劇団さんらんが絶滅の危機にあるアフリカゾウをテーマにゾウと共に生きる人々を描く『共生』を上演
東京・葛飾で2016年に結成され、安部公房作『どれい狩り』『未必の故意』、オリジナル作『おかえり』『ゴン太のクリスマス』『掘って100年』等を上演してきた劇団さんらんが、2021年3月17日(水)~21日(日)アトリエ第Q藝術(東京都世田谷区)において、さんらん第11回公演『共生』を上演する。
本作は、絶滅の危機にあるアフリカゾウをテーマに、ゾウと人間がどのように「共生」してきたか、また今後どう「共生」していけばいいのか。1943年、1978年、そして現在、3つの時代でゾウと共に生きる人々を描き、祖父、父、娘という3代の物語となる。
100年前に1000万頭いたアフリカゾウは、今では35万頭、今後数10年で絶滅すると予想されており、その大きな要因のひとつが密猟で、15分に1頭のアフリカゾウが殺されているとのこと。
密猟に手を染める者の多くは、マフィアから報酬を得る、現地の貧しい人々で、その一因は私達の日常生活に結びついていて、密猟は決して遠い世界の他人事ではない。ゾウと人間が共に生きること、「共生」について想像することが、この劇のテーマとなる。
作・演出は、さんらんの尾崎太郎が手掛け、出演は、小林大斗、髙橋みのり、竹中友紀子(狼少年)、永野和宏(劇団新人会)、中村有(狼少年)、山本由奈(東宝芸能)、若林正(さんらん/大沢事務所)、渡辺恒(さんらん)が決定している。
<概要>
舞台はコロナ禍の2020年、文京区本郷の大学講堂。
アフリカで⾃然保護活動をしている獣医の特別講義。
彼女が学生達に語ったのは、自分の祖父(上野動物園の飼育員)が戦時下の1943年にゾウの殺処分命令を受けた時の話、自分の父(デパート屋上遊園地の飼育員)が1978年にゾウを屋上から移送した時の話、そして、今まさに自分がアフリカで関わる話、だった。ゾウは1人の俳優が一貫して演じ、1943年と1978年は同一の俳優が別々の役を演じる。