25周年ならではのスペシャルセッションが多数実現! ARABAKI PROJECT/GIP・菅 真良氏に2025年の『ARABAKI ROCK FEST.25』の見どころを聞いた
ARABAKI ROCK FEST.24 Photo by Team SOUND SHOOTER
今年2025年で、スタートから25周年を迎える、春の東北を象徴する存在=『ARABAKI ROCK FEST.25』のタイムテーブルが発表された。さすが25周年だけあって、すさまじく豪華かつ華やかなラインナップが揃っている。ヘッドライナー級がずらりと並ぶMICHINOKU STAGEをはじめ、ARABAKIを支えてきたベテランたちから、新進気鋭のニューカマーまで、幅広いアクトたちが6つのステージと2つのブースに集結している上に、このフェスの名物である、ここでしか観られないアーティスト同士のセッションも、過去最高の数が組まれている。
『ARABAKI ROCK FEST.』の発起人であり、25年にわたってこのフェスを引っ張ってきたプロデューサーであるGIPの菅真良氏に、今年の展望と、それぞれのセッションについて訊いた。なお、このインタビューを行った段階で、まだ決定が出ていなかった等の理由で発表できないセッション等も多数あったので、以下で触れられたのは一部です。他にもいっぱいあります。ぜひお楽しみに。
──2024年の開催前にお話を聞いた時、「2日目の終わりぐらいに来年以降のことがはっきりと見えていればいいなと思う」とおっしゃっていましたけれども。
そうですね。大トリをやってくださった10-FEETが、地元の川崎中学校の吹奏楽部をお誘いしたいと言ってくれて。
──川崎中学吹奏楽部が毎年ARABAKIに出ていることを知っていた10-FEETから「1曲一緒にやりたい」と申し出があったんですよね。
はい。それは僕の中では、「やっとここまで来たか!」みたいな感じでした。地元と一緒にやっていることが出演者の方々にも浸透して、そういうことを申し出てくれるバンドが出てきた。しかも10-FEETは──他にもたくさんそういう方々はいますけど──東日本大震災のことをすごく意識されていて。震災の頃に生まれたのが今の中学生なんですよね。そういうことは、『ARABAKI ROCK FEST.』ならではなのかなと思います。それから……いろいろ思うところがあって、なかなか踏み込めずにいましたけど、チバユウスケさんを思うためのセッションを実現できたこと。あれをできたことで、秋に『オハラ☆ブレイク’24 愛でぬりつぶせ』で、丸1日チバさんのトリビュートの企画を実施する気持ちになれた。あとは、全体を通じて、やっとコロナ禍が明けて、制限なく楽しめるようになったところはいちばん大きかったかもしれないですね。フェスの楽しみを取り戻した人もいれば、新しい発見をした人もいた、というような。
──そこで2025年はどうしよう、というふうに、まず考えました?
その年の終わりかけに、「来年はこの人に大トリをお願いしよう」とか「来年はこういうテーマを設けよう」とか、毎年思いつくんですけど。去年は終わったあとは正直、それがあんまりなかったんですよね。で、秋に猪苗代でチバさんのトリビュートをやった後に、「あ、こうしよう」と思ったのは……これまで、周年ってあんまり大げさにしなかったんですよ。で、初めて大げさに周年をやろうと思っていたのが、20周年だったんですね。
──ああ、2020年。そうか。
それがコロナで中止になっちゃったので、25周年っていうのもどうなのかなあ、と思ったんですけど……猪苗代が終わった夜に、ふと「“25”を思いっきりキーワードにしたいな」と思って。『アタック25』っていうテレビ番組があったじゃないですか? あれを急に思い出したんですよ。
──(笑)はい、25枚のパネルを取り合う昭和のクイズ番組(※『BS10 パネルクイズ アタック25』として現在も放送中)。
ステージの随所で何が起こるかわからない、といったことを実現したら、おもしろいんじゃないかなと。『ARABAKI ROCK FEST.』の特徴としてみなさんが「手間ひまかけて大変なセッションをよくやり続けてるね」と言ってくださいます。その集大成みたいなことをやろうと。25のセッションを決行した先に来年以降のことが見えてくるのではないかと思いまして。
──本当に25個になるんですか?
いや、たぶん、ちょっとオーバーします(笑)。事前に発表しないものまで含めると、その可能性が高いです。
──そもそもセッションって、どのように打診していくものなんですか?
