まふまふ主催『ひきフェス』とは? 初開催はさいたまスーパーアリーナ、2021年8月には東京ドームから初の全世界配信ーー規模を拡大し進み続ける『ひきフェス』のこれまでを紐解く
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『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~』 2019.6.23@メットライフドーム
2017年より開催しているまふまふ主催イベント『ひきこもりたちでもフェスがしたい!』。2021年8月1日には東京ドームで収録した映像を配信する『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅱ@東京ドーム~ONLINE』が決定している。本記事では、規模を拡大し進み続ける『ひきフェス』のこれまでを紐解いてみた。
『ひきフェス』とは?
動画投稿や配信などインターネットでの活動を軸に、家にこもっては夜な夜な歌ったり、楽曲や動画を生み出したり。主催者であるマルチクリエイター・まふまふをはじめ、才ある“ひきこもり”たちが集うイベント、それが『ひきこもりたちでもフェスがしたい!』、通称『ひきフェス』だ。
初音ミクに代表されるVOCALOIDを使って「ボカロ曲」を生み出す「ボカロP」、「ボカロ曲」の「歌ってみた」動画を投稿する「歌い手」が現れた、2000年代後半。時代の大きなうねりの中で、既存の楽曲だけでなく、オリジナル楽曲を歌ったり、自らが作詞・作曲をしたりと、リスナーを楽しませる術を模索した“ひきこもり”たちは、やがて日本発の新たな文化を牽引する旗手となり、今に至る。
2017年5月にさいたまスーパーアリーナにて初開催し、2018年の『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~』、2019年の『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~』と、『ひきフェス』は回を重ねるごとにスケールアップしてきた。それは、いつだってリスナーのことを想う“ひきこもり”たちの存在が、音楽の届け方や楽しみ方に多様性をもたらし、日本の音楽シーンに大変革を起こしていることの証だ。
セルフプロデュース能力に長け、仲間とのつながりも大事にしてお互いを尊敬して止まないのが、『ひきフェス』の面々。彼らがステージに立てば、それぞれの色鮮やかな個性、クオリティの高いパフォーマンス、趣向を凝らした演出で魅了して、『ひきフェス』ならではのスペシャルなコラボレーションでも沸かせる。馴れ合うわけではなく、切磋琢磨し合う同志たちの姿に心を動かされ、たちまち虜になってしまうのは当然のことだ。
また、彼ら自身の挫折や辛い経験を糧にした嘘のない表現、血の通った言葉が、リスナーの共感を呼ぶ、という側面もある。しかも、痛みを知る“ひきこもり”たちは、心優しく、とてもファン想い。どんなに再生回数が増えようと、どんなに大きなステージに立とうと、それは変わることがないし、大人たちに操作されない彼らの混じり気のない表現を求める熱は、高まり続けている。
『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~』 2019.6.23@メットライフドーム
2020年3月に開催予定だった『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅱ@東京ドーム』にしても、新型コロナウイルス感染拡大防止のために残念ながら中止を余儀なくされたものの、
そして、来る2021年8月1日。『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅱ@東京ドーム~ONLINE』と題し、東京ドームで収録した無観客ライブ映像が、国内109か所の映画館で上映され、全世界に向け配信もされる。出演者は、まふまふ、そらる、天月-あまつき-、少年T、うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラ、あらき、un:c、めいちゃん、luz。転んでもただでは起きない、最強の12人である。
2019年の『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服Ⅰ@メットライフドーム~』で、「革命は成った」と高らかに宣言したまふまふ。長引くコロナ禍に翻弄され、時にエンターテインメントへの風当たりは強いけれど。歌・音楽が生み出す幸せな連帯感や一体感は、きっと希望の灯火となる。12人の“ひきこもり”が繰り広げる、和平的世界征服の続きとはどんなものになるのだろうか。胸躍る宴の幕開けを、心待ちにしよう。
次ページでは出演アーティスト紹介をお届けします。