太鼓奏者・林英哲から演奏活動50周年記念コンサート開催に寄せてコメント届く

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2021.1.30
林英哲 (c)Julia Lebedeva

林英哲 (c)Julia Lebedeva

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太鼓奏者の林英哲(はやしえいてつ)が、2021年3月17日に東京・サントリーホールで演奏活動50周年記念公演 独奏の宴―「絶世の未来へ」を開催する。林は、1971年より佐渡・鬼太鼓座に参加、その後、鼓童に参加し、トップ・プレイヤーとして多くの世界ツアーに出演した。11年間のグループ活動を経た1982年には、ソロ奏者として独立、作曲や編曲、演出も手がけ、国内外で多彩な活動を繰り広げてきた。なお、2021年2月7日に最終回を迎えるNHK大河ドラマ『麒麟がくる』のオープニングテーマ音楽(作曲:ジョン・グラム、指揮:広上淳一、演奏:NHK交響楽団)の中で重厚に響く和太鼓の音も、林の演奏である。

(c)Julia Lebedeva

(c)Julia Lebedeva

そんな林および主催者から、このほどコメントが届いたので以下に紹介する。

祈り

雨が降ってほしい、日が照ってほしい、思いを届けてほしい、その原初の祈りの瞬間が、太鼓を打っている最中に訪れる時がある。

林 英哲

 

林英哲にしか呼び起せない太鼓のちから

太鼓奏者・林英哲は、今年、演奏活動50周年を迎えました。世界を舞台に独自の芸術を確立し、あたらしい日本の文化を世界にしらしめてきたその実績は、「太鼓音楽」というひとつのジャンルに結実しました。

世界中の老若男女が林英哲の打つ太鼓に共感するのは、その響きが、いのちの輝きを燦然と放ちながら人種や文化を超えた人間の本質を呼び起こし、人を本来の場所に還してくれるちから、原初の存在であることに目覚めさせてくれるちからを感じさせてくれるからでしょう。

2020年は誰もが予想しなかった1年となりました。ステイホームの時間は自分自身と向き合う時間となり、ストレスだらけの生活と人生を見直し、コロナ禍であらわになった社会の矛盾に目を向ける貴重な機会ともなったのではないでしょうか。

パンデミックの収束が見えないままに迎えた2021年、世界が深い闇に包まれた今こそ、林英哲の太鼓に耳を澄ませてください。

3月14日は東日本大震災から十年の節目を迎える仙台郊外、七ヶ浜でいまだ復興半ばの東日本各地の方々への鎮魂の祈念を、3月17日には東京・サントリーホールで昨年から続くコロナ禍に対する「大祓い」の意味を込めて、演奏活動50周年記念コンサートを開催いたします。

今回はゲストも入れずにたったひとりで太鼓と向き合う「鎮魂」と「未来」への祈りの舞台です。林英哲の作り出す時間と空間に身をゆだねてください。波動を感じてください。林英哲にしか創り出すことのできない太鼓の響きがわたしにもあなたにも大きな勇気と希望を与えてくれるにちがいありません。願わくば、そのちからで、壊れつつあるこの世界が再び生き返らんことを。


(c)Julia Lebedeva

(c)Julia Lebedeva

【林英哲プロフィール】
佐渡・鬼太鼓座、鼓童で11年間、トップ・プレイヤーとして多くの世界ツアーに出演、作曲や編曲、演出も手がける。1982年ソロ活動を開始。84年、オーケストラ曲「交響的変容第3部」(作曲:水野修孝)で初の和太鼓ソリストとして カーネギーホールにデビューし、国際的に高い評価を得た。その後、日本はもとより全世界で、多数の交響楽団やジャンルの異なるアーティストとの共演を重ねる。2000年にはドイツのワルトビューネで和太鼓協奏曲「飛天遊」(作曲:松下功) をベルリン・フィル(指揮:ケント・ナガノ)と共演、2万人を超える聴衆を圧倒した。
かつて日本の伝統にはなかった大太鼓ソロ奏法の創造、多種多様な太鼓群を用いた独自奏法の創作など、前例のない太鼓ソリストという分野を開拓。世界に向けて日本から発信する“太鼓音楽”としてのオリジナルな表現を築き、国内外で   活躍中。
日本の太鼓音楽、文化紹介のための海外公演も多く、近年では2014年文化交流使として、トリニダード・トバゴ、キューバ、北米公演を実施。2016年よりヨーロッパ最大級のクラシック音楽祭「LFJ・ナント」には4年連続で出演し好評   を得た。18年には「日加修好90周年カナダツアー」で4都市6公演の実施、秋にはフランス・パリで開催された日仏友好160周年記念・日本博「ジャポニスム2018」の公式プログラムとして林英哲公演を成功させた。また、東京オリンピック・  パラリンピック競技大会組織委員会主催「NIPPONフェスティバル」用公式「コンセプト映像」(公式エンブレム作者、野老朝雄氏制作)に太鼓のみで作調・演奏。そして、現在放送中のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』のテーマ曲や劇中音楽に太鼓 ソリストとして参加。
2021年は演奏活動50周年、22年はソロ奏者として40周年を迎える。

【主な受賞・歴任履歴】
1997 第47回芸術選奨文部大臣賞
2001 第8回日本伝統文化振興賞
2004 洗足学園音楽大学客員教授(~15.3)
2005 ソロプチミスト日本財団・千嘉代子賞
2009 筑波大学大学院非常勤講師(~19.3)
2013 庄原市市民栄誉賞(広島県庄原市)
2014 文化庁「2014年度文化交流使」任命
2015 東京藝術大学演奏芸術センター客員教授(~19.3)
2017 第38回松尾芸能賞・大賞
著作:増補新装版『あしたの太鼓打ちへ』(羽鳥書店)
『太鼓日月~独走の軌跡』(講談社)

(c)Julia Lebedeva

(c)Julia Lebedeva

公演情報

林 英哲 演奏活動50周年記念公演
独奏の宴―
絶世の未来へ

 
■日時:2021年3月17日(水)18:30開演
■会場:サントリーホール 大ホール
■太鼓独奏:林 英哲
■作曲:林 英哲
■プログラム:
第1部「夜明け前」「一人舞」「越境者」「走る黄金の小僧」
第2部「月の光」「七星」「祈夜」「曙光」
■主催:KAJIMOTO / ■企画・制作:遥 [ ハル]
■後援:浅野太鼓文化研究所、太鼓の里 浅野 / ■協力:東京音協、英哲太鼓の会

■料金:全席指定 S席 ¥8,500 A席 ¥7,000 学生券 ¥3,500
■一般発売日:2021年1月24日(日)10:00
カジモト・イープラス www.kajimotoeplus.com
050−3185−6728(オペレーター対応 10:00-18:00)

 
■アーティスト公式サイト:http://www.eitetsu.net/
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