石川修司インタビュー 全日本プロレス『チャンピオンカーニバル』開幕直前! 過酷な10選手総当たりトーナメントに挑む45歳のベテランが優勝宣言! 「50周年へ向けて昇っていく全日本の先頭に立つ!」
(C) ALL JAPAN PRO-WRESTLING Co., Ltd.
1973年に始まり、プロレス界の春の風物詩として「春の祭典」「春の本場所」とも称される全日本プロレス『チャンピオンカーニバル』。
2年振りの春開催となる『2021 Champion Carnival』は、4月9日(金)大阪・エディオンアリーナ大阪・第2競技場にて開幕戦を迎える。
その『チャンピオンカーニバル』で2017年にフリーの立場で初出場・初優勝を飾ったのが、現在は全日本プロレス所属となった石川修司。今年で5年連続出場となるベテランに、開幕直前の意気込み、試合の見どころなどを熱く語ってもらった。 (聞き手:こもとめいこ♂)
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・石川修司(45歳) 身長195cm 体重130kg 岩手奥州市出身 Twitter@g0925union
会社員だった25歳の時に一念発起し、事務方として『DDTプロレスリング』入り。27歳で遅咲きのデビューを果たした異色のプロレスラー。DDT⇒ユニオンプロレス⇒フリーを経て2019年1月から全日本プロレス所属。日本インディー大賞の2013年ベストバウト賞、2016年MVP、ベストユニット賞を獲得。全日本プロレス諏訪魔との『暴走大巨人』ではプロレス大賞最優秀タッグチームに3年連続選出された。今年3月18日に葛西純からデスマッチで『GAORA TVチャンピオンシップ』を奪取するなど、どんな状況にも対応するオールラウンドプレイヤー。
・チャンピオンカーニバル
1973年4月、全日本プロレス創設者である故・ジャイアント馬場の
「世界のチャンピオンを集めて雌雄を決したい」
という構想の下で始まった。その源流は、1959年に日本プロレスで始まった『ワールド大リーグ戦』に遡る。
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――『チャンピオンカーニバル』昨年はコロナ禍で秋に順延となって、春の開催が2年ぶりということで、ちょっと日常が戻る第一歩になっていくのかな、っていう感覚はありますか?
「今、そこはあまり…去年の秋に『チャンピオンカーニバル』をやって、春開催なので、
『スパンが短いな』
っていうのはありますね。あとは今回、2001年以来の1リーグ制・10選手総当たり戦なので…去年は3月、4月だと『無観客試合』とか、その後有観客でも月に1試合とか2試合とかの時期もあって、それを過ぎてようやく… それでも月に4試合とか5試合ぐらいの時も続いてる中で、今回『チャンピオンカーニバル』で9試合、全部シングルになるので、まずは身体が…という感じです」
――試合勘が戻りきる前に、全力全開の闘いが始まってしまう、というお気持ちでしょうか。
「長いリーグ戦で、完走しなければけないので、そこの怖さっていうのちょっとあります。楽しみな部分もありますけれど怖さが…っていう部分がありますね。
連戦の経験も、今までも結構多かったんですけれど…久しぶりって言うか。(身体が)慣れきってない時に、(闘いが)続くので。
前回の『チャンピオンカーニバル』はA・Bブロック各5人だったので、合計4回しか闘わなかったので…試合数が少なかったんですけれど。今回やっぱり、9人と闘うっていう事になったので、そこの違いと言うか。まず、
『乗り切らないといけない』
っていうのがあります。途中まで良い調子でいけても怪我して脱落…っていう訳にもいかないので。
そういう怖さはありますね、はい」
――では『一戦必勝』を目指すというよりは、最終戦(5月3日後楽園ホール)までを見通して闘っていく感じになりそうですか。
「そうですね、はい」
――昨年秋に『チャンピオンカーニバル』、暮れに『2020 世界最強タッグ決定リーグ戦』、そして先月は葛西選手と壮絶なデスマッチ…とやってこられて、体調的に厳しい、という事はありますか?
