シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第七十八沼 『恒例、庭キャンプ!そしてネコ沼!』

2020.9.2
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「welcome to THE沼!」

沼。

皆さんはこの言葉にどのようなイメージをお持ちだろうか?

私の中の沼といえば、足を取られたら、底なしの泥の深みへゆっくりとゆっくりと引きずり込まれ、抵抗すればするほど強く深くなすすべもなく、息をしたまま意識を抹消されるという恐怖のイメージだ。

一方、ある物事に心奪われ、取り憑かれたようにはまり込み、その世界にどっぷりと溺れること

という言葉で比喩される。

底なしの「収集」が愛と快感というある種の麻痺を伴い増幅する。

これは病か苦行か、あるいは究極の癒しなのか。

毒のスパイスをたっぷり含んだあらゆる世界の「沼」をご紹介しよう。

シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第七十八沼 『恒例、庭キャンプ!そしてネコ沼!』

三年前に、東京の自由が丘から千葉県にある実家に引っ越した我々の目的は、老朽化した実家の建て直しと、高齢になる一人暮らしの母親との同居であった。

また、歳をとるごとに自然への憧れも強くなっていた事もある。

車をちょっと走らせれば、「原子母子/ピンクフロイド」の世界が待っている。

そして、まだ小さな2人の子も東京での待機児童問題の中、ギリギリ園に入る事ができていたが(世田谷は日本ワースト1)、千葉ならもっと余裕だろうという事で迷わずマンションを売っ払って里帰りした。。。。

が、なんと私の実家である千葉県船橋市は、全国で2位の待機児童問題を抱えていたのだ!!!!

少子化が騒がれる中、どうしてこんな現象が起こるのだろうか?

私が小学生の時は、全校生徒合わせて1200人も居た。

さらに、クラスも十数クラスあった。

しかし、ウチの長男の学年は3クラスしかないという。

いったいどういう事だ?

子供が減っているのに、受け入れる教育機関が少ないとは。

まあ、それでもなんとか2人のチビたちを幼稚園に入れる事ができ、園には本当に感謝している。

我々が引っ越したのは大晦日の日。

妻であるgalcid lenaは海外ツアーの真っ只中で居なかったw

正月三が日も明け、妻も帰国するとだんだん退屈になってきた。

そこで、千葉といえば大型ショッピングモールの宝庫! いろいろ見て回る事にした。

そこで目に入ってしまったのがアウトドアー専門店だった。

以前からキャンプはやっていたのだが、テントはもうかなりガタが来ていて新調するタイミングだったわけだ。

キャンプグッズはお洒落なものが多いので、見ているだけで幸せになる。

気がつけば、小川張り(タープをテントの上に張り、巨大なスペースを使う)用のテントと焚き火台、ハスクバーナーの斧、鉄製のペグとペグハンマーを始め、大量のキャンプグッズを購入していた。

しかし、小川張りはキャンプ場で行うと、あまりのスペースを食うため、他のお客さんにひんしゅくをかうのが常だ。

そこで、「一度自宅の庭で試して見よう」という事になり、何気なく設営してみた。

最初は2〜3日で撤収する予定だったが、1週間、1ヶ月、半年と、しまいには200日にもわたる庭キャンプを行うことになってしまった。

これには2つ理由がある。

まず一つは「設営、撤収、移動」の手間が省ける。

さらに無料だ!!

もう一つは、キャンプサイトに行った場合、チェックアウトの時間が決まっているので、かなり計画性を立てて行わないと時間をオーバーし、次のお客さんに迷惑をかけてしまう。

また、ダッチオーブンの洗浄はゴシゴシ洗ってしまうと鉄なので大変な事になる。

そのため焼き切り、オリーブオイルで後仕上げまで行わなければならない。これだけでも1時間以上かかる。

さらに、子供はテントの設営撤収を全く手伝ってくれない!w 

そのため親がやるしかない!!!

