長妻怜央、舞台『タンブリング』インタビュー 男子校の賑やかなノリとハイレベルな新体操のメリハリが見どころ!
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長妻怜央
俳優陣による吹き替え一切なしのパフォーマンスで、“男子新体操”の魅力を世に広めた青春ドラマ「タンブリング」。舞台シリーズにおいても、男子新体操のダイナミックで華麗なパフォーマンスと熱い青春ストーリーで多くの観客を魅了してきた。シリーズ10周年のメモリアルイヤーである2020年には新作舞台の上演が予定されていたが、新型コロナウイルスによりやむなく中止。しかし、復活を幻で終わらせたくないというキャスト・スタッフの再集結により、1年の時を経てついに上演される。
開幕を間近に控える中、新キャストの1人である長妻怜央に、本作への意気込みや見どころをインタビューした。
話をもらった日から、倒立をどうしようって考えたり、柔軟を始めたりしました
ーー去年の公演が延期され、新キャストとしての参加です。出演が決まった時の心境はいかがでしたか?
男子新体操は見たことがありましたし、最初のドラマも見ていました。お仕事でやりとりのある方が携わっていたと聞いてびっくりしました。舞台も長く続いているので出演が決まった時は、「頑張っちゃおう!」と思いました。ただ、倒立ができなかったので、そこをどうやってやろうか考えていました。柔軟も、お話をいただいたその日から始めて。骨がなくなるくらいバリバリに柔らかくしようと思ったんですけど、やっぱり体には限界がありました(笑)。ただ、本番中も柔軟は毎日続けていこうと思っています。
岩崎和寛は、なんで好かれるかわからないくらい曲者
ーー演じる役柄について教えてください。
僕、普段は明るいんですけど、いただくのは暗い役や捻くれ者の役が多いんです。そう見えてるのかな? って気になります(笑)。今回も、双子の弟の役で、お兄ちゃんがすごくて……。和寛はすごく素直じゃないんです。どうしてこんなに素直じゃないんだろうって。僕は気持ちを口に出したほうが楽だし、言うタイプなんです。今ちょっとしんどいなとか。お腹空いたなとか、冷房寒いなとか。でも和寛はそれを言わずにキレるタイプなので、すごい奴だなと思いますね。もしこういう子がいたらどうやって仲良くしよう? みたいな(笑)。チームメイトとか、こんな和寛と仲良くできるみんなすごいなって思いますから。なんで好かれるんだろう、なんでみんな一緒にいられるんだろう? これで許されるってどういうことだろう? と思うくらい曲者のキャラクター。難しいですが、みんなが演技しやすい状況を作りたいなって思っています。
長妻怜央
ーーちょっと曲者ということですが、愛されポイントはどこだと思いますか?
真っ直ぐに捻くれているというか。変に捻くれて「俺がこうしておけばお前は仲良くするんだろ」という感じではなくて、本当に不器用。不器用すぎて愛せるっていう感じかと思っています。何かに一生懸命な人を悪く言う人はあまりいないと思うんです。性格に難があっても、何かに一生懸命だからそうなっている人だとわかると、否定しづらいと思うので、そういう方向性で役作りをしていきたいです。
ーー周りのキャストさんや仲のいい方に、キャラクターについて聞いたりはしましたか?
聞きました! 「このセリフはなんで言っているんですかね?」とか。和寛が謝らなくちゃいけない時に怒るので「どうして?」って、分からなかったので聞こうと思いました。僕は素直なので(笑)。聞いたら納得できました。他のキャストさんにも「こうしたいんですけど、どうしたらいいですか?」「ここ分からないんですけど、こうしてみていいですか」とか、ディスカッションしています。
普段のパフォーマンスにはない間の取り方が難しい
ーー舞台『タンブリング』は練習がハードなことで有名です。実際に参加してみて、どんなところに新体操の魅力や難しさを感じていますか?
曲を聞きましたが、テンポの取り方が独特なので合わせて踊るのが難しいです。普段ダンスをするときに、カウントじゃなくて息とか雰囲気で合わせるという概念がなかったので、そこはしっかりやりたいと思っています。
ーーグループでのパフォーマンスとは違う難しさがありますか?
