齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第八十五沼 『メガネメガネ!神隠しソリューション沼!』

2020.12.21
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「welcome to THE沼!」

沼。

皆さんはこの言葉にどのようなイメージをお持ちだろうか?

私の中の沼といえば、足を取られたら、底なしの泥の深みへゆっくりとゆっくりと引きずり込まれ、抵抗すればするほど強く深くなすすべもなく、息をしたまま意識を抹消されるという恐怖のイメージだ。

一方、ある物事に心奪われ、取り憑かれたようにはまり込み、その世界にどっぷりと溺れること

という言葉で比喩される。

底なしの「収集」が愛と快感というある種の麻痺を伴い増幅する。

これは病か苦行か、あるいは究極の癒しなのか。

毒のスパイスをたっぷり含んだあらゆる世界の「沼」をご紹介しよう

 

齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第八十五沼 『メガネメガネ!神隠しソリューション沼!』

 

メガネを頭にかけたまま、必死にメガネを探す光景をよく目にする。

というか、毎日のように私はやらかしている。

その筋の専門家によれば、「置くところを決めておけばよい」だそうだが、それが出来ないから毎日毎日メガネを探しているんだ。

今まで失くしたメガネは数知れず。

苛立ちを通り越し、さらには落ち込みまでをも超越し、現在は「また始まった」と苦笑では無く爆笑に進化したほどである。

厄介な事に、メガネを探す時は、裸眼なので視力が低減していて更に見つかりにくい。

最近では「失くす場所」がいくつか限定されている事に気づき、以前よりはいくらか見つかる速度が短縮されたように思う。

だいたいここに置いているのだ。こうなったらもうアマゾンかどこかのジャングルの中で、一円玉を拾うくらい見つけにくい↓

どこにメガネがあるかわかるかな?

そして、「ポケット」

これは私にとってデフォルトで「四次元ポケット」と言っても過言では無い。

出かける時にタバコとライターを右のポケットに入れていたはずが、気がつくとタバコは左のポケット、ライターはオケツのポケットに入っている。

そして、最後には必ずライターを紛失している。

そのため、失くした度に買うので、一時期は100個くらいライターが集まっていた。危ない。

 

そして、ついに先日、恒例の「財布神隠し」にあった。

「財布は失くすもの」という認識で、以前は財布を廃止し、現生、カードなどをケツポケットに裸でいれていた。

しかしお金を出す際に、ゴソっといろいろ地面に落としている事に気がついた。

いや気がついていなかったというべきか。

そこで、高価な財布を使えば常に気にして落とす事も無いだろうとCOMME des GARÇONSの自分に似つかわしく無い金色の財布を持つ事になった。

実際に効果はあった。失くす頻度が1/10程度に減り、必ず出てくるのだ。

これで財布紛失沼から脱出したと思っていたさなか、先日とうとうやらかした。

釣りに行く時、私は必ず毎回落水するので、貴重品や濡らしたくない物は車の鍵付きグローブボックスに収納してから行う。

その日も確実にグローブボックスに財布を入れ鍵を閉めた。

車掌さんがやるように「財布収納完了!」と声にまで出して確認した。

釣りが終わり帰宅し、買い物に出ようと思い財布を探すと無い..........。

「あ、そうだ!車のグローブボックスに入れていたんだ」

と車に取りに行った。

そしてグローブボックスの鍵を開け中を見ると、車検書一式しか入っていない!

「かっ、神隠しだ!」

思わず叫んでしまった。

だって、声を出して指差し確認までしたのに何故だ!!!!!!!!

速攻で交番に連絡しようとしたら、今度は電話が無い!(いつもの事だ)

妻の携帯から鳴らしてもらったらポケットに入っていた.........。

そして交番に電話したら

「それでは紛失届けを書いてもらうので、交番まできてください」

という。

いや、ちょっとまてよ?絶対にグローブボックスにいれたよな。

無意識のうちにグローブボックスから出して、家のどこかに置いたのかな?