ほとんどは思い付きで相談しています。セッションの企画に積極的な人だけではなく、初めてセッションの企画に参加頂く方々も沢山提案したいと思って。ベテランやレジェンドから新人まで。合いそうなバンド、同じ空気感を持っていそうなバンド、先輩後輩、リスペクトし合っている、たくさん情報を集めて提案します。セッションの企画を実施することで、まだ知らない音楽に触れる機会を増やしたい、という想いがあります。自分の担当のアーティストをARABAKIに出演させたいという、それぞれのスタッフたちの思いが果たせる機会にしたい。あと、三世代の人に響くような企画をやりたいとずっと思っていて。三世代というのは、親と子供と孫、じゃなく、先輩と同世代と後輩、ということなんですよね。そういうことを意識して企画を練っていく、という面もあります。あと、セッション以外でも、久しぶりに出てくれるバンドとか……たとえば、ARABAKIを立ち上げた時に誘っていたんですけど、一回目の直前に活動休止して、その後に解散してしまったTHE YELLOW MONKEYがやっと出てくれる、とか。
──そうか、今年初出演ですよね。
そうなんです。THE YELLOW MONKEYが野外ツアーをやった初日の場所が、今ARABAKIをやっている 国営みちのく杜の湖畔公園なんですよ(※『TOUR’97〜紫の炎〜』)。THE YELLOW MONKEYがあそこでライブをやるのはそれ以来です。それと、TOSHI-LOWくんに毎年いろいろ引き受けていただいていたので、当然BRAHMANにも相談しようと思っていたんですけど、横浜BUNTAIの凄まじいライブを観て(※2024年11月4日『六梵全書 Six full albums of all songs』。全6作のフルアルバムの全曲を演奏した4時間・75曲のライブ)。あれを観たあとに「誰かと一緒に企画をやってください」と言う時期ではないなと思って。「単体で出てほしい」という話をしました。
東北やアラバキをいつも大切に思ってくださっている、ELLEGARDEN、ACIDMAN、アジカンやアラバキのコアな部分を担ってくださっている、ピーズ、eastern youth、SION’S SQUAD、ZAZEN BOYS、toe、THE SPELLBOUNDなど周年の今年に出て欲しい方々が二つ返事で参加してくださっていることは本当に光栄でありがたく思っています。それと個人的には、立ち上げの頃から大事な年には必ず参加してくださる、エレファントカシマシやザ・クロマニヨンズがコロナ以降スケジュールが合わなかったことを気にかけてくださって、かなり早い段階で 今年の出演を決めてくださったり、奥田民生さんはセッションだけの参加でもいてくださることも嬉しい限りです。またデビューの頃から出てくださっていて、いまでは日本のロックを支える存在になったマカロニえんぴつ、SiM、THE ORAL CIGARETTES、フォーリミなど目白押しのラインナップで、25年が詰まった今年の開催を噛み締めながら準備をしています。先々を考えないで、四半世紀、25周年をとにかく派手にお祝いしよう!というのが今年のコンセプトです。
──では、その25以上のセッションの中の、いくつかについて訊かせてください。
PEDRO×サバシスター
この2組は同世代ながらあまり接点はなかったようで、まずはサバシスターにセッション相手の候補をいくつか提案しました。その提案の中にPEDROがあって、サバシスター側から希望を頂きPEDROへ提案したら快諾してくださったという経緯です。アユニ・Dさんとなちさんがバンドを代表してアイディアを話し合って頂いているところです。
SAKANAMON SESSION GUEST:たかはしほのか(リーガルリリー)、田辺由明(マカロニえんぴつ)
ARABAKIの運営を統括している中鉢がSAKANAMONと長い付き合いで、それで成立した企画です。たかはしほのかさんやマカロニえんぴつの田辺氏など今の音楽シーンを引っ張っている方々のゲスト参加がバンドの存在感と経歴を物語っていると思います。今回のセッションでたくさんの人に広まると良いなあと思います。
Hakubi×UNFAIR RULE
GIPのUNFAIR RULEを担当している石田から「ライブを観てほしい」と希望されたので観に行きました。Hakubiをゲストに迎えてのライブでUNFAIR RULEのボーカルの山本珠羽さんのMCからHakubiへのリスペクトを感じました。その時のライブを観たことがきっかけで両方に提案をし成立しました。
由薫×ルイ
初共演です。お互いの音楽や雰囲気が合うのではないかと想像し、僕の方から双方に対して「こういうアーティストがいるんですけど、一緒にやってみませんか?」とお声がけしました。由薫さんは「ヒヤシンス」という歌が個人的に好きで、ルイくんは「白とエスケープ」という曲が個人的に好きです。
