NightOwl、満員のLIQUIDROOMで誓った想い「4人で歌うこの歌が、未来へ続きますように」
NightOwl
NightOwl『夜夢夜夢ツアー』2024.04.06(sat)恵比寿LIQUIDROOM
「私たちはこのファイナルで、これからの話がしたいと思ってこのステージに立ってます」
自身最大キャパとなる恵比寿LIQUIDROOMのステージに立ち、これまでの集大成かつ、最新型のNightOwlを見せたワンマンライブで、折原伊桜は明るい未来を見据えて力強く語った。今年1月より行っていた、全国9公演を回る『夜夢夜夢祭ツアー』のファイナルとして行われたこの日のワンマン。は当日券を売り尽くし、完全ソールドアウト! 会場を埋め尽くす観客の熱狂と美しいペンライトの光が夜の闇を飲み込む、まさに“夜夢夜夢”な夢みたいな夜を作り上げた。
SEと怒号のような歓声に迎えられて、ステージに登場した4人。「夢のような夜を一緒に作って行きましょう!」と折原伊桜が叫び、始まった1曲目は「ヨルウタゲ」。昨年リリースした楽曲で、すでにライブ定番曲となっているこの曲。この日を待ち望んだファンも、初めてライブに訪れる人も巻き込むアップチューンに♪ソイヤソイヤ!とかけ声を合わせて、宴の始まりを賑やかに宣言! 「夜明け前」と続き、最初は少し緊張してる様にも見えたメンバーに笑顔が浮かぶ中、雨夜憧の挨拶と曲紹介で始まった曲は「グッドバイバイ」。
NightOwl
リキッドのワンマンに向けての意気込みを聴いた今年頭のインタビューでは、“解散”の言葉が口に出るほど苦悩していたという2023年について振り返り、「悩むばっかりで前に進まない私たちへ、“そんな自分にお別れしなさい”って渡された前向きな曲」と、長谷川嘉那が語っていたこの曲。
>NightOwl、「ずっとこの時間が続けばいいのに」
様々な苦難を乗り越えた彼女らはどこまでも前を向いている
https://spice.eplus.jp/articles/325537
去年までのネガティブな自分たちとさよならして、超満員のリキッドで堂々としたステージングを見せる4人が実に力強い。ライブ定番曲「Be the one」と続き、振り付けや掛け声を合わせるオーディエンス。「もっともっと!」と煽ると、会場にライブ序盤とは思えぬ盛り上がりと一体感が生まれ、熱狂するフロアを見た折原が「むっちゃ最高やん!」と嬉しそうにつぶやく。
折原伊桜
雨夜憧
「みんなで過ごす夜も楽しいけど、2人だけの夜も悪くないんじゃない?」と折原が語りかけて始まった曲は、2月にリリースしたばかりの新曲「宵々夜」。ムーディーな曲調と和テイストを感じるメロディに<私、貴方が欲しい>と大人の色気も魅せつつ、長谷川のダンスソロも印象的な新曲で、観客を魅了する。
MCでは改めて挨拶する折原に大歓声が起き、「すごい熱量!」と嬉しそうな笑顔を見せた4人。持病の療養で1ヶ月ぶりのステージとなった雨夜も元気な姿を見せ、「新曲も持ってきております!」と新曲「渡羽」を披露。キラキラしたサウンドに振り付けもキュートな明るい楽曲で会場を沸かすと、イントロに大きな歓声が上がった「夜想歌」へ。盛り上がり必至のこの曲に、会場を埋め尽くすペンライトの光が回る回る――。
百城凛音
長谷川嘉那
新旧織り交ぜたセトリと積み重ねてきた高いスキルとキャリア、そして全力のパフォーマンスで、現段階の集大成と言えるライブを惜しみなく見せるNightOwl。「melt blue」、「incubate」とどっぷり浸れる曲が続くと、MCでは「やりたいことあんねんけど、みんなも巻き込むでな?」と告げた百城凛音。リキッドのワンマンが決まってから、自分たちと同じ熱量で考えて行動してくれたファンへの感謝を語った百城は、「自分も含めて、ここにいるみんなに拍手を送り合えたらと思います。ここまで一緒に来てくれて、ありがとうございました!」と先導し、全員で拍手を送り合う。
さらに、「次の曲も一緒に歌ってくれたらなと思います」と始まった「Shining Ray」に大きな歓声が起き、大合唱で曲がスタート。自身最大級のワンマンとなった今回、をソールドアウトすることが出来た理由として、もちろんNightOwlの人気や努力や実力もあるが、ファンの尽力も大いにあったことを聞いている。自身の音楽や存在を多くの人に本気で届けようとするNightOwlと、それに本気で応えるファン。<僕たちが存在証明>と歌うこの曲に、共鳴する二つの鼓動が形としてはっきり見えた。
NightOwl
観客と生み出した熱量そのままに「La La Lullaby」、「暁闇」と続き、たっぷり気持ちを込めた「16進数の海辺」でしっかり聴かせると、「七日間戦争」で<僕たちなら出来るきっと>と強い意思を表明。MCでは、「これからの話がしたい」と折原が、7月にアルバムをリリースすること。そして、11月4日(月・祝)に横浜ベイホールでワンマンライブ『Flight in the Storm』を開催することを発表。
