市川猿之助が日蓮に 後光が射すかの如き一枚、『六月大歌舞伎』第三部の特別ポスターが公開
『日蓮』特別ポスター 撮影:渞忠之
2021年6月3日(木)より歌舞伎座にて、『六月大歌舞伎』が上演される。この度、第三部『日蓮』より市川猿之助の特別ポスターが公開となった。
これまでにも歌舞伎では江戸時代から日蓮を採り上げた作品が多数あったが、今回の『日蓮』では、三代目市川猿之助(現 猿翁)のスーパー歌舞伎(『八犬伝』『カグヤ―新竹取物語―』『新・三国志Ⅰ~Ⅲ』)や二十一世紀歌舞伎組公演(『雪之丞変化』『龍神伝』『新・水滸伝』)で数多くの話題作を手掛け、四代目市川猿之助によるスーパー歌舞伎Ⅱでは『ワンピース』(脚本・演出)、『新版オグリ』(脚本)で当代猿之助とタッグを組み称賛を浴びた劇団扉座の横内謙介が構成・脚本・演出をつとめ、市川猿之助が演出並びに主演(蓮長後の日蓮)をつとめる注目の舞台だ。
市川猿之助
本作では、戦乱が続き、天災が相次いだ鎌倉時代。飢餓や疫病も流行り、世相が混乱を極める中、人々が救われぬ世に疑問を抱いた蓮長が、今を生きることの大切さを説き、強い信念のもと蓮長から日蓮へと名を改め、人々の幸せを願う力強い姿が描かれる。
特別ポスター 撮影レポート
4月某日、『日蓮』構成・脚本・演出の横内謙介も立会う中、都内スタジオでスチール撮影は行われました。撮影は、渞忠之(ミナモトタダユキ)氏。猿之助からの信頼も篤く、互いに意見を交わしながら和やかに撮影は進みました。特殊な発光をするライトを用いた撮影はまるでライブ会場のよう。スタジオは緊張感とともに、高揚感に満たされます。この日初めて『日蓮』の衣裳を纏った猿之助は、手にした一巻の位置を確認しながら、次々と形を極めていきます。一通りのポーズを撮り終えると、猿之助から「ちょっとやってみるから撮ってみて」とリクエスト……その瞬間、まるで宙乗りのときのように身体がフワッと浮き上がります。一瞬を逃さず、カメラのフラッシュと同時にライトが発光します。仕掛けもない中、躍動感に溢れる姿を捉えた一枚が、今回の特別ポスターとなりました。
後光が射すかの如き一枚となった、本特別ポスター。光を照らすその姿は「猿之助=日蓮」が誕生した瞬間とも感じられ、公演の期待が高まるばかりだ。
なお、『六月大歌舞伎』は千穐楽の6月28日(月)まで上演される。