めちゃくちゃあります。普段は自分たちの立つ位置に番号が振ってあるので、縦と横のラインで合わせられるんですけど。ダンスも独特で、伸びがあったり、意外と振りがゆっくりだったり。その間をどうやって持たせようかなと。流れがまだ体に入っていないので、難しいなと感じています。
チーム6人の息の合ったパフォーマンスを魅せたいです
ーー得意な技や苦手な技はありますか?
バク転、ロンダートやバク宙はずっとやっていたので、「こうしたらいいよ」と言われるとすぐできるんですけど、倒立が難しくて。あと鹿倒立。鹿の角みたいな形で止まるんですけど、倒立でも難しいのに鹿かい! みたいな(笑)チーム6人で合わせなきゃいけないのでなお難しいですね。できるだけ早くマスターして、本番までには調整できるようにしたいです。絶対失敗しないように。……でも僕、結局追い込まれてギリギリになっちゃうんです(笑)。
長妻怜央
ーー悠徳高校のパフォーマンスの見所を教えてください。
僕はアクロバットの経験がありましたが、初挑戦のメンバーもいるんです。それがすごいなと。仕事で挑戦して、皆さんの前で披露するって、すごい努力と勇気が必要だと思います。だからこそ、簡単にできてしまう人と違って一個一個気持ちを込めて演じているし、見ている人も感じるものがあるんじゃないかな。それも魅力のひとつだと思います。ダンスも、揃えるものが多かったり、綺麗なラインだったりを見せる振りがたくさんあるので、注目してほしいです。
これから本番に向けて詰めていくところ
ーー開幕まで約2週間となりました。現時点での手応えはいかがですか。
期待の意味も込めて……30%くらいですかね。
ーー意外とまだこれからなんですね。
そうですね。でも2週間と聞いて意外とあっという間だと思いました。緊張はめちゃくちゃしています。マットがある状態で全部通すのはしてなかったので、これから実感が湧くのかなと思います。マットを置いて通せる稽古場ってなかなかなくて、始まったばかりなので、楽しみでもありつつ緊張もしています。
独特の緊張感と、舞台ならではの面白さがあると感じます
ーーバスケ経験があるほか、さまざまな舞台やライブでハードなパフォーマンスをされてきていますが、随一の運動量ではないでしょうか。
意外と大丈夫なんじゃないかなって感じになってしまいますが、(ライブなどとは)また違ったキツさがあるんだなと、通しをやって思いました。全部通してやると緊張感がすごいんです。ライブだとピアノを弾くとかの精神的な緊張が多かったんですけど、これは体力的な緊張。体がブルブルするような緊張は初めてです。新体操の演技で「あー、失敗しちゃったな」ってあとのお芝居とか、難しそうですし。(脚本では)大成功した! という部分なのに、ちょっとしくじっちゃったってこともあると思うんです。でも、実際の新体操のチームでも、演技が成功して優勝したけど、自分はちょっと失敗したとか、あの部分ダメだったなって心残りを感じることはあるだろうし。僕は新体操をやったことはないけど、それに似てるのかなって思います。新体操の演技の出来によって毎回お芝居も違ってくると思うんですが、そこも良さなのかな。舞台じゃないと出ない面白さがあると思います。
長妻怜央
ーー体力的にきついとのことですが、体作りはされましたか?
あまり筋肉をつけないようにしてます。筋肉をつけると体の自由が効かなくなって、逆に動きづらくなったりするので。でも筋肉がなければできない部分もあるし、(筋肉が)ある程度あったほうがパフォーマンスは安定するのかな、と思いつつ……。いいとこを探りたいです。でも、新体操の練習で、逆立ちとか倒立1分とかは毎回やってます!
ーー1分! 長いですね。
そうなんです。最初はまだ30秒……って思っていたんですけど、今は意外とキツくないです!
学生時代に近い雰囲気で楽しくやっています
ーーカンパニーは男子校のようなわちゃわちゃした雰囲気とのことですが、稽古中の面白エピソードはありますか?