「次のワンマン、NightOwl初の1,000人キャパのワンマンになります」と話し、それそれがやるべきことをやって、最強の4人になることを宣言。「私たちは仲間であり、ライバルです。どんだけシンドくても、どんだけ間違えても、夢に向かって挑戦していくことを絶対に諦めへん。それがNightOwlのあるべき姿だと思います、ついてきて下さい!」と告げ、「この場で可能性を感じてもらえへんと元も子もないと思うので。こっからさらにギアを入れようと思うんですけど、ついてこれますか?」と始まった曲は「Feel Alive」。ここまでも十分盛り上がっていたが、さらに熱の上がるステージの4人とフロアの観客。どんな無謀な挑戦も、僕たちなら出来るきっと。
百城凛音 / 長谷川嘉那
さらに「Beyond the Night」と続き、最高潮の盛り上がりを見せるフロア。「4人でNightOwlじゃない、あなたがいてこそのNightOwlです。これまで一緒に作ってきたこと、これから一緒に作っていくことを繋ぐ曲です」と折原が告げ、始まった曲は彼女らの代表曲「All Night Long」。消えない過去をぶち壊して、明るい未来を描いて広がる、旅立ちを告げる音。祈るように願うように歌う4人の歌声が、NightOwlの未来に光を照らす――。
「ここからの4曲はメンバー一人ひとりが一曲ずつ、大事に送り出していきたいと思います」と始まった、ライブ終盤戦。最初にマイクを持った百城は、「このファイナルに向かうまでで、確信したことがあって」と自身の悩みや迷いについて赤裸々に語り、「こんな素敵な人らと一緒にアイドル人生を過ごせるんやったら、私はこの場所を最後のアイドルにしたいと思いました」とファンに宣言。「私のアイドル人生のすべてをかけて、みんなのことを絶対幸せにします。これが12年アイドルをやってきた、私の答えです」と力強く告げ、「Answer」を届ける。楽曲に込めた百城の思いをメンバーが後押しし、一人ひとりに丁寧に届ける。
折原伊桜 / 雨夜憧
続いて、持病が発覚してから心と体が何度もぐちゃぐちゃになって、どうしようもない夜もたくさんあったと話し、「みんなと過ごした時間がとっても暖かかったから、一人の夜も折れることなく耐えて、ここに立てています。本当にありがとうございます」とファンに感謝を述べた雨夜。「私たちもみんなもどうしようもない夜が存在すると思うので。これから先のNightOwlも私もこの曲も、みんなの側でお守りになって。どうしようもない夜に寄り添えるといいなって、願いを込めて歌います」と話し、始まった曲は「Dear,Night」。<もう今は孤独じゃない>の歌詞が、力強く優しい。
「私、最初は歌えたらどこでも良かったんです。歌で叶えたい夢があって、歌える場所を探してここに来ました」と語り始めた折原は、「自分だけの夢だったのが、NightOwlの夢が出来て。見てくれてる一人ひとりとの大切な約束に変わりました」と話す。さらに、「歌が好きって以上に辛いことがたくさんあって、何回も心折れそうになったけど。最後につなぎ止めてくれたのが、あなたとの約束でした」と話し、「この先、何があったって絶対に後戻りしません。夢を全部叶え尽くして、約束を絶対果たしてNightOwlを走り切ろうと思います!」と断言すると、「4人で歌うこの歌が、未来へ続きますように」と、3月にリリースされたばかりの新曲「黎明」が始まる。明けてく夜に光が差すように、4人のユニゾンが美しく響く。
NightOwl
「私は諦めず進み続けることしか出来ない人間です。自信が持てなくて、”自分なんかが笑ってていいんかな?”って分からなくなる時があります」と明かし、「みんなが”好きにやっていいんだよ”と言ってくれて、少しずつ自分が許せるようになってきました」と告白した長谷川。「だからこそ、みんなを幸せにしたいって、心から思います。みんながこれからも笑えるように、次の曲を目一杯の愛を込めて届けます」と想いを伝え、始まった曲は「ロンリー・ナイトパレード」。本編ラストとなるこの曲に目一杯の愛を込めて、エネルギッシュなパフォーマンスを見せた4人。ここからもパレードが続くことを高らかに宣言し、明るく楽しく迎えたエンディングに、<独りじゃない>の言葉が説得力を持って届いた。
アンコールでは、「「絶対また会おうね」って約束を置いて帰りたいと思います」と、<約束しようよ 次に会う時は また最高の笑顔で>と歌う「Shooting Star」を披露。フロアを埋め尽るペンライトが星空のようにきらめく風景は夢みたいだけど、決して夢じゃないし。夢見てる場所に必ず君を連れて行くからと、フロアに広がる星空に誓う4人は明るい未来を見据えた、実に凛々しい表情だった。
取材・文=フジジュン 撮影=ヨシモリユウナ
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