NightOwlインタビュー、3人で紡いだ想いと5人で始まる未来への希望
NightOwl
折原伊桜(オリハラ イオ)、百城凛音(モモシロ リノン)、雨夜憧(アマヤ アコ)の3人からなるアイドルグループNightOwlは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの我儘ラキア擁する音楽事務所QOOLONGの秘密兵器と言っても過言ではない。一昨年8月のデビュー以来の快進撃は、コロナ禍の影響を感じさせずに順調に動員を上げ、まさに獅子奮迅の活躍を見せている。さらに、今月24日渋谷QUATTROからスタートする東名阪ツアーより新メンバー2名を加え、プロデューサーがNightOwlの完成系と語る5人体制への進化が発表されている。そんな彼女たち、3人で紡いだ第一期への想いと、5人で始まる第二期への希望を存分に語っていただいた。
――コロナの影響で思うように活動が出来ない中でも、8月には1stアルバム『Dear, Night』をリリース。まずはNightOwlの2020年を振り返っていかがですか?
折原:ライブが無い期間に自分自身を見つめ直したり、新しいことを始める時間も増えて。自粛後はライブへの向き合い方が変わってきたんです。「ライブごとにテーマを決める」というのは自粛前からやってたんですけど、自粛後はテーマやセットリスト、その日のライブで伝えたいことを3人でより話し合えるようになって。ライブに対してこれまで以上に気持ちが入るし、意識や気持ちは良い方に変わったと思います。
百城:そうですね。自粛前はたくさんライブをやらせていただいてたので、明日もライブがあるっていうのが当たり前になっていたんですけど。自粛期間にお客さんがいてライブが出来ることが当たり前じゃないことを思い出せたし。「私らって存在する意味あるのかな?」って不安になった時もあったけど、その期間に私たちを知ってくれた人もいて。自粛明けにお客さんの顔を見た時は「苦しかったけど、いい一年になったな」と思えました。
雨夜:NightOwlはステージから何かを伝えるということをしてきたので、自粛中はみんなに何かを届けることが出来なくて。私も「アイドルとして何も出来てないんじゃないか?」って不安になったんですけど。その間も配信を使ってお客さんとコミュニケーションを取って。そこから繋がった人もいるし、ずっと応援してくれてる人も力を貰ったと言ってくれた人もいました。配信ライブも見てくれる人が楽しめためにわがままも言いながら、しっかりこだわって作ることが出来て。あの期間があったから、みんなとの距離がより近くなったし、その間も支えてくれてる人がいたからステージで一緒に笑える時間をより大事に感じていて。NightOwlにとって、すごく勉強になる大事な期間だったと思います。
折原伊桜
折原伊桜
――8月にリリースされたアルバム『Dear, Night』はどんな作品になりました?
折原:私たち、1月に5人体制になるんですが。このアルバムと最後の曲「Dear, Night」で、3人体制のひと区切りみたいな気持ちがあって。いまのNightOwlの全てが分かる、名刺代わりのアルバムになりました。
――「Dear, Night」はこれからへの希望に溢れた曲にもなっていますよね。
折原:そうですね。あとNightOwlは3人でやってるけど、私たちだけじゃなくてお客さんと一緒に作っていくものだと思ってて。よく他のアーティストさんが「おまえらを連れていくよ!」って言うんですけど、私たちは「一緒に行こうね」って気持ちが強くて。どの曲も関わってくれてる全ての方の力で完成すると思ってて、お客さんの前で歌って完成する曲みたいなイメージなんです。だから、初めてお客さんの前で歌った時は泣いたよね?
百城:そうだね、特に「Dear, Night」は3人とも泣いてたね(笑)。
雨夜:思い出すだけで涙出るんですけど。ライブが出来ない期間、私たちも寂しかったし、みんなも寂しかったと思うし。誰もが人と人の距離が分からなくなった時期だったから、「こんな時こそ、アイドルとか人前に立つ人が笑顔に向けるように何かしなきゃ!」って焦っていて。「Dear, Night」の歌詞をみんなで考えて練習してるうちに、「NightOwlだから、この曲を歌うんだ」って責任感が強くなってきて。初めてお客さんに届けた時は想像以上の反応があって、すごく感動しました。「待ってたよ!」って気持ちも伝わってきたし、みんなが諦めないで待っててくれたから分かり合えたと思うし。「Dear, Night」は私たちにとってすごく大切な曲になりました。
――では、アルバム収録曲でそれぞれ特に思い入れの強い曲や、初めて聴く人にオススメしたい曲を1曲選んでもらっても良いですか?