汗だくになりながら、時間との戦いを余儀なくされるわけだ。そして渋滞に巻き込まれながら帰宅する、、、。

いくらキャンプが「不便を味わう贅沢」だとしても、ストレスでしかない事に気がついてしまったのだ。

 

その点、自宅でのキャンプは最高だ。まるで秘密基地か別荘を玄関から出て徒歩1秒のところに構えるようなものだ。

気がつけば、仕事とお風呂とトイレは自宅家屋で、そして生活の拠点がテントという逆転をしていた。

若い頃、あれほど嫌だった庭の緑たちも、いまや無くてはならない存在に。

夏の暑い時に、たまにふく風が異常に心地よい。

近所の農園から薪をいただいて、トライポッドに吊るしたLodgeのダッチオーブンを焚き火台で炙る。

外で食べるとカップ麺でさえ超絶なごちそうになるけれど、鉄鍋で作る料理は格別だ。

みんなはよく心配する。「煙とかご近所めいわくじゃないの?」と。

実は、私の住む住宅街のほとんどの人たちは老人ばかりだ。そこへ東京から帰ってきた私たちはご近所や自治会からも大歓迎されている。

なにしろ50を過ぎた私を、ご近所の方達は「ひーちゃん」と呼んでいるほどだ。

昔は焚き火など、庭先で当たり前にやっていた。

火の粉が出ない素材とスペース、そして消化器さえ用意しておけば安全だ。

もちろん、洗濯日和の日はやらない。

だから、ご近所からは年中差し入れが届き、隣の家からは大葉を勝手にとって良いと言われ、私たちの友人が来ても、空いている敷地に車を自由に止めさせてくれる。

 

この関係性はとても重要で、たとえば向かいのおばさんが突然やってきて

「ひーちゃん!電気がつかないからたすけて!」

とか、

斜向かいのおじさんのところが

「ガス臭い!ひーちゃんたすけて!」

とか、

「トイレが詰まった!ひーちゃん助けて」

といった具合に、ひーちゃん祭りになっているのだ。

持ちつ持たれつ。

若者がほとんど住んでいない住宅街だからこそ成り立つ「庭キャンプ」なのである。

私たちは自警団の役割もしている。

もちろん「ひまわり110番」は当たり前で、私たちが庭に住んでいるという事で、犯罪の抑止力になっているとご近所からの声をいただく。

寝る時、斧はしまっておくw

 
そして気づけば何故か毎年テレビメディアやキャンプ雑誌から庭キャンプの取材申込が来るのだ。
 
火付け役になったのが、私の盟友である元オールアバウトジャパンの編集長、そして現在はキャンプコンテンツを中心に扱う会社を立ち上げたマッツンだ。
 
私たちの庭キャンプはとても楽ちんだ。

暑ければ速攻で家に逃げるし、寒い時はテントを畳む。

ミュージシャン一家のため、毎日の通勤が無いから、気分をリフレッシュできないので、庭に張るテントは生活の場であると共に、気持ちを転換する無くてはならない憩いの場になっている。

なかでも春と秋は特に快適で、テントから一歩も出たく無くなる。

あまりにも居心地が良いのだ。

庭に茂ったグリーンは毎日のように顔を変える。

植物の動きは目に見えないが、1日たてばその様相を変える。

ある日、テントの裏から小鳥のような声が聞こえたので覗いてみた。

するとそこには4匹の赤ちゃんネコが生まれていた。

ネコたちにとっても、安心できる居心地なのだろう。

 
私も安心した。。。。。のもつかの間!
今度は裏庭に7匹の赤ちゃんネコ発見!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 
もう手に負えない。なにしろ、今年に入りウチの敷地で生まれたネコちゃん達は合計15匹目なのだ!
 
しかし、持つべきものはママ友!
早速妻が幼稚園のママ友LINEでよびかけたところ、私も!私も!とみんな引き取ると言ってくださったのだ。
 
動物病院の看護師さんなども居て、私たちとしても安心の極みだ。
 
ありがとう!ママたち。
そして、さすがに7匹も、、、というわけで、ウチでも3匹の子猫を飼う事に決めた。
きっと今から計算すると、私より長生きするだろう。
 
私も妻も極度のネコアレルギーだが、そんなの関係ねえ、そんなの関係ねえ。
目を擦り、くしゃみを連発しながら子猫達に癒されているのであった。
 
追伸:

そんでもって、私には次なる夢がある。それは「ブッシュクラフト」だ。

ナイフだけを持って森に入り、全ての材料をその場で調達する本物のサバイバルだ。

これには、さすがに家族の大反対を受けている。。。が。

私はやるよ。ソロで。

っていうか、早く家を建て替えろっつう話なんだけどね。

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