荒牧慶彦、玉城裕規が高座にあがる 明治座プレミアム倶楽部presents 『即興!朗読らくご会』~夜の部~公演レポートが到着
(左から)荒牧慶彦、玉城裕規
2021年5⽉17⽇(⽉)、俳優の荒牧慶彦(以下・荒牧)と⽟城裕規(以下・玉城)が初めて落語に挑戦する『明治座プレミアム倶楽部 presents「即興!朗読らくご会」』が東京・有楽町朝日ホールにて実施された。このたび夜の部の公演レポートが到着した。
「明治座プレミアム倶楽部」は、東京の劇場“明治座”が発足した会員限定の動画配信サービス。入会すると明治座の様々な公演動画を楽しめるほか、会員限定のオリジナルコンテンツの視聴や明治座公演の先行予約ができる等、様々な特典が受けられる。
今回のイベントでは、「明治座プレミアム倶楽部」のナビゲーターである荒牧と⽟城の2⼈が、江戸時代から続く⽇本の⼤衆芸能”落語”の世界を体験する。イベントは二部構成で、第1部では、立川志らら(以下・志らら)を先生役MCに迎え、落語初心者の荒牧・玉城が生徒役となって落語の成り立ちなど実演をまじえて学んでいく。
『即興!朗読らくご会』18時開演第1部(左から玉城裕規、荒牧慶彦、立川志らら)
ステージ上は中央に椅子と端の方にミニ高座がある配置に。コロナウイルス感染症対策で声は出せないものの、荒牧と玉城の登場で客席からは大きな拍手が沸き起こった。志ららは14時の部を振り返り、「玉城さんは、即興なのに瞬時にふざけながら自分も笑いながら読んで、お客さんを楽しませるという反射神経が凄いと思います。荒牧さんも落語初挑戦なのに、古典落語の心地よいリズムで読んでたので、凄く耳が良いのだと思います。」と両者を絶賛。
立川志らら
落語に関する質問「落語なんでもQ&A」のコーナーでは、落語の基礎的なことや噺に関する質問に加え、「正座ではなくあぐらではだめなのか?」「噺の登場人物(役)は最大何人?」といったユニークな質問も飛び交い盛り上がりを見せた。「二ツ目に昇進すると基本的に出囃子は自分で決められますが、例えばお2人は何の曲がいいですか?」という質問に対し、玉城は「さよなら人類」、荒牧は「ファンキーモンキーベイビーズ」と答え、「これから落語演るのに、さよなら人類でいいんですか?」とツッコミまれた。
玉城裕規
また、玉城が「コツを教えてほしい」と聞いたところ、志ららは「お辞儀したら一旦落ち着いて、お客さんを見て、自分の呼吸で入ることが大事なんです。噺にスッと入る瞬間が大事ですよ。」とこれから落語を披露する2人にアドバイスした。
荒牧慶彦
落語がどんなものか理解したところで、荒牧と玉城は小噺に挑戦することに。小噺とは、短い落語や落語のまくらに用いる、簡潔でオチのある笑い話だ。先に志ららがお手本を見せることになったが、2人の緊張感に押されて、まさかのオチを間違えるという痛恨のミスに、会場からは笑いが起きた。
荒牧と玉城の小噺を受け、志ららは「玉城さんは自分がオチ理解してないのに、お客さんにしっかり伝わって笑わせてるのが素晴らしい。荒牧さんは分かりやすいように声のトーンを少し変えて表現していて、その加減が絶妙で素晴らしい」とこれまた絶賛。
更に志ららは、「登場人物も多くないですから、役の細かい設定は自分で決めてもいいですし、今回は私がアレンジした台本を軸に、その瞬時に思い付いた事も自由に喋って、それをお客様に聞いて頂くというのが、今回の“即興朗読らくご”ですから。」と締めると、客席からは温かな拍手がおこり、第1部は終了した。
第2部では、学びの成果として、荒牧と⽟城が実際に今回のイベントのために、志ららが書き下ろした“即興朗読らくご”用の落語台本を朗読にて披露。
今回2人が挑戦する演目は、「壺算(つぼざん)」と「ちりとてちん」だ。トップバッターである玉城は「壺算」を、荒牧は「ちりとてちん」を披露することに。披露する演目は14時の部で志ららがその場で決定し、18時の部ではそれを入れ替えた形となった。
意気込みを問われると、玉城は「2回目ですが、気を抜くと大変なことになるかなという気がする。皆様とともに楽しみたい。温かい目でよろしくお願いいたします。」と不安な感情を吐露しつつも楽しそうな表情を見せた。一方で荒牧は「玉城さんのらくご“は”期待していてください。一生懸命やりますのでぜひ楽しんでください。」と答え、会場を笑わせた。
実際に高座へあがり、朗読らくごを披露した2人。
『即興!朗読らくご会』18時開演第2部 玉城裕規「壺算」
玉城は赤い着物に身を纏い登場。早速、話のはじめで噛むという緊張ぶりで、一度読み間違いに気が付いたものの、その後はお客さんを笑わせるようなアドリブも披露するなど余裕気な一面も見せた。状況により声の抑揚を上手く使い分け、間抜けでだまされやすい竹と、頭の回転が速くだまし上手の熊、水瓶を売る店主の戸惑う様をテンポよく、見事に演じ分け、客席からも笑い声が沸き起こった。
竹は女房に水瓶を買って来るように言われたのだが、買い物は得意ではない。そこで買い物上手な兄貴分・熊に付き合ってもらい壺を買いに行く事に…
『即興!朗読らくご会』18時開演第2部 荒牧慶彦「ちりとてちん」
一方の荒牧は薄紫の落ち着いた着物を身に纏い登場。終始落ち着いた様子でありながら、リアクションのシーンは甲高い声を出しオーバーリアクションをするなど、朗読らくごを楽しんでいる様子だった。一度セリフを噛んだ際は思わず自身で笑ってしまっていたが、役にツッコミをさせスムーズに話を進め機転を利かせた。しかしその後も「ウナギ」を「ウサギ」と言い間違え思わず吹き出してしまい、客席もそれにつられるように笑いが起きた。何を食すにも絶賛する人柄の良い亀、一方で何を食すにも屁理屈や知ったかぶりばかりの金と対の二人を演じきった。
大家さんがお客さんにお出しする料理を間違えて一週間早く頼んでしまった。そこで近所に住む亀と金にその料理を食べてもらうことにするが…
落語を披露した感想を問われると玉城は「皆様のおかげで、素敵な空間で素敵な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございます。」と答え、荒牧は「多少のミスはありましたが、皆さんの暖かい目に救われました。こんなに落語が楽しいと思ってもみませんでした。次は染君(染谷俊之※明治座プレミアムナビゲーター)も一緒に地獄に引きずり込もうと思います(笑)。本当にありがとうございました。」と締めくくり、沸き起こる拍手のなか幕を閉じた。
なお、本イベントではアーカイブ配信があり、5月23日(日)23時59分まで、「明治座プレミアム倶楽部」または、イープラス「Streaming+」で、14時の部・18時の部どちらも視聴することができる。人気俳優2人の“朗読らくご”が見られるのは本イベント限定のため、チェックしてみよう。
『即興!朗読らくご会』18時開演第2部(左から玉城裕規、荒牧慶彦、立川志らら)