折原:私は「All Night Long」です。MVにもなってるんで、初めて見る人にもオススメしやすいし。ライブの締めによく披露する曲なんですけど、バンドサウンドにもエレクトロにも振りすぎてなくてちょっと綺麗めな感じがあって、NightOwlらしさがよく出てる曲なのかなと思います。百城が以前やっていたグループで出演が叶わなかったイベントがあって、そのイベントにNightOwlとして出演したときの最後にこの曲をやったんですけど。初出演のライブで入場規制がかかるくらい集まって、一緒に振り付けを合わせてくれて。「私たちがやって来たことは間違ってなかった」と思えたし、「この人たちとならやっていける!」と改めて思ったのがこの曲でした。
百城:私は「incubate」かな? この曲は主役って感じじゃなくて、アルバムを聴いてるとスッと過ぎていくような曲なんですが。絶対みんなが思うであろうこと、表に出さない悔しい気持ちとかを全部解決してくれるような曲で。「色々言われても自分は自分」みたいな強さを歌ってるので、日常でイヤなことがあった時や落ち込んだ時に聴いてもらいたい曲です。私も落ち込んだ時に聴いてるし、みんなにもそんな時に聴いて欲しい推し曲です。
雨夜:私はやっぱり「Dear, Night」ですね。ファンの方々と一緒に歩んでいこうという大切な曲ではあるんですけど、大切な人と未来に歩んでいくっていう歌詞は、私たちを知らない人にも大切な人を思い浮かべて聴いてもらいたいです。前を向きたい時にピッタリの曲なので。全世界の人にオススメしたいです。
――NightOwlは2019年8月に活動開始。当時の3人はどんな感じだったんですか?
折原:とにかく必死だったんで、最初はそれぞれ自分のことで精一杯でした。数ヶ月経ってやっと周りが見えてきて、お客さんのことが見えてきて。さっき言った「NightOwlは「一緒に行こうね」って気持ちが強い」というのも活動当初は言ってなくて、「”ついてきて下さい!”って言えるようになります」と言ったこともありました。でも、3人の関係性やお客さんとの距離感から、「一緒に作ってるんだ」って気持ちが徐々に出てきて。自粛期間中くらいに、「“ついて来て下さい!って言えるようになる”って言ってたけど、やっぱ違うわ!」って思ったんです。そこで「あなたたちと一緒に色んな景色を見ていきたいです」って改めて表明したら、「それが嬉しい」って言ってもらえて。考えやライブスタイルが定まったのは結構最近で、そんなに早い時期では無かった気がします。
雨夜:1年目はガムシャラだったもんね。テーマや目標はあるけど、それぞれがそれぞれの道を真っ直ぐ見てる感じで。一本道を走ってるんだけど、周りは真っ暗みたいな(笑)。
折原:今はそれがやっと合わさって、デッカい光の道が見えたみたいな感じですね。
雨夜憧
雨夜憧
――では改めてですが、3人のキャラを自分以外のメンバーから紹介してもらえますか?
百城:伊桜はステージではグループを引っ張っていく存在に見えると思うんですけど、メンバーだけでいる時はふにゃふにゃで、オンオフがめっちゃある人だなと思います(笑)。
雨夜:歌う時は何かが憑依してるみたいだよね(笑)。でも、歌も芯があって綺麗な声で、曲をリードしてくれることも多いし。一緒にステージに立ってて安心感のある存在です。
百城:そのギャップにみんな萌えるんです(笑)。
――百城さんはどんな子ですか?
折原:基本的にめっちゃバカです(笑)。バカなんだけどステージに一生懸命で、パフォーマンスに妥協しないし、めちゃくちゃストイックで。こうやってステージに対して真剣に考えられる人とやれてるから、私も頑張ろうと思うし上を向けてるんだと思います。
雨夜:うん、努力の天才っていうか。バカだからかわからないないけど、目標に向かって何も考えずに前を向いて一直線に走れるタイプだと思し、一番近くですごい努力してる人がいるから、私も伊桜も頑張れるところがあって。バカだけど、欠かせない存在です。
――バカバカって、どんなところがバカなんですか?(笑)
折原:シンプルにバカです(笑)。
雨夜:覚えたての言葉を使いたくて、「Dear,Night」で覚えた“一心同体”を連発するんですけど。同じパンを食べてたら「一心同体やん!」とか、使い方がおかしかったり。
折原:「スマホの画面が割れた」って、画面のスクショを送ってきたこともあったよね(笑)。
――あはは。雨夜さんはどんな子ですか?
百城:憧はNightOwlのために、埼玉から一人で大阪に出てきて。普通に考えて、それをする勇気ってなかなか出せないし。「不安」とか「どうしよう」って言いながら、自分のなりたいアイドルに向かって突き進む姿を見てると、自分も負けられんと思うし。お客さんへの寄り添いレベルもいつも全力で、一緒にいてほっこりする存在です。
折原:私と百城だけだったら、百城がバカな発言をする、それを私が茶化すみたいな感じで収集つかないんですけど、それを中和してくれるのが雨夜。頼りになる存在です(笑)。
雨夜:結構大変なんですよ、暴走がすごくて(笑)。
百城凛音
百城凛音
――こうして話してても仲の良さが伝わってくるし、3人の世界が出来上がってる感じですが。メンバーが2人加わって、5人体制で再スタートすることに関してはいかがですか?
