ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2019年12月編】

コラム
舞台
2019.12.1

画像を全て表示(3件)


昔から新年早々にクローズする作品が多く、見逃してはならぬとの思いから、かの有名なカウントダウン目当てでは全くなく、年末年始に行かざるを得ないことも多いブロードウェイ。今年度も『トッツィー』『ウェイトレス』『パーシー・ジャクソン』が1月5日まで、『フリースタイル・ラブ・シュプリーム』『オクラホマ』も1月半ばまでとあって、駆け付けたい気持ちはやまやまなのだが、ここは抑えて3月の開幕ラッシュを待つこととしたい。ちなみに、本連載の月刊ペースでの更新は今回までで、次回からは季刊ペース。よって1月の更新時に、3月開幕作品までを一気に紹介する予定なのでご期待いただきたい。

Q.公演情報の収集方法は?

渡航前の情報収集に最もオススメなのは、本連載でも大いに参考にさせていただいているプレイビル・ドットコム(www.playbill.com)。ブロードウェイで観劇すると必ずもらえる無料パンフレットを作っている会社が運営するポータルサイトで、公演ラインナップが非常に見やすいほか、インタビューやコラム記事も充実している。ネタに困った時の対処法なのか、時々マニアックなミュージカル・クイズなんかも。くだらないが、眠れない夜などの暇つぶしにはもってこいなので、ツイッターをフォローし、流れてきたら挑戦してみよう。

ポータルサイトはほかにも数多いが、どれも似たり寄ったりといえば似たり寄ったりなので、別の切り口での情報が欲しい時にはニューヨーク・タイムズ紙のシアターのページ(www.nytimes.com/section/theater)へ。公演の存続に絶大な影響力を持つと言われる劇評が一覧できるほか、新聞らしい社会的な記事も読むことができる。ポータルサイトにしても新聞のサイトにしても、必ずチケットが(時にはディスカウント価格で)購入できるページにリンクが貼られているところに、ブロードウェイの親切さと逞しさを感じたり。

そして渡航後、現地に着いたらぜひ入手したいのが、観光案内所や大型ホテルのロビーに置かれている無料の週刊冊子「CITY GUIDE」だ。幅広いスポットやイベント情報が掲載された総合観光案内誌だが、ブロードウェイ情報もオンからオフまでひと通り網羅されており、全作品の概要と上演時間が明記されている。筆者的には、持ち運びに便利なコンパクトサイズ(プレイビルとほぼ同型)であることと、何より劇場名ではなく作品名から辿れる劇場マップが付いているのが嬉しく、着いたらまず入手して常に持ち歩いている情報源だ。

ミュージカルが表紙になっているものだけ集めてみた

ミュージカルが表紙になっているものだけ集めてみた

【今シーズンの新作】

■12月に始まる作品

『ウエスト・サイド・ストーリー』12月10日プレビュー開始/2月6日開幕
ヴァン・ホーヴェ(演出)とケースマイケル(振付)が名作を大胆にアレンジ。期待大!
https://westsidestorybway.com/

 


■既に上演中の作品

『David Byrne’s American Utopia』
ミュージカルではなく「一生に一度の」「シアトリカルなコンサート」。2月16日まで。
https://americanutopiabroadway.com/

『Freestyle Love Supreme』
『ハミルトン』のクリエイター陣がプロデュースする即興ミュージカル。1月12日まで。
https://freestylelovesupreme.com/

『Jagged Little Pill』12月5日開幕
アラニス・モリセットの同名アルバムをミュージカル化。『ピピン』の演出家の最新作。
https://jaggedlittlepill.com/

『The Lightning Thief』
ファンタジー小説「パーシー・ジャクソン」シリーズが原作。3か月持たず、1月5日まで。
https://www.lightningthiefmusical.com/

『ムーラン・ルージュ!』
バズ・ラーマン監督映画をアレックス・ティンバースが演出する話題作。人気沸騰中!
https://moulinrougemusical.com/

『Tina:ザ・ティナ・ターナー・ミュージカル』
ロンドンでの好評を受けてBW入り。オリヴィエ賞ノミネートの主演女優が続投!
https://tinaonbroadway.com/

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。2019年トニー賞。1月19日まで。
https://oklahomabroadway.com/

『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『Ain’t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

『ビートルジュース』
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。
https://beetlejuicebroadway.com/

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、生レリゴーは最高。来秋から日本でも上演!
https://frozenthemusical.com/

『Hadestown』
『グレコメ』の演出家が現代的に描くギリシャ神話。2019年のトニー賞で8冠を達成。
https://www.hadestown.com/

『ハミルトン』
開幕5年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。話題性ある主役を次々投入し3年半踏ん張るも、ついに1月5日まで。
https://waitressthemusical.com


『トッツィー』
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。誠に残念ながら1月5日まで。急げ!
https://tootsiemusical.com/

プレビュー中は全員に配られたブロマイドは宝物

プレビュー中は全員に配られたブロマイドは宝物

 

【12月のミュージカルイベント】

年末のニューヨークには、タイムズスクエアのカウントダウンという泣く子も黙る世界的大イベントがあるため、何もしなくても観光客は集まる。それゆえかどうか、目ぼしい演劇系イベントもないわけだが、タイムズスクエアといえば劇場街の中心地でもある。観劇をするにも、この大イベントの喧騒に巻き込まれないことは不可能なので、今回は大晦日観劇の注意事項などを紹介しようーーと思ったのだが、今年はどの演目も休演のようだ。

そんなわけで、最終回がただの体験コラムになってしまうのだが、かつて大晦日の夜公演を観劇した時のこと。当日は朝から大量のパリピが場所取りにいそしんでいるため、大混雑な上に、場所取り目的以外の人間は立ち止まることすら許されない。そこにきて、チケットが通常回の倍ほどの値段だったことを鑑み、これはもしかしたら観劇後、カウントダウンを劇場前から見られる場所代込みなのか?と密かに期待したのだが、そんなことはなく終演したらすぐさま追い帰された。もちろん帰り道も、サクサク進むことも立ち止まることも許されず。お金と時間がかかるだけで、面白いことは特に起こらないので、大晦日にはたとえやっている演目があっても観劇はせず、むしろパリピの一員となることをオススメします。

シェア / 保存先を選択