「そうですね…葛西選手とのデスマッチは3月18日だったんですが…デスマッチを前に、
『もしかしたら動けるまで1週間、2週間…ヘタしたら(大怪我で)入院するかもしれないな』
っていう想定をしていまして…試合に備えて(トレーニングで自分の身体を)追い込めました。結果、動けない様な大ダメージは回避できて…大流血にはなったのですが、その後身体を休められたので、逆に良い休憩になりました」
――では現在は傷も癒えて…体調的には…?
「上向きです(笑)」
――石川選手は4月1日に行われた『2021 チャンピオン・カーニバル 出場選手会見』で「GAORA TV チャンピオンシップ」第19代王者として、その地位を上げることを目指していかれると、話されてましたね。
「そうですね、まあ、全日本プロレスを面白くしていく…というか、まず他の団体でもそうだと思うんですけれど、
『シングルのベルトが複数ある(=権威が曖昧)』
っていう例が多いのが現状です。
全日本プロレスで言うと、今まで『GAORA TV チャンピオンシップ』のベルトっていうのは、独自のルールという特色はありつつも『三冠ヘビー級王座』に次ぐ地位だったと思うので…至宝の『三冠ベルト』に並ぶぐらいまで価値を上げられる様な闘いをしていきたいな…っていうのは思っています。
なので、今回『チャンピオンカーニバル』で『GAORA TVチャンピオン』の僕が優勝したら、完全に、地位としてはMAXまでいく、と思うので。そのポジションチェンジには一番良い舞台でもあるな、と思っています」
――では、それぞれの試合、選手に関してお伺いしたいと思います。先ず1戦目、開幕の大阪で土肥こうじ選手(Twitter@Koji_Doi)ですね。
■ 全日本プロレス 2021 Champion Carnival ~やっぱりステーキ presents~ 【開幕戦】
日時:4月9日(金) 開場17:00 開始18:00
会場:大阪・エディオンアリーナ大阪・第2競技場
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
石川修司
vs.
土肥こうじ
――土肥選手の印象は?。
「そうでうすね…パワーファイターだ! とは、思うんですけれど…ちょっとまだ、シッカリとは本人の主張も解らないし、闘(や)り合ってもいないんで、未知数ではあります。『WRESTLE-1』が無くなって、もう1年経つので(2020年4月で活動休止)。フリーになって
『自分の居場所を造らなくちゃいけない! 』
と考えてると思うので、そういう、ギラギラしたものをリング上で出して欲しいな…と思います」
――会見で土肥選手は『手段を選ばない(で優勝を狙う)』っていうことを何回か強調してましたが…
「まあ、逆にそのぐらいの気持ちで来てくれないとつまらないかな。っていう…」
――18年間、デスマッチも含めて数多の修羅場を潜ってきている石川選手としては乱戦は望むところと?
「はい(微笑)」
――翌日の2戦目の相手が、名古屋へ移動してゼウス選手(Twitter@zeusmatsuri)です。
■ 全日本プロレス 2021 Champion Carnival ~team AED presents~
日時:4月10日(土) 開場17:00 開始18:00
会場:愛知・名古屋国際会議場
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
ゼウス
vs.
石川修司
――昨年優勝者のゼウス選手と序盤で闘う事になりますが、ゼウス選手の印象は?
「心技体、トータルで優れた選手だと思います。前回のチャンピオンなので僕の方が挑む感じなのかな…と思うんですけれど。
とは言えトーナメント2試合目…今、自分がコンディションが良い状態のままで当たれると思うので、ここで勝てれば…この試合の前後含めての3連戦は、優勝する為にはけっこう大事かな…と思ってます。なので
『ここで勝ちきりたいな』
っていうのはありますね」
――ゼウス選手も会見でこの3連戦を『初っぱなで山場』っていう事を仰られてたんですが、石川選手としても同じ気持ちと。
「そうですね」
――3連戦最後、新潟での相手は青柳優馬選手(@attack_on_yuma)です。
■ 全日本プロレス 2021 Champion Carnival ~新潟・万代島多目的広場(大かま)大会~
日時:4月11日(日) 開場17:00 開始18:00
会場:新潟市・万代島多目的広場(大かま)
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
石川修司
vs.
