東京公演スタート!ミュージカル「ドッグファイト」レポート
ミュージカル「ドッグファイト」
東京公演ゲネプロの模様をご紹介!
早逝したリバー・フェニックスの数少ない主演映画としても知られる「ドッグファイト」がミュージカルとして全国3都市で日本初演される。すでに大阪公演を終えた本作は、いよいよ舞台を東京・日比谷シアタークリエに移して、12月17日(木)から上演スタート。その直前の時間に日本版主演を務める屋良朝幸らメインキャストによるゲネプロが公開された。
どこか物悲しい女性の歌声が流れる中、ベトナム戦争から帰還した一人の若き海兵隊員バートレイス(屋良)が、乗り合いバスに乗る。隣に座った初老の男が話しかけるもどこかに心を置いてきたような表情。その青年の記憶は、いつしか出征前夜に戻っていく。そこには友情を誓い合った友人、ボーランド(中河内雅貴)とバーンスタイン(矢崎広)の姿があった――。
ミュージカル「ドッグファイト」
ミュージカル「ドッグファイト」
アメリカ・サンフランシスコ。まだ入隊して数か月の新人海兵隊員3名は、いずれも「B」で始まる名前から“3匹の蜂(スリービーズ)”を名乗って友情を深めていた。いよいよ明日ベトナムに向けて出征することになり、一番イケてない女の子を連れて来た者が勝ちとなる海軍伝統の賭け「ドッグファイト」に参加するため、3人はお相手の女性を探しに奔走する。そこでバードレイスは小さな食堂にいたローズ(ラフルアー宮澤エマ)に出逢い、パーティーに誘うが…。
ミュージカル「ドッグファイト」
ミュージカル「ドッグファイト」
ミュージカル「ドッグファイト」
バートレイズの記憶の中では、「ドッグファイト」をはじめ、娼館で一人前の男になるための「儀式」を受けたり、友情の印にタトゥーを入れたり、と出征前夜にハメを外す若者たちの明るさ、そして出会ったローズとの淡い恋、すべてが美しく幸せな思い出だったのだろう。場面場面で聴かせるキャストたちの素晴らしいハーモニー、そしてはじけるようなダンス。一つ一つがキラキラと輝く夢のような青春群像だ。
ミュージカル「ドッグファイト」
ミュージカル「ドッグファイト」
ミュージカル「ドッグファイト」
ミュージカル「ドッグファイト」
そのまぶしさが強ければ強いほど、物語の後半にひかえている「結末」との対比が明確となって観客の胸を強く打つ。
作品のすばらしさもさることながら、現在、青年期の終盤にさしかかろうとしているこのキャストたちだからこそ、青年期真っ只中の若者たちの気持ちを理解してよりリアルに演じることができたのではないだろうか。
屋良と中河内、矢崎のハーモニー、そして屋良と宮澤のハーモニーは聴きごたえ十分。ぜひシアタークリエで2015年の締めくくりに観てほしい一作だ。そしてもう一度観たい!となればぜひ年明け、愛知公演にも足を運んでいただきたい。
屋良朝幸、ラフルアー宮澤エマ、中河内雅貴、矢崎広、浜中文一(関西ジャニーズJr.)、末澤誠也(関西ジャニーズJr.)、新井俊一、まりゑ、春風ひとみ、戸井勝海、保坂知寿