「僕の復活を待っていてくれた人、ありがとうございます」柳浩太郎が舞台復帰 主演舞台『夜明け〜spirit〜』が開幕
柳浩太郎
ミュージカル『テニスの王子様』の初代越前リョーマを務めるなど、2000年代前半の2.5次元ミュージカル黎明期の立役者の一人、柳浩太郎。柳は、2003年に交通事故で脳に損傷を受けて、高次脳機能障害を抱え、2014年に活動を休止。休止活動中も俳優活動への意欲を持ち続け、トレーニングを重ねた柳が、2020年2月19日(水)に開幕した舞台『夜明け〜spirit〜』に出演している。
開幕を前に行われたゲネプロ(※総通し舞台稽古)の様子と、出演者らのコメントを紹介したい。
19日の1日ゲスト八神蓮(左)/舞台『夜明け〜spirit〜』のゲネプロの様子
本作『夜明け〜spirit〜』は、柳の身に実際に起こったことがモチーフになっている。事故後も柳と交流を続けた当時の『テニミュ』舞台プロデューサー・片岡義朗がプロットを書き、2.5次元舞台を含め様々なジャンルの舞台やラジオドラマ等の脚本を手掛けている脚本・演出家 畑雅文がフィクション化したものだ。
舞台『夜明け〜spirit〜』のゲネプロの様子
キャスト・スタッフには、『テニミュ』をキーワードにつながる面々が集結。越前リョーマVS日吉若の名試合を繰り広げた河合龍之介(本作では医師役)、初代青学メンバーで現在公演中の「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学vs立海 後編」では越前南次郎役として出演する現役テニミュキャストでもある森山栄治(本作ではプロデューサー役)、振付には、『テニミュ』演出家で、『ダンス オブ ヴァンパイア』をはじめとする東宝ミュージカルや宝塚作品での振り付けも多い上島雪夫が参加している。
舞台『夜明け〜spirit〜』のゲネプロの様子
本作の主人公の「柳瀬」は「バドミントンの王様」に出演していた俳優という設定。交通事故のため、障害を負う。舞台復帰に向けてリハビリを重ねる様子や、入院生活の中で起こるさまざまな「葛藤」や「戸惑い」、「希望」と「絶望」を描く。あくまでフィクションなのだが、柳のこれまでを思うと、真実味がある部分が多く、心を動かされるし、『テニミュ』の往年のファンにとっては嬉しい小ネタも多く織り込まれている。ぜひ柳の「復帰」を見届けてほしい。
舞台『夜明け〜spirit〜』のゲネプロの様子
最後に、出演者らのコメントを紹介したい。
柳浩太郎
復帰して初めての舞台でも緊張感はなく、心配なことの方が多かったです。 それは、共演者に出来るだけ迷惑をかけないでいられるかです。僕にいろんなハンデがあることはみんな分かってくれていますが、これはプロの仕事場として、僕がついていかなければいけないはずなのに、周りのみんなが僕を支えてくれるような稽古場になっていたので、すごく助けられて稽古していた感じがします。
それで稽古の最終日には、芝居もほとんど固まっていて、ワクワク感が出てきたりしたんです。これは舞台に出る不安感より、楽しみである気持ちが強くなっていったということ。でも、みんなが僕のことを気にしてくれたりミスを結構我慢してくれたり、僕のことをみんながどう思うかが何と無く分かっていたので、少し複雑でした。けど周りのキャスト陣と一緒に楽しく舞台が出来ること、そして、それを皆さんに見せられることが何よりも喜びです。僕の復活を待っていてくれた人、ありがとうございます。
舞台『夜明け〜spirit〜』のゲネプロの様子
森山栄治
遂に開幕しました!去年お話をいただき、柳浩太郎の舞台復活には絶対関わりたいと思っていたので二つ返事でお受けしました。柳浩太郎は事故の前に戻ってはいません。ですが事故の前にはなかった新しいものを発見する事が出来ました! 失敗しても挫けず常に明るく笑っている柳浩太郎は 復活という言葉ではなく心機一転といいますか、 説明が下手で申し訳ないのですが何か新たな始まりの様な気がします。
ゲネプロには沢山の関係者の方が来てくれました! まるで同窓会でした^_^ コレも彼の人を引き寄せる力だと思いました。 柳浩太郎が交通事故にあってからの人生を彼自身がコミカルに作り上げるフィクション!!! 楽しみにしていて下さい。
舞台『夜明け〜spirit〜』のゲネプロの様子
畑雅文(作・演出)
柳浩太郎という人は誤魔化しが通用しません。色んな人が嘘でやりくりしてる部分に対して「は?それおかしくね?」とか「めんどくせーよ」と正直にケンカを売る姿が面白いです。僕が好きな脚本家のお一人である遊川和彦さんが描くドラマに登場するかもしない、コンプラぶち壊しヒーローみたいな印象があります。演劇という虚構と、柳浩太郎という本音爆発男が混ざり、よりLIVE感あふれる舞台が生まれました。どうぞお楽しみ下さい。
舞台『夜明け〜spirit〜』のゲネプロの様子
公演は24日(月・祝)まで。日替わりの出演ゲストやアフタートークもあるので、ぜひお見逃しなく!
取材・文・撮影=五月女菜穂
公演情報
2/19(水)19:00【八神蓮】
2/20(木)19:00【鎌苅健太】
2/21(金)19:00【森川次朗】
2/22(土)14:00【篠田光亮】【寿里】/18:00【YOH】
2/23(日)14:00【KIMERU】/18:00【KIMERU】
2/24(月・祝)13:00【南圭介】/17:00【南圭介】
アシスタントプロデューサー:大石薫夏
配信情報
■13:00 開演回(有料)
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324300569
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324300684
ニコニコチャンネル「コントラチャンネル」にて、舞台中継をいたします。PCやアプリなどで視聴いただけます。ネット価格は2500円(税込)です。タイムシフト視聴(終演後に観ること)は2020年03月02日 23:59:59まで可能です。
詳しくはネット購入ページをご確認ください。