嗚呼ああああ、やっぱり自分はアレなんだな.......................。

 

そして、家族全員で日付がかわるまで家中を大捜索したが見つからず。

妻にたのんで車の中も全部みてもらった。

それでも見つからなかった。

 

朝起きたら、交番に行こう。カード会社に電話して止めてもらおう。あ、免許の再交付も面倒だ、、、。

といいつつ、次の日、交番にいく前に早朝からソロで捜索を再開した。

「やはり車じゃないか?グローブボッスに入っているに違いない。しかし、妻もグローブボックスを念入りに調べたというし...........」

独り言を言いながら、再度車のグローブボックスを調べた結果............

まさかのグローブボックスにブラックホールが仕掛けられていた!!!!!!!!!!!!!!!!

 

グローブボックスは開けた時にはほぼわからないが、閉めた時に奥の方に隙間が出来る。

簡単に言うと、タンスの引き出しの奥には隙間があって、あまり多くの物を入れると後ろ側に落ちる仕組みになっているのはご存知だろう。年末大掃除の時とかに、引き出しを全部取り外すといろんなものが落ちていたという経験はないだろうか。

私はその隙間に手を無理矢理入れてみた。

すると...........

財布の感触!!!!!!!!

強引に引き摺り出した私の手には、黄金に輝くgarçonのサイフが!!!!!

安堵とともに、それまでのパニクり感の疲れがどっと押し寄せた。

こんな事で私は毎日、どんだけ時間と心をすり減らしているのか。

 

昔、あまりにもリモコンを失くすので、リモコンにチップを組み込んだシール状のスピーカーを貼れば、全国のうっかり八兵衛さんが喜ぶのではないかと、「リモコンリモコン」という製品開発をしようと思っていた事を思い出し、インターネットで調べてみた。

すると、すぐに見つかった。

「Tile」

Tileと冷ややかな眼差しで私を見る妻

このTileという四角い物を失くしそうなものにくっつけておけば、スマホから呼び出すと音が鳴り、地図上で追跡も出来る超絶私に必要なツールなのだ!

大量のTileを買い込んだ私は、いろんな物にくっつけてみた。

先ずは財布。

次に鍵。

さらには子供のランドセル。

これは子供が今、どこにいるのかわかるので安心だ。

犬やネコの首輪につける人もいるらしく、デフォルトでアイコンが用意されていた

メガネにも装着したが、重い!w

もっと軽いシール的なものもあるようなので後日注文しよう。

時計にも装着!これは扱いづらい!痛い!

盗難事件が多発する楽器TB303にも。

現在Tileを使用し始めて2ヶ月。そこであらためて気づいた事がある。

私が1番失くすものはスマホだったのだ。

Tileはスマホから呼び出す仕組みになっているので、スマホが無くては意味がない。。。

しか〜〜〜〜〜し!このTileは、Tile本体のボタンをダブルクリックすると、スマホからけたたましいサウンドが鳴るという神仕様になっている!

いままでスマホが見つからないと妻に「電話鳴らしてもらえる?」と小さくなりながらお願いしていたが、いまでは小学生の息子に「Tileでパパのスマホ探して〜」というと喜んでランドセルに付けたTileのボタンを鳴らしてくれる。

息子は言う

「ママみたいにアップルウォッチにすれば良いんじゃない?そしてらウォッチからスマホ探せるよ」

確かにね、その通りなんだけどさあ、見えないんだよ。文字が見えないんだよ。老眼で表示が見えないんだよ!

そうして毎日パニクっている私のところに、絶妙なタイミングで仕事の依頼が舞い込んだ。

音楽の仕事ではない。

「久師さんにモデルになってもらいたい商品があるんです」

いや、そういうの、もう30年も前に辞めているから。

しかし話を聞くと「メガネ」のモデルだという。

しかも、遠近両用メガネで、いわゆるありがちなDASAIデザインの老眼鏡やルーペでは無く、とてもカッコいい。

さらにブランドの名前が

「DONT PANIC」

自分、適任すぎるでしょw

もちろん二つ返事で依頼を受けた。

これで変な汗やパニクりともおサラバだ。

 

 

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