大衆演劇の入り口から[其之八] ・前編 息を飲むほど美しい!お正月の横浜で「たつみ演劇BOX」に出会う

2015.12.25
レポート
舞台

左・小泉ダイヤ座長 右・小泉たつみ座長(2015年5月)

このお正月、横浜で日本の美の世界に出会いませんか?

左から嵐山瞳太郎さん、辰巳小龍さん、小泉たつみ座長、小泉ダイヤ座長、小泉ライトさん、辰巳満月さん(2015/2/7)

左・小泉ダイヤ座長 右・小泉たつみ座長(2015/1/4)

上の写真たちを見ていただければ、おわかりの通り。古典の美。完成された美。一枚の絵のような舞台から、研ぎ澄まされた“華”が観客に向かって放たれる!「たつみ演劇BOX」。全国約130といわれる大衆演劇の劇団の中でも、華やかさ・美しさは随一だ。舞台のすみずみまで、ピン!と緊張が漂う。

左から辰巳満月さん、小泉たつみ座長、辰巳小龍さん(2015/9/21)

2016年1月、彼らは横浜・三吉演芸場にやって来る。公演は元旦のお昼から、月曜日を除く毎日昼夜2回行われる。※公演詳細は記事の一番下に載せています。

麗しの三姉弟と、粒ぞろいのメンバー

劇団メンバーを紹介しよう。ぜひ、この人が気になるなぁ、観てみたいなぁ…という役者さんを見つけてほしい。大衆演劇の劇団は血の繋がった家族で構成されている場合が多いが、たつみ演劇BOXも中心にいるのは実の三姉弟だ。

小泉たつみ座長(2015/9/21)

まず長男の小泉たつみ座長。ニカッ!と陽気な笑顔が印象的だ。代々役者の家系の長男であり、上品でキリリとした清涼感。そこに人を惹きつける喜色がはじける。明るい瞳には、さらにすごい芝居を!楽しいショーを!という情熱が燃えている。笑いどころ満載の口上挨拶を楽しみにするファンも多い。

小泉ダイヤ座長(2015/1/6)秋扇さん撮影

続いて次男の小泉ダイヤ座長。この女形の愛らしさ!(※男性です)お人形さんのような澄んだ美貌が登場すると、おおお…!と客席から感嘆の声が上がる。打って変わって、芝居での太く張りのある声も大きな魅力だ。セリフを聞いていると、よどみがパッと晴れるように清々しい。

辰巳小龍さん(2015/10/24)半田なか子さん撮影

たつみ座長・ダイヤ座長の姉である辰巳小龍さん。大衆演劇界でも屈指の名女優だ。写真は「出雲の阿国」を演じているところだが、表現する喜びや悲しみがしんしんと深い。小柄な姿が舞台に立つと、空間全部が深い物語性に飲み込まれる。“小龍ワールド”が開かれる瞬間だ。

嵐山瞳太郎さん(2015/9/3)花浅葱さん撮影

若手では嵐山瞳太郎さん。古典の世界から抜け出たような典雅な雰囲気、独特の魅力の役者さんだ。若干26歳ながら、歌舞伎や浪曲がしっくり似合う静けさを持っている。冷えた色気のある踊りや、力のこもった芝居に惹かれるファンがあとをたたない。

左から辰巳小龍さん、辰巳満月さん、小泉ダイヤ座長、辰巳花さん(2015/1/10)

他にも、可憐さ満点の辰巳満月さん、成長盛りの15歳・小泉ライトさん、芝居の要所を固める大蔵祥さん、ひたむきな演技が光る辰巳花さん、女の悲哀とやさしさをしっとりと踊る葉山京香さん、新人・小泉龍之介さん、三姉弟の母である辰巳龍子さん、座全体を引き締めるベテラン・宝良典さん…「たつみ演劇BOX」の箱を開ければ、色とりどりの光が飛び出す。そしてメンバー全員が“芝居”という一点を見つめている。

骨組みがカッチリした芝居

「大衆演劇は観たことないけどお芝居が大好き!」という方へ。1月は試しにいっぺん横浜に足を運んでみてほしい。骨組みがカッチリした、大きな世界観の芝居に出会えることを保証する。泉鏡花のほの暗い世界を舞台に描き出した、妖美したたる『夜叉ヶ池』。血煙に包まれた復讐劇『河内十人斬り』。人間の命運を俯瞰的に見つめる『武士道残酷物語』。軽快なコメディ、かつ芯には人情ドラマが通っている『一心太助』。ファンに愛される作品はまだまだたくさん。大衆演劇の芝居は毎日日替わりなので、一ヶ月毎日違う芝居が観られる。

左・小泉ダイヤ座長 右・小泉たつみ座長(2015/4/19)

大衆演劇の芝居は劇団によって全くカラーが異なる。汗と泥の染み出すような、生々しい悲喜こもごもを見せてくれる劇団もあれば、現代的なサラリとした味わいの演出の劇団もある。それぞれに異なった良さがある。その中で筆者は、たつみ演劇BOXの芝居に接するたびに驚く。物語をこんなにも大きなまなざしでとらえ、かつ誰にでも理解しやすく、しかも綺麗に描き出すことができるのか!と。劇団のモットーは「綺麗に品良く」。その美しい舞台景色をどうかお見逃しなく!

小泉たつみ座長(2015/2/8)花浅葱さん撮影

とは言っても、三吉演芸場ってどんなところ?行ったことがないところに行くのはなんだか不安…という方へ。後編では、横浜・三吉演芸場をご紹介。演芸場への行き方・魅力・劇場名物をお伝えします!

⇒≪大衆演劇の入り口から[其之八] ・後編 商店街と名物アイス―横浜・三吉演芸場の魅力≫はコチラ

公演情報
たつみ演劇BOX1月公演 三吉演芸場
会場:三吉演芸場 公式サイト 
期間:1/1(金)~1/29(金) 夜の部まで
休演日:1/4(月)、1/12(火)、1/18(月)、1/25(月)
公演時間:昼の部13:00~16:00  夜の部:18:00~21:00
料金:2200円 ※1/1(金)~1/3(日)は正月公演のため2500円
指定席予約料金:300円 
電話:045-231-7633
※予約なしにフラッと行っても観られるのが大衆演劇の魅力の一つ。だが前方の席で観たい・友人と並んで席を取りたいという場合には予約しておくと確実だ。
※12/31(木)までは休館。
 
問い合わせ先:045-231-7633
神奈川県横浜市南区万世町2-37
●横浜市営地下鉄「阪東橋駅」より徒歩10分
●横羽線「横浜公園出口IC」より5分、または東名高速「横浜町田IC」より30分
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