青柳優馬
――靑柳選手は、新年早々に石川選手&諏訪魔選手組を破っての現・世界タッグ王者という事で、リベンジという形になります。
「はい。確かにそれ(リベンジ)もありますけれど、靑柳自身も、ここ最近スゴい勢いで急成長してるので。
身体もドンドン大きくなってきていますし、あとはやはり、リング外のアピールというか、この間の会見での(大先輩に当たる)大谷晋二郎選手への
『ネタ枠』
っていう発言とか、
『スゴい、色々考える様になったな』
と、いうのはあります。
『ただの1若手で終わるかな…』
と思っていたら、ドンドン脱却していって、自分の考えを出してきたので…そういうエゴが、段々出てきて。
『面白い選手になってきてるな』
…っていうのは思います。かと言って、負ける訳にはいかないので。まだまだ年齢的に…アイツだけ20代なので。まだまだ、
『オジサンの強さを見せたいな』
と思ってます」
――急成長は認めつつも、
『まぁ、まだまだだ! 』
っていうところをみせたいという事ですね。
その後ですが、東京へ戻ってきて4月17日(土)新木場大会が、公式戦はお休みで、フランシスコ・アキラ選手とタッグを組んで、本田竜輝選手(Twitter@hondaryuki0211)&ヨシタツ選手組とのタッグマッチが予定されています。
■ 全日本プロレス 2021 Champion Carnival ~東京・新木場1stRING大会~
日時:4月17日(土) 開場11:30 開始12:30
会場:東京・新木場1stRING
<タッグマッチ>
石川修司 フランシスコ・アキラ
vs.
ヨシタツ 本田竜輝
――先日石川選手が
『本田竜輝が後輩なのに15分遅刻してきた』
とTweetされてましたが、本田選手の印象とかってどうですか?昔、プロレス界ではとんでもない事をしでかす新人を『トンパチ』と呼んでいましたが?
「アイツはアホなだけで…(笑)可愛げがありますね。昔で言う『トンパチ』は、今の時代にはとてもメディアに載せられない様な『やらかし』をする奴ですけど、アイツの失敗はまだ可愛げがあるので(笑)」
――ではリーグ戦の合間に、ちょっと『可愛がってやろう』『腕試しをしてやろう』という事ですね。その翌日、
4月18日(日)千葉2AWスクエアで、先ほど名前の出た大谷晋二郎選手(Twitter@otani_shinjiro)との対戦です。
■ 全日本プロレス 2021 Champion Carnival ~千葉・2AWスクエア大会~
日時:4月18日(日) 開場13:00 開始14:00
会場:東千葉・2AWスクエア
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
石川修司
vs.
大谷晋二郎
――大谷選手との試合に向けてのお気持ちは?
「もう、
『楽しみ! 』
ですね。僕も、今年レスラー人生18年目になるんですけれど、未だ1回も(試合で)当たった事も無いし、組んだ事もないので…やはり、今まで闘った人達から
『スゴい痛い』
『熱い試合をする』
って語られる、有名な方だったので。ここで(試合で)『触れられる』事が、スゴい楽しみです。
それから大谷さん御自身が現在
『コンディションをどこまで持ってきてるのか?』
…っていう事を知りたい、という想いもあります。僕が、プロレスを始めて18年かかって、ようやく出会ってるので、
『(大谷さんに)間に合って』
たら良いなあ…って思います。
大谷さんが、良い状態(コンディション)で居てもらえたら、僕もその『熱』を感じたいし、『痛いプロレス』も好きなので、そういうのを
『闘(や)り合いたい』
なっていう、想いはありますね」
――大谷選手は、今『ホットジャパン』というムーブメントを推進してらして、会見でも『ホットジャパン』に関心がありそうな匂いを2人の選手から感じる…と仰ってました。石川選手の『ホットジャパン』への印象は。
「『ホットジャパン』に『JUST TUP OUT』の綾部君(蓮=あやべれん)という選手が居るんですけれど、僕よりデカいんです(公称200cm)。今年3月27日の『ZERO1奉納プロレス 第19回大和神州 ちから祭りスペシャル~プロレスオールスター大チャリティー祭り~』で見かけたんですが…」
――プロレス界でも、石川選手が見上げる選手ってそうはいないですよね?
