chelmico、アルバムリリースを記念して“2次元と3次元を行き来する”ハイパーバーチャルライブを配信
chelmico
『ミュージックステーション』への出演など、大きな注目を集める二人組ラップユニット・chelmicoが、メジャーでは3枚目のフルアルバムとなる『maze』(読み:まぜ)のリリースを記念した配信ライブ『chelmicoが2次元と3次元を行き来する#ごちゃmazeハイパーバーチャルライブ』を、発売日である8月26日に行った。当日の模様をオフィシャルレポートでお届けする。
今回の配信は、chelmico「Easy Breezy」「Disco (Bad dance doesn't matter)」のミュージックビデオを監督し、きゃりーぱみゅぱみゅなどの作品も手掛ける映像ディレクターの田向潤氏と、カメラなどの精密機器のトップメーカー:キヤノン(株)、そしてchelmicoの3者がコラボしての、ライブ映像生配信プロジェクトとして制作。「chelmicoが2次元と3次元を行き来する」をテーマに、キヤノン(株)が手掛ける映像スタジオ「ボリュメトリック ビデオスタジオ - 川崎」を撮影現場として使用し、映像上には田向潤氏がCGで制作した仮想のライブ空間を出現させ、そこでchelmicoがライブを展開するという方式で放送は行われた。
chelmico
ライブは19時30分より「LINE LIVE」「YouTube LIVE」の2つのサイトで配信開始。chelmicoのバックDJを務めるTOSHIKI HAYASHI(%C)のDJからスタートし、%Cのプレイするchelmicoの楽曲によって、徐々にその熱気と期待感が高まっていくのが、ハッシュタグ「#ごちゃmaze」に寄せられる視聴者のコメントからも伺えた。
そして、楽屋からグリーンバックのスタジオに向かうchelmicoの姿が映し出され、二人がスタジオでマイクを持ち、Rachelが「Easy Breezy!」と叫ぶと、緑一色だったスタジオの背景が一気に360度、田向潤氏の手掛けるCGに早変わり。chelmicoの二人が「Easy Breezy」をパフォーマンスするなか、背景やカメラアングルがリアルタイムで縦横無尽に変化し、このイベントのタイトル通り、2次元と3次元がクロスオーバーしていく。
chelmico
「MC Rachelだよ」「MC Mamikoだよ」「chelmicoだよ」というMCタイムに入ると、背景は「maze」のジャケットに変わり、二人もその変化に大きな驚きを見せる。そして続く「Terminal 着、即 Dance」では、背景に飛行機と滑走路が映し出され、超高高度/超遠景から二人への急接近や、天地を逆転させ、地面からも二人を写すカメラワークなど、360度に設置された100台超の専用4Kカメラと、映像データのリアルタイム高速処理技術によって、 物理空間ではなし得なかったカメラワークと構成を駆使した映像とライブが展開していった。
トークコーナーでは「ボリュメトリック ビデオスタジオ - 川崎」のスタッフから、このスタジオの概要や長所などのレクチャーを受けるchelmico。このスタジオでのライブの生配信は初めてであることや、このスタジオの可能性などを、chelmicoの二人がインタビュー形式で魅力と技術を探った。
chelmico
続く「Disco (Bad dance doesn’t matter)」では、床面がレコードのデザインになり、この映像エフェクトにはchelmicoの二人も「かわいい!」と大絶賛。そしてRachelとMamikoの二人もカメラを操作し、ジャンプした姿にリアルタイムでエフェクトをかけたり、カメラアングルの変更など、スタジオの技術を自分たちでも楽しんだchelmico。
ラストとなる「Premium・夏mansion」は、CGによって作られた仮想空間のマンションの屋上で二人がライブをするという構成。夏を感じさせるアッパーなビートに乗せて、二人もアグレッシヴなラップとパフォーマンスを見せる曲だが、このスタジオの60fps同期撮影によって、映像やエフェクトにもたつきは無く、この曲の持つアクティヴな魅力が映像にも落とし込まれた。
chelmico
ライブ終了後には「この形の配信ライブはスゴく面白い!」「新しい可能性を感じたね。ホントに楽しかった」と、田向潤氏と「ボリュメトリック ビデオスタジオ - 川崎」に感謝を述べた二人。先端技術とchelmicoがタッグを組んだ最新型のライブは、こうして幕を閉じた。
文=高木"JET"晋一郎