演劇×サスペンス×ライブ配信、オンライン版『泊まれる演劇』が開催決定 オンライン・イマーシブの実験作
『泊まれる演劇 in your room(仮)』
2020年6月に初演を迎える予定だった演劇×ホテルのイマ―シブ(没入型)シアター『泊まれる演劇』が、オンライン・イマ―シブコンテンツ『泊まれる演劇 in your room(仮)』として開催されることが決定した。
『泊まれる演劇MIDNIGTH MOTEL』は、京都にあるHOTEL SHE, KYOTOを舞台とし、宿泊客=観客自身が物語の一役となり、真夜中のホテルを彷徨い歩くイマ―シブシアター。6月に開演予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえ延期を発表していた。
今回開催が決定したのは、この『泊まれる演劇MIDNIGTH MOTEL』をオンライン上で行うもの。自宅のパソコンまたはスマートフォンに舞台を移し、登場人物との会話や手紙などのやりとりを交えながら、物語が生まれるオンライン・イマーシブコンテンツだという。Youtube(予定)のライブ配信サービスを使い、ホテル客室からのネット配信や、フロアに仕掛けられた監視カメラの映像を組み合わせながら物語は展開。ライブ配信がおこなわれるそれぞれの客室では、キャストが参加ユーザーに話しかけてきたり、質問を投げかけてきたりする。キャストはリアルタイムで建物内を移動し、ユーザーも鑑賞する動画の画面を変更することで、まるでホテルの中を歩くように、自由に視点を変えながら楽しむことができるという。また、“オンライン没入型サスペンス”となっており、登場人物との会話や、ご自宅に届く謎の手紙を手掛かりにして、物語の真相に近づいていくという。
脚本・演出は、本編「MIDNIGHT MOTEL」の脚本を担当するSCRAP所属のきださおりと、劇団『渋谷ニコルソンズ』主宰で2020年に長編初監督作「ロックンロール・ストリップ」の公開を控えるミステリー作家の木下半太が共同で担当。
きださおり
木下半太
今回のオンライン版開催発表にあたり主催者は、コロナウイルス感染拡大による延期に照らし「私たちはこの状況をただ悲観するのではなく、直近の新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて、振替公演を迎えるその日までオンラインに主軸を移し、新しいエンターテイメントの形を模索していきます」としている。
なお、稽古はキャストの自宅などでリモートで実施し、本番および最終リハーサルのみHOTEL SHE, KYOTOでおこなう予定だが、今後の状況によっては本番公演も同様にキャスト自宅からの配信となる場合もあるとしている。また、出演・制作スタッフへの経済的還元のため有料制での公開を予定。本編『泊まれる演劇MIDNIGTH MOTEL』については、変わらず時期をずらしての上演を予定しており、今回のオンライン版は「スピンオフ企画のように楽しんでほしい」としている。詳細の公演時期、情報などは今後発表される。
SPICEでは過去に『泊まれる演劇 MIDNIGTH MOTEL』のプロデューサーインタビューを行っているので、本取り組みそのものを知りたい人はぜひ関連記事よりチェックしてほしい。