マキノノゾミ作・舞台『東京原子核クラブ』開幕 主演・水田航生のコメントが到着
撮影:交泰
2021年1月10日(日)本多劇場にて、舞台『東京原子核クラブ』が初日を迎えた。
マキノノゾミ作『東京原子核クラブ』は、1997年の初演時に読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞しており、今回はマキノ本人が22年ぶりに演出も手掛けている。
昭和初期。舞台は、風変りな住人が集う東京・本郷の下宿屋「平和館」。理化学研究所に勤務する若き原子物理学者・友田晋一郎は周りのレベルの高さに自信を失っている。そんな中、平和館に訪れた海軍中尉・狩野は理研の研究で新型爆弾がつくれるのではないかと思いつき…。実在の人物をモデルに、時代の荒波の中、闊達に生きる若者たちを描いた群像劇だ。
主演の友田晋一郎役には、『ウエスト・サイド・ストーリー』や『怪人と探偵』など話題のミュージカル作品への出演で注目を集める水田航生 、神出鬼没の謎の女・箕面富佐子役には元宝塚歌劇団月組トップスターで、ミュージカルからストレートプレイまで意欲的に取り組み評価の高い霧矢大夢が出演。
撮影:交泰
平和館の大家・大久保に第三舞台を経て舞台、映画、ドラマで幅広い役柄を自在に演じ分ける小須田康人、友田の師匠である西田教授には文学座所属で柔軟自在の実力派・浅野雅博と2人のベテランが支える。
ほかに、2.5次元舞台で活躍する正統派・久保田秀敏、マキノ演出『オーファンズ』で好評を博した加藤虎ノ介、大劇場から小劇場まで強い印象を残す石田佳央、文学座の期待の新鋭・平体まひろと、堅実さと熱さを合わせもつ上川路啓志、俳優座を経てマキノの信頼も厚い荻野祐輔、劇団「柿喰う客」「青年団」所属の大村わたる、期待の新人・石川湖太朗と多彩な俳優が出演している。
<主演・水田航生コメント>
初日が開き、カーテンコールでお客さまの顔を見たとき、ぐっときました。
このような状況で劇場に足を運んでくださるのがどんなに大変なことか重々承知しています。その中で客席から舞台上に、とても温かい空気が押し寄せてくるのを感じて、舞台はお客さまがいて完成するのものだと改めて実感しました。
初日が開いてお芝居の課題も見えてきましたし、まだまだ自分自身で高めていくことはありますが、まずは、幕を開けられたことにとても感謝しています。『東京原子核クラブ』は悲しい出来事でセンチメンタルになっても、場面の最後には笑っています。その連続で、3時間弱のお芝居があっという間に感じるのではないかと思います。
そして、「今」の時世にもぴったりな内容です。現代社会とリンクする部分や、”原子核”という言葉からイメージする難しさではなく、演劇を見て笑ったり、登場人物の“様(さま)”に気持ち動かされて楽しくなっていく作品です。マキノノゾミさんの舞台は演じていると幸せ感に包まれていくんです。お客さまにもそれを感じていただければ嬉しいです。ぜひ観に来てくださいとは言えない状況ですが、ライブ配信もありますので、お客さまも一緒にこの作品の幸せな空気感を味わっていただければと思っています。