齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第九十九沼 『危険!煽り運転沼!』
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底なしの「収集」が愛と快感というある種の麻痺を伴い増幅する。
これは病か苦行か、あるいは究極の癒しなのか。
毒のスパイスをたっぷり含んだあらゆる世界の「沼」をご紹介しよう。
齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第九十九沼 『危険!煽り運転沼!』
近年、「煽り運転」の危険性が大きく問題視されている。
事故は百害あって一利なし。加害者も被害者も何の得があるわけでも無く、命と時間とお金の損失、そして心の憔悴しか残らないとわかっていながら、何故に自ら危険行為を犯してしまうのか。
そして「煽り運転」と同様、これもまた問題なのが「超ノロノロ運転」だ。
悪意をもって制限速度40キロ程度の片側一車線の追い越し禁止道路を10キロ未満のゆっくりスピードで、時には止まりながら走り後続車両に迷惑をかける。
これはハッキリ言えば全てドライバーの心の闇の問題だ。
今回の沼では、この危険極まりない「煽り運転」と「超ノロノロ運転」をヤラかすドライバーの心理を分析してみようと思う。
冒頭でも触れたが、これらの危険運転行為は正確に言うと「近年」始まった事では無い。
自動車が誕生し、走行性能の中でも「スピード」という機能の急速な開発が進むにつれ横行してきた。
そして最近は、煽りに「暴力」というものがプラスされ、初めてマスコミが取り上げたに過ぎない。
またドライブレコーダーやスマートフォンの動画録画機能の存在も大きい。これらの危険行為が如実に記録される事により証拠としてあかるみに出るのだ。
しかしながら、よく「ドライブレコーダー搭載」というステッカーを貼った車が走っているが、これは主観だが、あまり効果があるようには思えない。
例えば釣り好きの私は「釣り禁止」という立て看板より「毒蛇注意!」と書かれた看板の方が怖い。
提案だが、「煽り運転即逮捕!」とか「煽り運転、一発免許取消し!」とか「煽り運転で 一夜にして有名人!」みたいな文言の方が効くのではないんちゃいます?
煽り運転をするドライバーの心境を考えてみた。
前提として申し上げておくと、私はスピードが大嫌いなのだ。子供の頃からチャリンコや原付バイクに乗る時もスピードが怖すぎて悪夢を見るほどだった。(故に、飛行機と新幹線も同様に大嫌いだ)
理由は簡単。子供の頃、猛スピードのバイクに轢かれ吹っ飛んでひき逃げされたのと、大好きだった女の子がトラックに轢かれたトラウマが今も消えない。
煽り運転をする運転手は、何かのきっかけがあって前方の車にベッタリと付け、進路を譲るように脅す。時にはパッシングライトを使ったりクラクションを鳴らしたりしながら。
運転席のガラスを開けてエアガンで打ってきた野郎もいた。笑えない。
それぞれにさまざまな原因が考えられるが、自分がもしも煽り運転をしていまうとしたら、まずは「UNKO」事情だろう。
片側一車線で追い越し禁止の道路でUNKOが漏れそうになったら....................。
いやいや、無いな。
「早く!早く進んでくれ!」とは思うが、おそらく無念にも漏らしてしまうだろう。
こののぼり旗を発見したと同時に「神!」と思うが、その気の緩みでたまに漏らす。
マスコミが大々的にとりあげた一連の煽り運転映像や犯人を見ると、「強い怒り」を感じることができる。
おそらくUNKOが漏れそうだからではなさそうだ。何故ならあんなブレーキをこまめに踏みながら前の車にギリギリに付けているのだから相当な振動が発生し、KOUMONは決壊するであろう。自分も命懸けだって事だ。
彼らがよく言うのが「ムカついたから」。
これには、確固たるエビデンスを持って私は発言できる。
何故なら、私自身、10年以上前に煽り運転の被害者になったのだ。
私は信号で右折しようと前方を中心に周囲を確認。100メートル以上先に対向車がこちらに向かってゆっくり走っていた。
安全を確認し右折し、しばらくすると先ほどの対向車も私が右折した道に入ってきた。
その道は、「学童多し」という看板と「徐行」と路面に印字されていたので、私はルール通りに常識的なスピードで徐行をしていた。
すると先ほどの車が猛スピードで走ってきて、私の車の後ろにベタ付けしてきてクラクションを鳴らしている。
バックミラーを見て確認すると、運転手は女性。助手席には小さい女の子が乗っていた。
「なんだなんだ?」とわけがわからずビックリしたが、きっとUNKOだろうと思った私は窓ガラスを開け腕を出し、「どうぞどうぞお先に」と促したが、その女性ドライバーは抜かすどころか私の車に接触する勢いで(おそらく数十センチ)ベタ付けにし、何を思ったのかその状態でアクセルを踏み込んだらしく急加速!そして
ドカーーーーーーーーン!!!!!!!!