「そうですね…久々に、
『ああ…デカいな…』
って思いましたけどね(笑)」
――では、『気にはなる』と、いう感じですか?
「まあでも、大谷選手が気になりますよね、やはり。
大谷さんがどんなものなのか?っていうのは、選手みんなも気にしてると思うので…会見でも靑柳が
『ネタ枠』
宮原健斗は
『老けましたね』
それに対して佐藤耕平は
『会見でこうやって弄られたあとが怖い』
と…そうやって大谷さんの名前を出すのも、気になるからだと思います。
僕としても、
『大谷さんが、逆に全日本にどんな影響を与えるのかな?』『熱いパッションと試合を、今の大谷さんがどのぐらいの熱量で見せてくれるのかな?』
と気になってますし、そういうところを含めて(大谷戦は)楽しみですね」
――その大谷選手との試合に続いて、5試合目が翌週末4月24日(土)、新木場で芦野祥太郎選手(Twitter@shotaroashino)とぶつかります。
■ 全日本プロレス 2021 Champion Carnival ~東京・新木場1stRING大会~
日時:4月24日(土) 開場11:30 開始12:30
会場:東京・新木場1stRING
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
石川修司
vs.
芦野祥太郎
――芦野選手の印象は?
「全日本プロレスにはけっこうレギュラーで参戦してて…中々結果は出せてないんですけれど、実力はまあ、誰もが認めるところで。身体がサイズ的にはちっちゃい(公称174cm)ので、(全日本プロレスは大型選手が多いので)アレですけど。実力はあるので…去年の『チャンピオンカーニバル』で僕は負けてるんですよね(9月21日後楽園大会)。
ここでリベンジしないと先へ進まない、と思うので。
『やり返したいな』
っていうのはあります」
――芦野選手が会見で『去年のチャンピオンカーニバルで結果は伴わず』って仰ってましたけど、自分に勝ったにも関わらず、そういう風に表現するのは、ちょっと内心、思うところありますか?
「まあそれは(苦笑)。本人からしたら、
『何度かベルトにも挑戦して獲れてない』
…っていう事もあると思うので、まあまあ…逆にね、そこ(GAORAや三冠ベルト)も含めて狙ってくると思うので…
『今年はリベンジして優勝を』『上位陣を倒して』
と。そこはやっぱり止めないといけないな…と思ってます」
――前回、芦野選手の得意技『アンクルホールド』でやられてしまったんですけど、対策は練られてますか?あるいは、リーグ戦の折り返しでもあるし、ダメージを溜めない様に、芦野選手の得意のグラウンドに付き合わず、スタンドで勝負する手もあるかと思いますが。
「そうですね。やはり体格差があるのでそれを活かして、直線的な力で寄り切りたいな…と、いうのはありますね」
――折り返して6試合目が聖地・後楽園、4月25日(日)佐藤耕平選手(Twitter@KoheiSatoZero1)です。
■ 2021 Champion Carnival ~べろ~家 presents~
日時:4月25日(日) 開場10:30 開始11:30
会場:東京・後楽園ホール
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
石川修司
vs.
佐藤耕平
――タッグチーム、『ツインタワーズ』での盟友対決になりますね。
「そうですね、『大日本プロレス』他でツインタワーズでタッグ王座を何回も奪ってますし、ずっと組んで来てはいるんですけれど…シングルマッチは1回もやった事がないので。初のシングル戦なので、スゴい楽しみではあります。
(タッグパートナーとして)間近で、エルボーとか、蹴りとか頭突きとか、見てきて威力は知ってますし、僕も破壊力はプロレスラーの中でもある方だと思っているので、
『どっちが破壊力があるか?』
というのを試したいんです。けれど、ちょっと後半戦まで考えると…(怪我やダメージが)怖いな。っていうのはあります」
――非常にジレンマがありますね。正面から受け止めたい。けれど、まだ3試合残っているし…という。
「そうですね。ただ、せっかくの初対決なので、やはり盛り上がる形にしたいな、とは思っています」
――そして佳境となる後半戦に入って7戦目、GW目前の4月28日(水)保土ケ谷の相手が宮原健斗選手(Twitter@KentoMiyahara)です。
■ 2021 Champion Carnival ~神奈川・横浜市保土ケ谷公会堂大会~
日時:4月28日(水) 開場17:30 開始18:30
会場:神奈川・横浜市保土ケ谷公会堂
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
石川修司
vs.