大槻ケンヂ(弾き語り) SESSION GUEST:おとどけチータくん
大槻さんのマネージャーさんから、相当久しぶりにお電話を頂き、筋肉少女帯のライブのことなどを相談していたのですが、丁度、近いタイミングで大槻さんが弾き語りのツアーを廻られていることを伺い、ダメ元で仙台から食品パッケージなどで全国展開をする「高速」のマスコット「おとどけチータくん」とのセッションを提案しました。
河口恭吾×バクコメ ZAO ミッドナイトライブ&コント
河口さんのマネージャーさんから出演のアプローチがあった日の数日後に、バクコメの半澤氏との忘年会があり、その席で、ふと河口さんの代表曲「桜」をテーマにしたコントができないかと思い付き、その場で交渉して実現に至りました。
PK shampoo×Maki
PK shampooのA&Rを担当されている方と仙台で飲んでいた時にアイディアで話た企画がそのまま形になった感じです。両バンドともARABAKIのラインナップを決める上でとっても大切にしている、パンクな気持ちやバンドの衝動を持っているように感じて、双方に僕からお誘いしました。一緒にやってもらったら、きっと両方のお客さんが楽しんでくれるだろうと想像ができました。
Cody-Lee(李) SESSION GUEST:曽我部恵一(サニーデイ・サービス)
弊社GIPのCody-Lee(李)担当の福島から、高橋響くんがバンドを始める前からARABAKIにお客さんとして観に来てくださっていることや、地元の岩手県・花巻市で将来自主企画のイベントを確立させたいという想いを持っていることを聞いていて、将来のバンドの夢である花巻でのフェスにも繋がることを願ってセッションをお願いしました。担当の福島とバンドとで話した結果、サニーデイ・サービスの曽我部恵一氏にゲストを依頼をしました。サニーデイ・サービス、Cody-Lee(李)両方とも水沢市の英雄、大滝詠一さんの音楽を継承していることもこの企画への必然性を感じました。
キュウソネコカミ×ヤバイTシャツ屋さん
GIPのキュウソ担当の菅原から提案がありました。間違いなく面白いことになると思ったので即決しました。盛り上がること必須でしょう!
東京スカパラダイスオーケストラ
スカパラはARABAKIの1年目から、節目に必ずいつも出演をしてくださっていている、救世主的なバンドです。バンドそのものがセッションのような存在ではありますが、あえて趣旨をお伝えして数組ボーカルゲストを考えてくださっています。
G-FREAK FACTORY SESSION GUEST:TAKUMA(10-FEET)、TOSHI-LOW(BRAHMAN)
G-FREAKは20周年の開催のときにセッションの企画を相談していましたがコロナで実現することができずにいましたが、去年の12月に秋田のバーで飲んでいた時に、日比谷野音で開催されたライブ映像を久しぶりに観て、やはりカッコいいバンドだなと改めて思いました。
堂島孝平
堂島孝平氏とは長い付き合いになりました。堂島くんはARABAKIにとって欠かせない存在で一緒に育ってきたと思っていて、堂島くんの30周年をARABAKIでお祝いできることはとっても感慨深いことです。他のセッションでは実現できない、ARABAKIではお馴染みの川崎町の皆さんや郷土芸能の方々など地元チームとの共演も相談中です。
I Don't Like Mondays. SESSION GUEST:古市コータロー(THE COLLECTORS)
ARABAKIに『GTR(ギター)祭り』っていう名物企画が過去にあって。ギターのリフがかっこいい曲をカバーするという、ただそれだけの企画なんですけど、2022年のバンマスがコータローさんで。コータローさんに「若い人でおもしろいギタリストいますか?」と訊かれたので、僕がアイドラ(I Don't Like Mondays.)のCHOJIくんを推薦したんです。そのあと、コータローさんとCHOJIくんが2人で度々飲みに行くようになったようなので、両者に「今年一緒にセッションやりませんか?」と提案したら、コータローさんが「じゃあアイドラに何曲か弾きに行くよ!」と言ってくれて実現しました。
THE COLLECTORS×フラワーカンパニーズ SESSION GUEST:田中ヤコブ(家主)
