堂珍嘉邦が上映中に涙し、歌に込めた“愛”を語る 映画『ハチとパルマの物語』舞台あいさつレポート
左から、藤田朋子、堂珍嘉邦、アナスタシア
6月5日(土)、映画『ハチとパルマの物語』の“大ヒット御礼舞台挨拶”が東京・シネスイッチ銀座 スクリーン1にて開催され、キャストの藤田朋子、堂珍嘉邦、アナスタシアが登壇した。
『ハチとパルマの物語』は、旧ソ連時代の1970年代を舞台に、モスクワの空港で2年もの間飼い主を待ち続けた犬・パルマの実話を映画化した日露合作。藤田は秋田犬のブリーダー豊田ゆめ役で出演。堂珍は、出演のみならず主題歌も手がけている。
舞台あいさつは、映画の上映後に実施。堂珍は観客と共に劇場で作品を鑑賞しての登壇となった。藤田が「映画を観られてから(堂珍が)控室にいらして、スタッフに『鼻が赤くないか?』と確認していました(笑)」と暴露すると、堂珍は照れくさそうに「いろいろ液体がマスクの中で出ました(笑)」と、上映中に泣いていたことを告白。
藤田朋子
堂珍嘉邦
2019年の11月に撮影され、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて日本公開を迎えた本作について、堂珍は「いろんな世の中の事情がありながら、やっとこうしてみなさんに見ていただく機会を得られて嬉しいです」と喜びを口に。一方の藤田は着物姿で登壇。犬をかたどった指輪をはめ、着物の帯にはロシアを意識したマトリョーシカの模様が。藤田は、映画を観終えたばかりの観客を前に「(コロナの影響で)本当にどうなるかな?と思いつつ、公開と同時にこんなにたくさんの方々に観ていただけているという現実にメチャクチャ感激しています」と興奮気味に語る。アナスタシアは、秋田犬のぬいぐるみを手にし、秋田犬のリュックを背負って登場。日本語で「私はアナスタシア・ラザレフ役のアナスタシアです」とキュートな笑みを浮かべて挨拶し、温かい拍手を受けた。
アナスタシア
アナスタシア
堂珍は、主題歌「愛の待ちぼうけ」について、「ロシアの監督から最初にビデオレターをいただき『とにかくスケール感の大きな作品がいい』というお話で、ストリングスのオーケストレーションを軸に競作させていただきました。基本的に(主人公の少年)コーリャとパルマのリンクした気持ちを言葉にしたいなというのと、求める愛の“求愛”と、救う愛の“救愛”を書けたらいいなと。静かな立ち上がりで、決してすごく明るくはないけど、優しい感触を残したいと思っていました」と想いを明かした。
ビートルズへの造詣が深く、自身も音楽活動を行なう藤田は「いま、堂珍さんからこの曲が作られた過程、想いを聞きましたが、言葉にできないから音楽になったんだなというのをすごく感じました。優しさ、愛の形がとても壮大で、どこか讃美歌のようなアガペー(無償の愛)、大きな愛を感じる曲だなと思いました。SNSなどで検索していて、この曲が流れてくるたびに泣いているのは私だけではないと思います。映画を知らない方もメロディに泣くし、映画を観たらおうちでもう1回聴いてほとんどの人が泣くと思います」と熱く語った。
本作には、2018年の平昌五輪フィギュアスケート金メダリストであるアリーナ・ザギトワが本人役で出演している。先日ザギトワ選手は来日し、この曲に合わせてスケートを滑るというイベントも開催。その場に立ち会った堂珍は「まさか自分の曲でオリンピック選手のザギトワさんに滑っていただけるなんて想像もしていなかったです」と語り、「(ザギトワ選手のプログラムを)見せていただいて、とっても優雅でした。僕の曲がモノクロな寂しさが世界観としてあるとしたら、そこ色がついたというか、花を添えていただいた感じでした」と明かした。
最後に、アナスタシアが再び日本語で「みなさん、映画はおもしろかったですか? お友達とまた観に来てください!」と呼びかけ、舞台挨拶は幕を閉じている。
『ハチとパルマの物語』は全国公開中。