宮原健斗
――悩めるエース・宮原健斗選手についてお願いします。
「そうですね、なんだかんだ言っても、やっぱり『エース』なので。
『宮原健斗に勝つ』
っていう事自体が、全日本プロレスの中でも大きな意味を持つと思うので、ここでしっかり、勝てる様な闘いをしたいな、っていうのはあります。あまり最近、分が悪い様な気もするんで。ここで勝ちたいな、っていうのは思いますね、はい。
宮原自身も、
『エースの座を返上してやる! 』
って言ってましたけど…(全日本プロレスの選手は現状では)みんな横一線だと思っているので僕は。
ここで優勝した者が全日本の顔になれる。と、思うので、エースの宮原健斗を倒して、『その先』に行きたいと思っています」
――以前は宮原選手対策として必殺技を投入する事もありました。今回は?
「そうですね、あのー(試合前なので詳しくは)ちょっと…でも、フィニッシュホールドとまではいかないですけれど、動きの中での『新しいイメージ』があるので…ちょっとそれは開幕までには完成させたいな、とは思っています」
――そこは注目したいところになりますね。
翌日、8試合目が後楽園でジェイク・リー選手(Twitter@JL_LCG_0119)です。
■ 2021 Champion Carnival ~東京・後楽園ホール大会~
日時:4月29日(木・祝) 開場17:00 開始10:30
会場:東京・後楽園ホール
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
石川修司
vs.
ジェイク・リー
――会見では最も寡黙だったジェイク・リー選手について印象をお願いします。
「今年から一番『動いてる』のはジェイク・リーなのかな…っていうのはやっぱりあります。
見た目もカッコ良いし、すぐにでもトップにいきそう。でも、いっていない…のが現状。というのが客観的評価だと思いますが、その状況に対する本人の焦りもあっての変化かな、と。
動いてどう変わっていくのか…っていうのは楽しみではあるんですけれど。まあ、変えるんだったら、とことんやってほしいな、と思うので。
とは言え、自分とか諏訪魔さんも、そういう中で時代を創ってきた、と思ってるので。そうそう簡単には変えさせないっていう思いもあります。
そういう部分も込めて、意地でぶつかりたいな、とは思っています」
――状況を変えたいんだったら、もう力づくで変えてみろ、と?
「そうですね、『全日本らしさ』っていうところで、僕と諏訪魔さんは闘ってきたと思ってるので。
ジェイクが新しい時代を見せるんだったら、そこに立って…お客さんに対してもそうですし、納得させられる結果をちゃんと見せてみろ! って感じですかね」
――そのジェイク選手が新しく始めた『TOTAL ECLIPSE』っていうユニット自体に対してはどんな印象ですか。
「まだ、チームとしての色が世間にイマイチ伝わってないのかな?っていうところですね。
ジェイクはなんとなく解るんですけれど、他の人達はあんまり…どういう風なモチベーションでやってるのか、イマイチ良く解ってないっていうか。
そこが、なんかこう…『バラバラ感』があるんですが。あえて『バラバラ感』を出してるのかは解らないんですけれど…あんまり統一性はないかな?っていう感じはあるかもしれません」
――今回の『チャンピオンピオンカーニバル』でそこも見えてくると良いかな、っていう感じはありますか?