折原:一緒にやる上で人間性や空気感はすごく重要だと思ったので、私たちもオーディションに関わって、新メンバーの空気感をすごい見ました。
雨夜:SNSに「メンバー募集してます」って頻繁に出してたから、「人が集まらないのか?」と思われてたんですけどそうじゃなくて。すごい時間をかけて厳選していたんです。
百城:その子の人生にも関わることだから簡単に決められないし、自分たちやお客さんのことも考えなきゃいけないし。考えることがいっぱいで、頭がパニックだったよね?
雨夜:そうだね。NightOwlの未来もそこで決まるから、すごい悩みました。
折原:「一緒にレッスンやりたいです!」って伝えて、レッスンを数日間やって。その子がどれだけ頑張れるかとか、ステージやお客さんを一緒に大切にしてくれるかとか、技術よりも人間性の部分をすごく見て。他のグループが新メンバーを入れるとしても、ここまで関わらせてもらうことはないと思うんですが。「この子たちなら、一緒にNightOwlをやりたい」って子を選んだので、私たちもすごく納得出来るメンバーに出会えたので。これからのNightOwlは、もっともっともっと強くなると思ってます。
――グループの強化というところで、新メンバーに期待することはなんですか?
折原:2人ともダンスが強いのでバキバキに踊れる子が2人加入するので、私たちも負けじとパフォーマンス力を上げていって。今より迫力のあるステージを見せたいなと想像しています。
百城:3人だと出来ることが限られてしまう部分もあるので、5人になって今まで出来なかったフォーメーションダンスが出来たら良いなとか、出来ることも増えるだろうと思って。想像するだけでグループの可能性を感じて、めちゃくちゃ楽しみです。
――最後に2021年、グループとしての目標、個人としての目標を聞かせて下さい。
百城:5人になって、東名阪でお披露目ツアーをやらせていただくことになっているので。まずは新しいNightOwlを見ていただけたらなと思っているのと。個人的な目標としては、私は2人と違って得意なことも無くて平凡で。個性があまり無いと思っているので、個性を見つけるために色んなことに挑戦したいなと思っていて。具体的に何って見つかってないんですけど、それを探す姿や必死で挑戦する姿まで見てもらって、「自分も頑張ってみよう」と思ってもらえたらいいなと思うし。そこから新しい武器を見つけたいと思ってます。
雨夜:グループとしては、「NightOwlは5人体制が最終形態だ」っていうのを、結成時からプロデューサーさんに言われていたんですけど。スタートした頃はトガってて、「3人は準備期間じゃない!」みたいな気持ちもあって、必死に進んできた1年半があって。その速度は5人になっても緩めたくないし、さらに加速していきたいと思ってます。個人的には私が元気がない時、アイドルさんを見て元気を貰っていた過去があって。アイドルって素敵な職業だなと思ってこの世界に飛び込んできたので、あの時の私みたいに元気が無かったり、不安な時に見て元気になれるようなアイドルになりたくて。もっと強くなって、安心感を放てる存在になりたいと思っているので、もっと力を付けられる年にしたいです。
折原:私は新体制になって、今と同じ規模でやるのは違うなと思ってて。もっと大きいアイドルイベントに出たいし、メインのステージに出たいし、もっと大きな会場でワンマンをやりたいので、歩みを止めずにNightOwlをどんどん大きくしていきたいです。個人的には人数が増えた時、自分に芯がないと個々の存在がぼやけてしまうと思ってて。私はずっと歌が好きで、歌がやりたいって気持ちだけで飛び込んできて。自分の芯にある「歌で圧倒的でいたい」ってところはいまも変わらないので、もっと歌を高めていきたいと思ってます。言葉で伝えきれなくても、歌で伝えられることは絶対あると思うので。自分の強みをもっともっと鍛えていきたいです。
取材・文=フジジュン 撮影=大橋祐希
NightOwl
ライブ情報
2021年1月17日(日) SHIBUYA CYCLONE
XYLÖZ
[DJ]Seidai Takekosh
2部 開場/開演 16:00/16:30
前売 ¥2,500
NightOwl presents 「Light Night」
2021年1月21日(木) 心斎橋VARON
※ワンマン
前売 ¥2,000
NightOwl 新メンバーお披露目LIVE「Night Diver」
2021年1月24日(日) 渋谷CLUB QUATTRO ※SOLD OUT
2021年2月5日(金) 名古屋CLUB QUATTRO
2021年2月11日(木祝) Music Club JANUS
※ワンマン