紘未、原悠里奈、杉莉々子、鈴木万里絵、今井彩奈未、佐藤朱莉、中村友香、及川いぞう、ゆかわたかし、浦島三太朗、アフロ後藤、原沢侑高、池上リョヲマ、田久保宗稔