「そこはもう、見せないとダメでしょうね。お客さんから支持されないと、ユニットとしてはやっぱり、やってても意味無い、と思うので。ここで是が非でも見せて欲しいなと思います」
――そしていよいよ最終戦、5月3日(月祝)、後楽園ホールで諏訪魔選手(Twitter @suwama_H2)とぶつかります。
■ 2021 Champion Carnival ~【最終戦】 東京・後楽園ホール大会~
日時:5月3日(月・祝) 開場17:00 開始18:00
会場:東京・後楽園ホール
<2021 Champion Carnival 公式戦 30分1本勝負>
石川修司
vs.
諏訪魔
――新春1月2日(土)、後楽園で発展的解消を遂げた『暴走大巨人』対決になります。
「(諏訪魔さんとは)ずっと組んで来て、去年『無観客開催』が明けての最初の後楽園(7月25日)で、僕が(三冠王座に)挑んで負けてるので、そこのリベンジしたいな…っていうのはあります。そして『暴走大巨人』でやってきて、1回解散してるので、今が闘うには逆に良いタイミングかな…と思います。
ここで闘って…(諏訪魔さんが)三冠王者なんでね。そして僕は『GAORA TVチャンピオンシップ』の王者なので。ここで勝てれば、『GAORA TVチャンピオンシップ』の王者の価値も、ベルトの価値もあがるのかな…って思うので、ここでまず勝ちたいですね。
そして最終戦で勝った方が、優勝に近付きそうな気がするので、そういう意味で、是が非でも勝ちたいなって思います」
――やはり最終戦の勝利に向けて…ここを見通して力を入れてくっていう事になりますね?
「今、1戦目から名前出してきて…
『ああ、やっぱりみんな…楽な相手いないな』
とはなってますが(笑)
ここまで、元気でいないとな…っていうのはありますね」
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――石川選手は2017年に初出場で初優勝して、その後は各ブロックの2位で終わっています。
チャンピオンカーニバルは出場するのも高いハードルがあって、その中で優勝すること自体難しいですが、さらに2回優勝となるとさらに大変です。田上明さん、小橋建太さん、天龍源一郎さんというレジェンドも1度の優勝に留まっていますし、諏訪魔選手も初優勝から13年、優勝から遠ざかっています。優勝経験者として、2回目優勝する難しさっていうのは感じられてますか?
「そうですね、なかなか今の…時代なんですかね。突出が中々出来ないって言うか…」
――先ほど『横一線』と仰られてました。
「やはり突出した存在が産まれ難くなっている時代なのかな…って思いますね。なので中々…2回目っていうところまでは簡単にいかせないよ…っていう。ファンの方の視線もそうですし、他の選手からのそういう力も強いと思うので。(2018年の自分に対しても、昨年優勝のゼウス選手に対しての今年も)
『2年連続美味しい思いはさせない』
っていう…だから中々難しく感じます。
『初優勝』…チャンピオンベルトもそうなんですけど、獲った時よりも護る方が難しい、みたいな感じで。
連覇とか2回目っていうのは、本人もそうだし、周りの見る目も違うと思うので。難しくなるのかもしれないですね」
――そんな中、何とか2回目優勝して…と?。
「若い力も大事だと思いますけど、最近は50代の人が…他団体でも頑張ってるので。それを見ても、僕は45歳なので、まだまだ40代! という事で、頑張りたいなと(笑)」
――一般的に40代に入ると、だんだん体力とかも落ちてくる…っていうのはあるんですけど…それに対して石川選手はその40代になってから、逆に『チャンピオンカーニバル』優勝とかっていうのがあって…そこは何か秘訣とか気を付けてる点はありますか?。
「そうですね…歳を…考えないって事ですかね(笑)」
――逆に考えない!?。
「実際に僕も、回復力は確かに落ちたな…っていうのは思います。
ただ、トレーニングの総量っていうか…量とか質とかは落ちてない、落としてないので。そこは変わってないと思います。
だからまだそんな…横一線から一歩退き下がったり…とかは思ってないです。
昔出来てた事が出来なくなった…って露骨に思うんだったら、退き下がると思うんですけれど。実際に出来てるので。まだまだ退き下がろうとは思ってないです。
あとは、例えばトレーニングや練習してる時に何か気付いたり、新しいものを見つけたら、そこで何かもっと別の…例えば走り込みを増やしたりとか、どんどん変えていったりもしてるので。
身体がどんどん変わっていく中でも『衰え』は感じて無いので、このまま行けるところまでは行きたいな、と思ってます」
――ではちょっと『チャンピオンカーニバル』とは離れまして…『GAORA TV チャンピオンシップ』には王者が独自のルールを決めていいという取り決めがあります。それに関しては今、石川選手の頭の中にありますか?