フラカンもTHE COLLECTORSもARABAKIについて理解が深いバンドで、今年はセッション未経験者への提案を優先していたので、あえて両者にセッションの提案をせずにいたんですが、久しぶりに観たMACANAでのTHE COLLECTORSのライブがものすごく良くて、それでフラカンとの企画が良いかなと即座に思いオファーしました。また、家主の田中ヤコブさんのレーベルご担当から田中さんアラバキの積極的な想いについて連絡がありました。ご本人なのか、スタッフの方なのかはわからないですけど、「ARABAKIで何かで関わりたい」と連絡をくれたんです。で、「セッションの企画だったら、こういうのをやれます」って曲の候補がたくさん送られてきたんですけど、候補を見たら、フラカンとTHE COLLECTORSの曲がかなり多かった。じゃあフラカンとTHE COLLECTORSに、田中ヤコブさんをギタリストして招いてみたら新しい化学反応が生まれるんじゃないか、と思いました。
BEGIN×シアターブルック
ARABAKIの3年目、2003年にBEGINが出演した際、佐藤タイジさんがステージ袖でライブを観て、めちゃめちゃ感動していたんですよね。あと、2010年の(忌野)清志郎さんのトリビュートの企画でタイジさんにギターをやってもらったんですけど、その時BEGINにゲストで出てもらって。それで、シアターブルックが今年デビュー30周年なんですね。タイジさんとやりとりして「誰がいいですかね?」みたいな話をしたんですけど、なかなかジャストなアイデアが浮かばずにいて。という時に、BEGINのマネージャーさんから「ARABAKIの日、空いてます!」と連絡が来たので、「あっ! シアターブルックとやってもらおう!」と(笑)。だから、前々からの流れはありました。
WANDS SESSION GUEST:ナヲ(マキシマム ザ ホルモン)
WANDSの音楽のベースはハードロックだと僕は思っていて。ハードな曲をやっている誰かと一緒にセッションをしてもらうのがいいな、と思っていました。あと、昔、『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO』の夜中の企画でカラオケ大会のような企画でナヲさんが参加されていた際、めちゃめちゃ歌がうまかったことを憶えていたので声をかけてみようと。曲は当日のお楽しみ、ということで。
サニーデイ・サービス SESSION GUEST:GLIM SPANKY
『オハラ☆ブレイク』の楽屋で(松尾)レミちゃんから、小学校の時にお母さんが運転する車のカーステで、よくサニーデイ・サービスを聴いていたという話を教えて頂いて。「自分にはサニーデイ・サービスの音楽が刷り込まれているので、いつか一緒にやりたい」と言っていたので、その後『オハラ☆ブレイク』のサニーデイ・サービスの周年の企画で(2023年/30周年)、GLIM SPANKYにも出てもらったんです。今回のセッションもその流れです。
9mm Parabellum Bullet × BAND-MAID MICHINOKU HEAVY ROCK CARNIVAL SESSION GUEST:大槻ケンヂ(筋肉少女帯/特撮/オケミス)、大山聡一(BRADIO)、真行寺貴秋(BRADIO)
このセッションも僕から提案しました。9mmが東北にツアーで来てくれた時にライブを観ながら「もしかしたらハードなロックの女性バンドとやるのがおもしろいかな」と思ったんです。「タイトルもそれにちなんだものを何か考えてほしい」とお願いされたので「9mm Parabellum Bullet × BAND-MAID MICHINOKU HEAVY ROCK CARNIVAL」という名称にしました。
㊗RCサクセション&忌野清志郎デビュー55周年 BRADIO 15th & ARF 25th Presents ソウルサイドのキヨシロー
SESSION GUEST:奥田民生、田島貴男(Original Love)
RCと清志郎さんの55周年の企画を何かやりたいと思っていた時に、BRADIOが「どんな感じのことでもやるのでぜひ」ってアプローチしてくださいました。BRADIOのソウルな部分と、清志郎さんのソウルな部分をうまくかけ合わせて、ゲストで民生さんと、田島貴男さんに出ていただく。田島さんも清志郎さんのことが大好きなんですよね。ソウルに寄った選曲で構成しようと思っています。
山中さわお SESSION GUEST:フジイケンジ(The Birthday)
チバさんが休んでいたタイミングで、さわお氏がフジケンさんに「一緒にやりましょう」と声をかけて、結局チバさんが亡くなったあとに録って、リリースされたシングルがあるんですね(※「さわおとケンジ」名義で2024年4月3日にCDリリースされた3曲入りシングル『再開モノローグ』)。それがすごくいい曲で。どこかの現場でフジケンさんに再会した時にその感想を伝えたら、すごく嬉しそうだったんでゲストでお誘いしました。さわおさんのソロのツアーは5月からなので、the pillowsの解散後、このARABAKIのステージが初めてのライブになります。
The Birthday(クハラカズユキ、ヒライハルキ、フジイケンジ) SESSION GUEST:北村匠海(DISH//)
