英国ロイヤルバレエ団のプリンシパル高田茜、ヨハン・コボーによる新作『シンデレラ』で日本での初全幕主演
『シンデレラ』
NBAバレエ団が2021年2月6日(土)・7日(日)東京文化会館で世界初演する新作『シンデレラ』に英国ロイヤルバレエ団のプリンシパル高田茜が出演することが決定した。日本での初全幕主演となる。
本作は幾度となく開催中止の危機を乗り越え、ようやく本番を迎える。当初9月に来日を予定していた振付家ヨハン・コボーは、新型コロナウイルスの影響で入国制限となっていた英国から、やっと11月に来日することができ、14日間の隔離期間を経て12月からようやくリハーサルが始まったところだった。
ゲストには英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルのフランチェスカ・ヘイワードを迎える予定となっており、12月下旬に来日予定だった。しかし英国での新型コロナウイルス変異種の流行を受け、政府による英国からの新規入国の一時停止となり、フランチェスカ・ヘイワードが入国不可能となった。
ヨハン・コボーも12月中旬に一旦英国に帰国しており1月に再来日予定だったが、英国からの入国が一時停止となれば来日できなくなり、公演中止が危ぶまれた。しかし再来日であったため、入国が可能となり12月下旬に再入国を果たし、再度の隔離期間を経てリハーサルを再開することができたそうだ。
英国ロイヤルバレエ団プリンシパル:高田茜
そして今回、フランチェスカ・ヘイワードの代役として、帰国していた同英国ロイヤルバレエ団プリンシパルの高田茜に急遽オファーしたところ、高田はこのオファーを快く承諾。結果、2月6日(土)のシンデレラ役に高田が決定した。高田はシンデレラ役のデビューであり、日本での全幕主演が初となる。その正確なテクニックと華やかなオーラでどのようなシンデレラとなるのか期待が高まる。
■作品紹介
誰もが知っているシャルル・ペロー原作の物語、「シンデレラ」。バレエ版『シンデレラ』は振付家によりさまざまなアレンジがされている。今回、ヨハン・コボーが手掛ける『シンデレラ』は、信じることの大切さ、 過酷な状況で“真実の愛”を見つける少女の夢と友情の物語。
(左から)高田茜、ヨハン・コボー
今回、NBAバレエ団は1年以上前からこのプロジェクトを開始。
4月からオンラインでのヨハンとのミーティングがスタートし、新規製作の舞台美術、衣裳に関して何度も話し合いを重ねて来た。
ところが、新型コロナウイルスの影響で2020年に上演予定だった公演が相次いで中止となり、バレエ団を維持するだけで精いっぱい、上演自体が危ぶまれる状況に。
そこで衣裳製作費のクラウドファンディングに挑戦し、約2か月で202名より目標額300万円を上回る418万円の資金を集め、ようやく『シンデレラ』上演に踏み切ることが出来た。
振付は主役からコールドバレエに至るまで、難しいステップやリフトが組み込まれ、次々と展開していく。プロコフィエフの美しい音楽に溶け込む振付、新規製作の舞台美術、そしてクラウドファンディングで集めた資金で製作した衣裳、見たことのない新しいシンデレラを是非楽しんでいただきたい。
『シンデレラ』リハーサル中の高田茜(2月6日出演)と宮内浩之
7日のシンデレラ役にはNBAバレエ団の新星、野久保奈央が大抜擢。ジュニアの頃に地域コンクールで芸術監督久保紘一の目に留まり、高校生でNBAバレエ団と共演を果たし、その後入団した。そんなシンデレラストーリーを持つ彼女にぴったりの役柄だろう。「自分なんか、 バレリーナになんてなれるわけない……そんな自信のないところが私の様で。リハーサルを通してシンデレラと一緒に成長していきたい」と話す。類稀なテクニック、身体能力、そして若々しく快活な踊りは今見ておくべきだろう。
『シンデレラ』リハーサル中の野久保奈央(2月7日出演)
世界中が味わったことのない不安に襲われ、希望や夢を失ってしまいそうな今だからこそ、 シンデレラと一緒に夢の世界を旅してほしい、そして今だからこその感動を味わってほしい。