「そうですね、はい。3月18日に奪って、直ぐに『チャンピオンカーニバル』が始まる! っていう事で、あまり発言は出来てはいないんですけれど。
僕の中では…僕は元々DDTプロレスリングにいて、その後はユニオンプロレスに行って、フリーを経て全日本プロレスに入った経緯があるんですが…そこで色々な選手を見てきたから感じるんですが、僕の知る以外にもフリーとかインディー団体の選手で、
『もっと上のポジションにあがりたい! 」「成り上がりたい! 」
みたいな選手がいっぱい居ると思うんです。そういう選手を公募してもらって、自薦他薦問わず名乗り出てもらって…その熱い想いの中で闘いたいな…っていうのはあります」
「そうなりますね。僕も今までそうやって、色々な団体での様々な闘いを経て全日本プロレスの一員になってるので…だから全日本プロレスの一員になってもらって…という話じゃないんですけれど。
『成り上がりたい! 』
とか、ギラギラした人が居た方が、プロレス界自体も面白くなると思うので。そういう人に、
『上の選手に挑戦したい! 』
っていう気持ちを出してほしいなっていうのはあります。」
――「チャンピオカーニバル」の後には、全日本プロレス50周年へ向けてのビッグマッチ、5月16日(日)大田区総合体育館で『2021 Champions Night ~三冠統一の地から 50周年への飛翔~』も控えています。
そこで『三冠ヘビー級』戦の予定もあるんですが、先日入団が発表された『斉藤兄弟デビュー戦(斉藤ジュン(兄)、斉藤 レイ(弟)』も予定されています。
斉藤兄弟をTwitterで
『長身でイケメン…危険な風潮』
と評してらした石川選手としては、このデビュー戦に期待するところはありますか?
「(笑)まあでも、あれだけの…身長が190cm超えて、相撲出身で、ハーフで顔も良い! って中々…あんまりないんで視線は集まりますよね。
それをあまりプレッシャーに感じないで、思いっきりやってほしいな…って思いますね。
歳は…年齢はいってますけど、性格的に感じさせないし。
みんなから注目浴びる色々な要素を持ってもそれに押しつぶされず、
『この歳からでも、プロレスを始めた! 』
っていう想いをぶつけてほしいな、と思います」
――年齢を重ねてプロレスデビューした点では石川選手にも近い部分がありますね。
「そうですね。だから、無理せず出来る事を、思いっきりやってくれたら良いのかな、と思いますね。
デビュー戦の相手は誰になるかまだ解らないですけれど。
誰であっても思い切りぶつかって。僕は、あんまり綺麗なプロレスはしなくても良いのかなと思います。
昔からの相撲出身レスラーの人は、小手先の事よりとにかくぶつかりあって…そういうプロレスを見せてほしいな、と思います」
――もう一つ、諏訪魔選手と『Evolution女子』っていうのを起ち上げられています。全日本プロレスとして、女子部門を始めた意図をお聴かせください。
「今…って言うか5年ぐらい前からなんですけれど、例えば格闘技でいっても、女子が一番視聴率が良かったり、『レッスルマニア』(WWE)でも女子がメイン張ったりする様な時代なので。
正直、男子のプロレス団体に対して
『女子が駄目だ』
って言う様な時代でもないと思うんですよ。ただ、まあ、全日本プロレスがやっぱり、49年間やってきて、
『女子が居た事がない』
っていう事実はあるので。それで
『なんで女子が?』
っていう声があるのも解るので、まあ、諏訪魔さんと考えて…『Evolution女子』っていうところの所属で…っていう形でやろうとしてます。
僕は、興行の1つのパッケージの中で、
『女子が居ても良い』
と思ってる方なので、なんとかその中で、『全日本プロレスらしい女子』を、と思ってて。今はちょっとなんか、『可愛らしい選手』が多いと思うんですけれど、女子のプロレスも。