今回のチームは航南高校と悠徳高校ですが、振付師さんの「悠徳」のイントネーションが違うんです。「悠徳(就活のイントネーション)」なんですけど、ずっと「悠徳(関東のイントネーション)」で言っていて。僕らも訂正せずにイントネーションを合わせて話したり(笑)。
ーー学校でありがちなノリですね(笑)。
そうですね。僕らにしか分からないけど、僕らだけでわちゃわちゃと。先生にバレないように遊ぶみたいな。先生の頭にゴミとかがついてるのをみんなでちょっといじるノリに近いです(笑)。
ーー公式のインタビュー動画で、ライバルとして蒼木陣さんのお名前をあげていました。逆に相棒的な存在はいらっしゃいますか?
役的にはお兄ちゃんを演じる納谷健くんが相棒的な感じ。あと、個人的には西銘駿くんにずっと話しかけてます。僕が勝手に相棒だと思ってます(笑)。役としてはそんなに一緒にいる感じでもないんですけど、僕のことを庇ってくれて、境遇もちょっと似ていて。それに役関係なく、たわいもない話もしてます。「常温の水って体に染み込みやすい分、飲んでる気しないな〜」みたいなのをふっかけて。それで西銘くんは笑ってくれるんです。わけ分からない絡みをしにいくことが多いですね(笑)。
ーーそれも学生っぽさというか、わちゃわちゃ感が出ていますね。
それはありますね。話しやすい子のとこに話しに行くとか、学生時代の雰囲気に似ているかもしれません。
長妻怜央
僕のアピールで、双子の技が追加されました!
ーー双子役の納谷さんとの関係性作りや、双子らしさを出すためにしたことはありますか?
双子らしいところは一個もないんですけど、新体操で、2人で決める技があります。元々納谷くん1人でやっていたんですけど、僕もできますアピールしたら2人でやることになりました。
ーー長妻さんの提案で双子の見所が追加されたということですね。
そうであってほしいですね(笑)。いいシーンというか、見所になってくれたら嬉しいと思います。意外と序盤です。気を付けていないとあっという間に過ぎ去っちゃうと思うので、見逃した方はもう一回見てもらえれば(笑)。
普段とは違う長妻怜央に注目してください
ーー公演に向けた意気込みを教えてください。
まずは練習で怪我しないのが一番ですかね。それと、こういう状況なので、キャストの皆さんともコミュニケーションがなかなか取りにくいです。その中でどれだけ皆さんに良いものを届けられるかが大事だと思うので、めちゃくちゃ稽古を楽しんでます。高校生ってわちゃわちゃしてるじゃないですか。わけ分からないことで笑ったり。(カンパニーは)男子校って感じがすごく強くて。その雰囲気を見ていただいて、演技ではパキッと。男子高校生のわちゃわちゃ感と、新体操の演技のメリハリを楽しんでいただけたらと思います。
ーー最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
新体操は初めて挑戦します。今までのダンスなどとはまた違ったパフォーマンスをお届けできればと思って日々頑張っています。あと、普段のパフォーマンスはオラオラした感じが多くて。今回の新体操はすっとした感じなので、いつもの僕が「動」だとしたら今回は「静」の感じです。「綺麗な長妻怜央」を見ていただきたいです!
長妻怜央
取材・文=吉田 沙奈 撮影=中田智章
公演情報
【日程・会場】
大阪公演:2021年6月11日(金)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール (※6月12日、13日は中止となりました)
東京公演:2021年6月17日(木)~6月24日(木)TBS赤坂ACTシアター
6月11日(金) ライブ配信+見逃し配信付き
6月12日(土)航南高校Day ライブ配信+見逃し配信付き
6月13日(日)悠徳高校Day ライブ配信+見逃し配信付き
※詳しくは公式HPをご覧ください
【スタッフ】
脚本:渡辺 啓
演出:中屋敷法仁
主催:2021舞台『タンブリング』 製作委員会
【出演】
高野 洸 西銘 駿
元木聖也 納谷 健 北乃颯希 廣野凌大 西野太盛
梶原 颯 バーンズ勇気 綱 啓永 / 蒼木 陣 長妻怜央 他
プレミアムシート【航南高校】:17,000円(全席指定/税込)
プレミアムシート【悠徳高校】:17,000円(全席指定/税込)
指定席:11,000円(全席指定/税込)
※プレミアムシートは、非売品グッズ(各高校ジャージ上および特典ブロマイド)付
公式Twitter:@tumblingstage
公式Instargram:tumbling_stage
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