去年の『オハラ☆ブレイク』のチバユウスケさんのトリビュート・セッションに北村氏が出てくれて、そのライブでTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの曲とThe Birthdayの曲を1曲ずつ歌っていただいたんですが、 チバさんへのリスペクトを北村くんの全身から感じたような気がしたので声をかけました。きっと素晴らしいステージになると思います。
ARABAKI ROCK FEST.24 Photo by Team SOUND SHOOTER
Original Love × GRAPEVINE
最近、田島貴男さんとGRAPEVINEがかなりはハモってることを双方のマネージメントから聞いていて対その映像を見せてもらったんですけど、相当良かったので「ぜひARABAKIでもやってもらいたい」と。このユニットでデビューしてもらいたいぐらいの完成度です。すごいと思います。
Age Factory SESSION GUEST:サイトウタクヤ(w.o.d.)、ホリエアツシ(ストレイテナー)
Age Factoryの弊社GIPの菅原から「Age Factoryを盛り上げたい」という強い希望があったのでお願いしました。ゲスト含め菅原が内容を考えてバンドと相談しながら進めています。ストレイテナーのはエッジの効いた音楽を演っている人たちの憧れの存在だと思いますし、w.o.d.はAge Factoryの後輩でそのフォロアーだと個人的に思っています。セッションを通じてたくさんの人にその空気を感じて頂けたらと思います。
ARF 25 A GO GO MAN WITH A “15TH” MICHINOKU PEACE MISSION
MAN WITH A MISIONには2010年のデビューから度々出演頂いた大切なバンドで、今では日本を代表するビッグバンドになったMWAMにトリを依頼したのは3年前の仙台でのワンマンの楽屋で、GIPのMWAM担当でバンドと親しい佐々木渉からの提案でもありました。実現に漕ぎ着けてとっても嬉しく思います。トリを依頼するきっかけは2022年にBRAHMANのTOSHI-LOW氏の発起で開催してくださったZepp Hanedaでのチャリティ配信ライブTHINK OF MICHINOKU でした。会場の準備、配信の企画やスタッフ編成、ロゴマークの作成など細やかな準備をTOKYO TANAKA氏のリーダーシップでARABAKI中止からわずか4日で準備してくださったと聞いています。あのときは、本当に皆さんの温かい気持ちが救われました。そのことへの敬意と、MWAMの15周年を祝した今年にトリを託せることはとても感慨深く意義深いこと思います。
ARF 25 A GO GO GLAND SLAM THE BACK HORN KYO-MEI MICHINOKU PEACE SESSION & Special Guests
2014年で大トリのセッションを担当して頂いた際、THE BACK HORNはホスト・バンド的なことが初めての経験でした。またARABAKIもセッションの企画が定着する前の段階だったため、お互いが手探りで、何回もバンドと話し合ってまとめ上げていった記憶があります。その後、THE BACK HORNが2014年にセッションを引き受けてくださったおかげで、レジェンドだけでなく若いバンドからも企画へ志願する方々が現れたように思います。25周年を締めくくる「MICHINOKU PEACE SESSION」を誰に任せるかを考えていた時に、唯一25年皆勤のバンドのTHE BACK HORNに託すことにしました。今年のビジュアルは、RCサクセションの「Baby a Go Go」のオマージュなのですが、裏側には、ちょうど今年のARABAKIが開催される25年前、2001年4月25日にリリースされたTHE BACK HORN のデビュー曲「サニー」の目から紫の涙が出ているジャケットのオマージュを隠しています。デビュー前に出てもらった東北ライブハウスサーキットの秋田の小さなライブハウスで聴いた「サニー」の衝撃をいまでも強烈に覚えていて、その日から僕にとってTHE BACK HORNは特別な存在なんです。いままでのARABAKIでは、セッションはゲストを発表することがほとんどでしたが、今年の企画を練る中で「THE BACK HORNとARABAKIの関係性なら事前発表をしなくてもきっと大きく期待を超えるようなことをするだろう」ってARABAKIのお客さんは思ってくれるんじゃないかなと思いました。それでゲストは一切発表しないことにしました。ぜひ見届けてほしいです。
取材・文=兵庫慎司 写真=ARABAKI ROCK FEST.24 Photo by Team SOUND SHOOTER
※この取材は2月27日に行われました。