そうじゃなくて、強さとか、そういうのを見せられる女子の部を創りたいな…っていうのは、思っています。なのでまあ、今後の全日本プロレスの興行の中で、一つの役割を担えるぐらいにはなって欲しいな、と思ってやっています」
――では、『GAORA TV チャンピオンシップ』で面白くしていくのと並行して、全日本プロレス活性化の為にやっていかれると。
「そうですね、見れる範囲で可能な限りやっていきたいと思っています」
――石川選手はデビューした頃、JWPの道場(現PURE-J女子プロレス・亀アリーナ)で練習されていたという事もありましたね。
「はい、当時DDTプロレスリングには道場が無かった頃で。JWPの道場をお借りして、高校の柔道部の先輩だった佐々木貴さんとかに教えて頂いてました。道場の当番として、木村響子さんとか、お亡くなりになった渡辺えりかさんとかが見てらっしゃたのを憶えてます。
デビューしてからも、今のバンビさん(現在フリー)が昔『昭和子』さんだった頃にDDTプロレスリングに居らっしゃいましたし、ユニオンプロレスの時はチェリー(現在フリー)が居たので。女子と練習だけじゃなく、試合もしてましたから。僕は女子プロレスと一緒の興行に何も抵抗は無いです。
ただ、全日本プロレスの中で育った人達の中に
『なんで女子が必要なの?』
って思ってる人も多分いると思うし、ファンの中にもいると思うんですけれど。抵抗というか
『いらないよ』
っていう考えも絶対あるとは思うんですけれど。そこの理解は段々得ていきたいですね」
――王道・全日本プロレスにおけるデスマッチの扉も開いた石川選手としては、そこを突破して行く、と。
「まあ、扉をあんまり開き過ぎて、
『オマエナニやってんだ! 』
って言われるかもしれませんけど(笑)」
――かつて故・ジャイアント馬場さんは
『シューティング(現在の総合格闘技の原型)も内包したものがプロレス』
って仰られてたんで、そういうものも呑み込んで…っていうのも逆に王道っていう感じもします。
何を呑み込んでも揺るがない。っていうのが全日本プロレスの『王道』かな、と。その辺りはいかがですか?
「そうですね。
『プロレスは全部呑み込めるもんだ』
と思ってるので、呑み込んで良いのかな、とは思います。ただ、そこにちゃんと理由は欲しいな、とは思っています。
提供したものが、ちゃんとしたものであれば良いのかな、と。そこでちょっと『イロモノ』になっちゃうと、ちょっと王道を汚す事になるので。そこはちゃんとしたものを見せたいな、とは思いますね」
「はい、そうですね」
――現在、『全日本プロレス』LINE公式アカウントで『2021 Champion Carnival 優勝予想キャンペーン』中ですが、御自分としては、あまり優勝予想みたいなのがたくさん入ると注目されて、マークされてやりにくい、みたいな感覚ってありますか?。
「いえ(笑)むしろ期待されてないよりは期待されてた方がやりがいがあります。どんどん投票お願いします」
――では最期に、今週開幕する『チャンピオンカーニバル』に向けての意気込みをお願いします。
「20年振りの1リーグ総当たりっていう事で、大変な闘いになるとは思います。
そして全日本プロレスは今年49周年目、来年の50周年へ向けて、大田区総合体育館大会というビッグマッチが久々に決まっています。
この闘いを勝ち抜いて…ここで優勝できれば、その大田区のメインに立てると思うので…50周年へ向けて昇っていく全日本の一番先頭に立って、盛り上げたいと思っているので、是非、優勝したいと思います!」
木訥とした雰囲気で、静かな語り口ながら、『チャンピオンカーニバル』優勝への情熱と、全日本プロレスを面白くしたい想いが溢れていた石川修司。
18年目のベテランが挑む過酷な総当たりリーグ戦が繰り広げられる『チャンピオンカーニバル』は、いずれも見逃せない大会となるだろう。
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