つかこうへい原作舞台『二代目はクリスチャン』 渡辺和徳の脚本・演出で9PROJECTによる上演が決定
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2020年4月8日(水)~12日(日)にかけて、東京・日暮里にあるd-倉庫において、9PROJECT vol.12舞台『二代目はクリスチャン』が上演される。
つかこうへい原作で、井筒和幸監督、志穂美悦子主演により映画化され大ヒットした。1999年、つかの演出で舞台化されたが、同年の東海村JCO臨界事故を受けて「緊急特別バージョン」に変更、つかが初めて原発問題を直接取り上げた作品に生まれ変わった。
今回脚本と演出を手掛ける渡辺和徳が、2007年につかから作品を託され、小説とシナリオ、つかが書きかけていた「北区版」の断片を元に、原作通りのストーリーで初めて舞台化した。今回は2007年上演時と同じく高野愛を主演に、12年の時を経ての再挑戦となる。
本公演で殺陣をつけるのは、ジャパンアクションエンタープライズの西本良治郎。東映、大映作品を中心に、50年以上に渡って、映画・舞台・TV等でアクション監督・殺陣師として活躍されてきた西本が、迫力の切り込みシーンを再現する。
脚本・演出:渡辺和徳コメント
「渡辺、二代目をやってみろ」
「わかりました」「(主演は)誰でやる」「高野でやります」
まだ、つかさんが元気だった2007年、一本の電話がかかってきた。そうして、僕はあの「オーソドックス・バージョン」を作り上げました。当時は大変好評をいただきましたが、僕には大きな後悔がありました。それは「まったく書ききれなかった」ということです。
つかさんから託された、大きな舞台。なんとか形にしたものの、つかさん自身の筆には到底及ばない。その圧倒的な才能の差…とっくに知っていたはずの、つかこうへいの書く台詞の恐ろしいまでの強さと、背中の遠さを思い知らされた経験でした。
あれから12年。逃げるように背を向けてきた作品でしたが、今回、9PROJECTという自由に遊べる場を使って、もう一度この作品に挑戦することにしました。主演は、2007年と同じく高野愛。今、新たに作り上げる「オーソドックス・バージョン」です。
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「どうしてこんなに好きになってしまったんでしょうね。でも私は、父を殺したあなたを愛したことを誇りに思いたいのです。主からも『いい恋をしたね』と祝福してもらいたいのです」
組と自分を守るために死んでいった子分たちのため、今日子はついに刀を抜く…。