と私の車のオケツに大激突した。というか、車の下に刺さり込んで来た。
私は車を止めハザードをつけ、車をおりて彼女の乗る車と私の車の衝突箇所を確認した。
私はJEEP CHEROKEEというアメリカ製の強靭な車。彼女の車は国産の普通車。
すんげー強かったJEEP CHEROKEE
なんと、私の車はバンパーとフレームに少し傷が入った程度だったが、彼女の車は、私の車の強靭なフレームに急加速で突っ込んだためエンジンがむき出しの状態で大破。車が1/3程にペチャンコになっている。
私は運転席の彼女にかけよると、彼女は泣いていた。
「ごめんなさい!ごめんなさい!本当にごめんなさい!旦那に怒られる!どうしよう!」
と泣き叫んでいた。
私は「お姉さんさあ、子供を助手席に乗せて、あの危険運転は酷すぎると思うよ?で、怪我してない?」
そういうと、彼女はさらに泣き出した。
しょうがないので、私は
「もう大丈夫だから、警察に電話しよう」
と言って110番に電話をし、警察を待つ間に彼女が何故あんな危険なあおり運転をしたのか聞いてみた。
すると、100メートル先に真っ赤な対向車(私の車)が見えて、私より先に自分が行こうとした道に入っていったのでイラっとしたという。(何故?どうして?意味不明。)
そして追いかけて私の後ろ姿を見たとたん、「女のくせにJEEPなんかに乗って私より先に道に入っていってムカついた」という。私はロン毛だから後ろからみたらそりゃ女の人に見える。
でも、100メートル以上離れているわけだし、安全だよね?しかも女のくせにって、君は女だよね?
みたいな話ししてたら「本当にごめんなさい!どうかしていました」と泣きじゃくっている。
まさか、自分の車があんな無惨に大破するとは思わなかったんだろう。
警察も到着するなり「こりゃひどい」と言っていた。
もちろん、10:0で先方の保険会社に全て責任をとってもらったのだが、もしこれが現代なら、すぐさま彼女はマスコミにとりかこまれ、逮捕だ。殺人未遂なんだから。
「ハンドルを握ると人格変わる」という言葉があるくらい。あまりにも不条理な理由ですぐにキレる人がいる。
そんな人には免許を与えるべきでは無い。車は使い方によっては殺人兵器になるのだから。
そして次は「迷惑ノロノロ運転」。先日TVのニュースを見ていたら、たまたまこの「迷惑ノロノロ運転」の映像が流れていた。この「迷惑ノロノロ運転」ドライバーにTV局が直撃インタビューをしたというのだ。
一本道でいきなりほぼ停車に近いくらいのスピード(こどもの三輪車程度の速さ)で走り、後続車に嫌がらせをしている映像だ。
このノロノロおぢさんは、地元では長年こういった行為を繰り返しており有名で、警察もお手上げの迷惑ドライバーである。
やっと2車線で追い越そうと後続車が右車線に出ようとすると、激しいクラクションとともに幅寄せ!これじゃあ、事故る。
そのおぢさんにテレビ局が理由を聞いたところ、驚くべき回答が!
「煽られたからやった。クラクションは注意したという意味だ」
と、悪びれる様子もなく答えた。
呆れて物も言えない。
現代人は、目に見えぬさまざまなストレスを抱えて暮らしている。
真面目で普段抑制している人ほど、お酒を飲んだ時にブっ壊れ、本音が出たり暴れたりする。
車の中は密室。
よく車で爆声で歌っている人がいる。口の動きでわかる。良いストレス解消方法だよ。
煽り運転現象は、現代社会が作り上げた病でもある。
ストレス過多な社会環境のうえに、その捌け口が少なすぎる。
セカセカ働かないと、まともな生活が出来ないほどになってしまったんだよ。
そりゃ、みんな急いでいるよ。時計と睨めっこしながら約束の時間に到着しなきゃいけないんだから。
私はそんな時、1〜2時間は余裕を見て出発するようにしているよ。
今も違うJEEPに乗っているけれど、高速道路でも一般道でも軽自動車にバンバン抜かされるよ。
時速70km以上出すと、車内会話不能のJEEPラングラー。鼻先のバーはカンガルー避け
でも、ぜんぜんムカつかないだなこれが。
なぜなら、スピードが怖いっていうのもあるけど、車の屋根が幌だから、70キロ以上出すと、助手席の人と会話にならないほど車が騒がしいw
定速通りに走るっつうのもいいもんだよ。なにより安全だし、心の余裕に浸れるよ。
良い音楽を聴いてさ。
ちなみに当然の事だけど、私はゴールド免許だぜ。良いだろ?羨ましいだろ?ガハハハハハ!
「馬力」ってくらいだから、車は現代の馬なんだろうね。「ウチは馬を何頭持っている」というステイタスがあったのも事実だし、カッコよくて速い車は未来的で否定はしないよ。
でもさ、アウトバーンじゃないんだから、日本なんだから、200キロ以上の速度とか出る車なんて要らないじゃんね?w
まあいいや、趣味は人それぞれだけど、事故には要注意ね!約束だよ!
追伸:今最も欲しい車。農業用の軽トラック(屋根切ってるヤツ)