下野竜也、広島交響楽団の次期音楽総監督に就任へ
交響楽団とウィンドオーケストラを率いる「広島の顔」へ
「2017年から下野竜也が広島交響楽団の次期音楽総監督に就任する」と、中国新聞が報じた。下野は2011年から広島ウインドオーケストラの音楽監督も務めており、広島交響楽団に就任した暁には、街の音楽活動全体に関わるドイツのカペルマイスターばりに「広島のマエストロ」として活躍することになるだろう。
下野竜也は現在、読売日本交響楽団、そして京都市交響楽団でも首席客演指揮者としても活躍している。また、彼は黛敏郎のオペラ「金閣寺」の上演を成功に導いたばかりだが、これまでにも数多くの新作や知られざる作品の演奏、上演で成功を収めて高い評価を得ている。どんな難曲でも振れる広いレパートリーを持つ彼は、その器用さ故かこれまで客演で多くの仕事を為してきた印象がある。一つのオーケストラに腰を据えて活動する中で下野がどのような成長を遂げてくれることか、そしてウィンドオーケストラも含めた広島での活動がどう展開することか、大いに期待されるところだ。下野は12月12日に開催される広島ウインドオーケストラ定期演奏会に登場するので、その際にはまた正式な発表が行われることだろう。
なお、現監督の秋山和慶は来年度で退任、終身名誉指揮者として今後も同団との関係を継続するという。広響の秋山時代の集大成となる次期シーズンにも注目である。
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同日、広島交響楽団からはもうひとつの大きいお知らせがあった。この夏の「平和の夕べ」コンサートで共演したマルタ・アルゲリッチが広響「平和音楽大使」に就任するという。称号を授与した際の模様は広島交響楽団のYouTubeチャンネルで昨日より配信されている。
また、「平和の夕べ」コンサートの東京公演はNHK Eテレで全国に放送されたのは記憶に新しいところだが、広響チャンネルでは8月5日の広島公演の前半が配信されている。広響の、そしてアルゲリッチのファンの皆様は併せてこちらもチェックしては如何だろう。